那智勝浦町の漁港散歩を終えて、駐車場に戻る、そこには。#和歌山 #那智勝浦町 #漁港 #散歩

え〜…和歌山は那智勝浦の漁港を、ぶらりと歩いておりました。夕暮れどきでしてな、陽はもう山の向こうへ沈んでしまいましたが、空にはまだほんのりと、あかりが残っておりまして——昼でも夜でもない、そんな、ええ時間です。

船のへりに残る潮の匂いと、遠くの方で誰かが戸を閉めるような音が、ぽつり、ぽつりと。人影もまばらで、漁港全体が、まるで一日の呼吸を整えるような、そんな静けさに包まれておりました。

さて、駐車場へ戻りますと……来たときにおった猫が、また、そこにおるんですな。いや、「また」やのうて「ずっと」かもしれまへん。

クルマの脇のコンクリの上に、ちょこんと座ってましてな。空の色を映したような目ぇで、こちらをじっと……いや、見てるようで見てへん。見てへんようで、こっちのことはよう分かってる。そういう、猫らしいまなこ。

風が少しだけ涼うなってきて、その猫のまわりだけ、時が止まってるような、妙に落ち着いた空気が流れてましたわ。

あの猫は、誰かを待ってるんか、それとも、何かを思い出してるんか——いやいや、たぶん、そんなことはどうでもよくて……ただそこに、おるだけなんでしょうな。

クルマのドアに手をかけたとき、ふと「また来いよ」と言われたような気がいたしました。——声ではのうて、背中の方で、そっと、そんな風がしたんです。
……ええ夕暮れでした。

Write A Comment