冬だけ営業の超人気店「琴平荘」カリスマ店主のこだわりに密着

よし。 店主:掛神淳さん 息子:掛神瑛さん 期間限定営業は変えない? そう、そう、そう。 それは守ったほうがいい? まぁ できないでしょう。 あの、どうしてもやっぱり麺が思うようにかないもんだから。 夏場入らないのよ、水が。 柔らかくなって。 しまった食感が違う麺になるかも。 ま、気づかない人は気づかないかもしれないけど 我々その特徴を攻めて水を入れられるだけいれてやってるんだから その特徴で個性が失われるもんだから それがちょっと納得いかない 結局冬場の一番水が入る時に食べたお客さんが じゃあ半年ぶりにお盆に来ました 全然違った麺に 感じるってのがやっぱ嫌ですし。 夏にやると水が麺に入っていかないんですか? やっぱりあの梅雨の時期とかは湿度も高いし冬は乾燥するから水が入る。 うん。なんでやっぱ4%から5%ぐらい違う。 夏場の打てる麺に合わせて、冬場もその麺に合わせることはできる そうすると全然個性がなくなる 普通の、一般のラーメン店と同じような麺になると特徴が出ないから ここで見るとわかるかね これがもう塊でしょ。 こんなになって出てくることないから。あと全部水が少ないから。 あのなんて言うの?おから。 あんな状態で出てくる。みんな。 だと水が少ない。低加水でそぼろみたいになって出てくるし。 団子でしょ それだけ水分は多く びちゃびちゃ言ってますもんね。 うん。だからうん。みんなラーメンって、今 1000円まで取れないぐらいだし、その単価って決まってるじゃないですか。 そうするとスープとかにも使える材料って限られてくるわけ。 だから大体みんな同じになんのよ、ラーメンって。スープなんかレベル的には。 だから結局、麺とかで特徴を出してやらないと。麺にはこうやって力を入れてるんだけど。 ビデオとか見ればいいよ。ラーメン王国。 製麺やってるとこ見るとこの状態ですぐわかるから。 あとを継ぐ息子 目指すラーメン。 うん。
やっぱり始めた当初から まず地元の人向けの、地元に愛されるラーメンってのを目指してたので やっぱり田舎っぽいっていうか、新しいものを目指すつもりはないんです。 だから見た目は古いながらもどんぶりの中はすごく進化したような。 そういった味を目指してやってます。 毎年、味が少しずつ変わっていくという話を聞いたことがありますが、 どの辺を進化させているのか? 進化と言い方はちょっとね、うん。おかしいかもしれないですけど、その味の変化です。 だから我々スープの味見をした時に毎日ね
毎年同じようなスープを味見してると 自分自身の舌が飽きてくるわけですね。 それでいろいろ、煮干を変えたとか、魚醬の種類を変えたとか、動物系と魚介系のスープの配合を微妙に変えて 味の変化をつけるということ。
あ、美味しいじゃん。 毎日同じものを食べると美味しく感じなくなるんですよ
ね。 そういった面でこう変化をしてるって。
もうボディ自体は変えないんですけども。はい。 麺がすごく特徴的なこだわりがあるような。 麺はやっぱりこう差別化、特徴出さないとあれなんで、 超多加水麺って言って 水を入れられるだけ入れてます。 そうすることによって何が良くなるんですか? 水を入れれば入れるほど柔らかい麺になりますね、当然。 で、その柔らかい麺を少し固めに茹でることによって他店とは違う、その食感が生まれる その辺を狙ってるんです なんで真似できないんですか? やはりある程度の、自分で言うのはあれですけど、技術が必要です。 あの失敗するリスクがあるんです。 あと麺が全てくっついちゃうと全て廃棄でしょ。 あと25kg一体全部廃棄となってもうギリギリのところでやってるわけです。 おそらくそういう製麺屋さんに特殊のオーダー、超多加水麺でも 54%の麺を作ってくださいっても、概ね断られると思います。 やはり失敗するリスクと日持ちしないっていうのがあります。 ちなみに琴平荘のラーメンって見た目は普通に見えるんですけど 昭和のどんぶり顔なんです。 もうこれは変えません なんでなんですか? 自分がそういうラーメンが好きだからです。 今はいろいろなビジュアルとかあのドンぶり顔がね すごい綺麗なもうイタリアン?フレンチ? そんなラーメン。 創作ラーメンみたいなね、あのラーメンが増えてますけど 昭和の小さい頃からずっと食べてきた ラーメンのイメージがあるんで で中身は美味しく 見た目はもう昭和。 ノスタルジックのネオクラシカルを目指してる スープも結構こだわっている? スープは 開業当初から思考錯誤してやったんですけど、 やはりガラとか豚骨、骨とか使ってやったんですけど やはりどうしても手間暇かかるわりには コクというか出汁が出ない というので肉出しにしてます 鶏と豚からですね。 丸鶏とチャーシューになる豚肉から出汁を取ってます。動物系は。 社長に言うのもあれですけど、納得いくものはいつごろできだした? うーん。納得くものはある程度 10年ぐらいで完成したんですけど 今あんまり納得いってないんですよね。 だからもうちょっとそのもう物価高でとにかくコストが上がって 自分の好きな素材を使えない 素材探しができない。もういいものがあってももう飛び値で入手できない 結局ラーメンの単価を上げれないわけじゃないですか。 だからいいものを使ってね、 1杯1200円、1300円ぐらいの
