ダックスで巡る万葉集に触れる旅 「桃尾の滝」編
ダックス125で万葉集ゆかりの地をツーリング旅しています。今回は、天理市にある「桃尾の滝」にて、古今和歌集と万葉集の二首をご紹介します。
この滝の水音に耳を傾けると当時の風情が感じられ、
取り上げた二種の和歌の意味がよく理解できます。
今はまた 行きても見はや 石の上 ふるの滝津瀬 跡をたつねて
後嵯峨天皇 (古今和歌集より)
この歌は、「さあ、もう一度行って見てみたいものだ。石上(いそのかみ)にある布留(ふる)の滝の激しい流れを、過去をたずねながら」という意味になります。
いにしへも かく聞きつつか 偲ひけむ この布留川の 清き瀬の音を
「昔の人も、このように(私と同じように)聞きながら、遠い過去を懐かしんだのだろうか。この布留川の清らかな瀬の音を」という意味になります。
この歌は、単に目の前の景色を美しいと称えるだけでなく、自然を通じて歴史や時間、そして人々の心に深く思いを巡らせる、万葉集らしい一首と言えます。
万葉集 第7巻 1111 読み人知らず