ラーメンを出せばいいんですけど そうするとやっぱり自分の目指しきたものと違った方向にいっちゃうんで もう地元の人たち常連さんがやっぱり離れちゃうでしょ。 県外からもたくさん来ますから。 遠方から来た人ってそんな 100円、200円ラーメンが高くたってお金出してくれるんですよ。我々もそうです。 だから遠方に行くとそんな1杯1100円だが1200円だが高いと思わずね、 財布の紐緩めちゃいますけど、 やはり地元の人ってのはあの頻繁に通ってきてるわけですから。 その人たちが足が遠いちゃうんじゃないかなっていうのを考えると そんな極端な値上げはできないな こだわれない 1つの理由でもありますね。 社長が描いてる値段設定のこだわりはありますか? 1000円の壁って言われてますけど、あともう限界に来てますよね。 最低賃金がこの12月から1032円。 あと私の感覚では最低賃金よりも 基本のラーメンの値段が下ってことはもうやっていけないんです本来は 最低賃金の値段が1杯の基本のラーメンの
値段ぐらいになれればすごくいいんじゃないかな。 それはどのラーメン店でも思っているはずです
それがなかなかできない。 僕なんか1200 円の食ってみたいですけどね。1300円の美味しいやつを。 そういうお客さんもいます。
社長のもうこだわった素材でこだわりの限定でいいからやってくれっていう ファンもいますけども。 それちょっとできないんですね。この土地柄もあると思います。田舎で。 何度も言いますけど、地元のお客さんをやっぱり大事にしないと。基本なんですよ。 お父さんとラーメンの話とかすることある? あるっちゃありますね。そんな別に仕事するたび、毎回してるわけじゃないですけど。 そういう時ってあの味どうやって出すんだよとかそういう話? そこまで深い話はしないですけど 今日の麺なんかいつもよりどう、こう。みたいな やっぱりその全く同じようにはって やっぱ人の手で作ってるものなんで多少のブレがあったりするんですけど 今シーズンオフなんで、あの、シーズン中
にどれだけブレをなくせるかっていう形で シーズンオフに製麺してる時も、今日なんかちょっと 柔らかく仕上がってんじゃない?みたいな感じで、そういうちょっと仕上がりの部分とか じゃあそれをブレをなくすためには、じゃあここ多分こうしたらいいんじゃないっていう風に 親父と一緒にそういう風な会話したりしますね。 ちなみにお父さんはいろいろ考えはあると思うんですけど 自分なりにこう目指すべきラーメンみたいなのあるんですか? そこまではちょっと今のところはまだ自分そこまでは考えれてないですけど、 とにかく今の段階で言えることは、その自分の代になった時に、今の形を崩さないことですよね。 それが最低限だと思ってて、それをできてからかなって思ってます。 その自分のラーメンをどう、こう。って言えるのは やっぱまず今の形を同じものをお出しするっていうところからって思ってます。 今の味っていうのはそんな難しい? いろいろ手間暇かけていますし、やっぱりラーメン屋ってよくあるのが 代替わりした時になんか味落ちたねとか色々変わったねって言われるのが これが やっぱ物自体が変わってなくても言われることなんで。 それをしっかりお客さんに親父の頃と一緒のものだなって言ってもらえるようなものを出すのが まず最初の僕の仕事だと思っている

「琴平荘」は、山形県鶴岡市にある期間限定のラーメン店。冬の間だけ営業するこの店は、全国のラーメン通の間でまるで神聖な儀式のように「こんぴら詣で」と呼ばれ、多くの人が訪れる。店主の掛神淳は地元に愛されるラーメン作りを目指し、研究を重ねている。譲れないこだわりと、それを間近で見る息子の覚悟とは。2025年9月オープン前の「琴平荘」に密着した。

中華そば処 琴平荘
住所: 〒999-7463 山形県鶴岡市三瀬己381-46 旅館琴平荘内
営業時間: 11:00~14:00 (※毎年10月~5月までの期間限定営業)
定休日: 木曜日(祝日は営業)
アクセス: JR三瀬駅から徒歩約16分
ウェブサイト: https://soba.sanze.jp/

00:00 オープニング
00:11 製麺の様子
06:15 店主インタビュー
13:50 後を継ぐ息子の思い

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2 Comments

  1. ボディは変えない、ネオクラシカル、いいですね!
    納得できないものは出さないっていうこだわりも良いですね!

  2. 琴平荘に通い始めた20年前は
    全国的な人気店になるとは夢にも思わなかったわ。

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