2025烏山 山あげ祭り 野外歌舞伎 将門 常磐津節歌詞付
主な登場人物 傾城如月 実は 滝夜叉姫【けいせいきさらぎ じつは たきやしゃひめ】 反逆者として滅ぼされた平将門の娘。蝦蟇(がま)の妖術を使う。 かつて将門が本拠地としていた相馬の古御所に立て籠もり、朝廷への反撃の機会を伺っている。 大宅太郎光圀【おおやのたろうみつくに】 将門の乱を平定した(史実とは異なる)源頼信の家来。将門の残党探しを命じられ、妖怪変化が出るという噂の古御所に忍び込む。 *平安時代中期の関東地方の反乱、「平将門の乱」(939)が題材 *将門は死に、福島県の相馬にあったという、「東内裏(あづまだいり)」と呼ばれた将門の御殿も今は荒れ果てています。 将門の残党は、いまだに関東地方を暗躍しています ♪常磐津節『忍夜恋曲者』 ♪『夫れ五行子にありといふ、(彼の紹興の十四年、楽平原なる湯泉の、往昔を茲に湖水の、水気旺んに浩々と、澄るは登る天津空、雨も頻りと古御所に、解語の花の立姿) (恋は曲者世の人の、迷ひの淵瀬きのどくの、山より落る流れの身、うき音の琴の) ♪それならで ♪妻呼交す雁金の、其玉章をかくばかり、 ♪色に手だれの ♪傾城も、焦るゝ人に逢見ての、 ♪後の思ひにくらぶ山、忍ぶ涙の春雨を、傘に凌いで来りける 『大宅の太郎は目を覚し、 将門山の古御所に、妖怪変化棲家を求め、人倫を悩ます由、頼信公の仰を受し光国が、 暫し目睡む其内に、見慣ぬ座敷の此体は、正しく変化の所為なるか 『申し/申し光国様 『扨こそ変化ござんなれ、 イザ ♪正体をと立寄る光国、女は慌て押止め 『アヽ申し、様子言ねばお前の疑念、私は都の島原で、如月といふ傾城で御座んすわいな 『ヤア心得難き其一言、波涛を隔てし此国へ、傾城遊女の身を以つて、来り住べき謂れなし、よし又都の遊女にせよ、ついに見もせぬ其方が、何故我を(と不審の言葉) 『サア御尋なくともお前の胸、晴すは過し春の頃 『何と 『申し ♪『嵯峨や御室の花盛り、浮気な蝶も色かせぐ、郭の者に連られて、外珍らしき嵐山 ♪『ソレ覚えてか君様の、袴も春の朧染、朧気ならぬ殿振を、見染てそめて恥かしの、森の下露 思ひは胸に ♪『光国様と言ふことは、其折知て旦暮に、女子の年が今日の今、届いて嬉しい此仰、疑念晴して下さんせ、 ♪やいの/\と取縋り、赤らむ顔の袖屏風、光国態と打解て 『いかさま切なるおことが心底、左程に思ふ愛情を、捨るは却て本意ならず、疑念は薩張晴たれども、 武辺修行の我身の上、望を果さば兎も角も、夫に付ても往古の、東内裡の荘厳を、思ひ出せばヲヽ夫よ ♪『扨も相馬の将門は ♪『威勢の余り謀叛と共、企て並べし大内裡、驕者の振舞都に聞へ、 ♪朝敵討手の三大将、 ♪頃は二月の百千鳥、 ♪真先かけて押寄る、 ♪数度の軍も辛島に集り勢の悲しさは、風に残んの雪崩れ、 ♪むら/\ぱつと吹散たり、 ♪平親王が最期の一戦、見よや/\と夕月の、鹿毛なる駒に打乗て、 ♪(向ふ者をば拝み打、立割ほろ付車切、斯と見るより上平太が、放つ矢先に将門は) 顳顬箆深に射透され、馬よりどうと果敢なき落命、 ♪寄手は勇む勝鬨と、今見る如く物語る ♪『思へば無念と如月が、歯を喰しばる忍び泣、 ♪さこそと光国詰寄て 『合点のゆかぬ女が振舞、今合戦の様子を聞き、頻りに催す落涙は、(と見咎られてそらさぬ顔) 『ホヽホホホホホ何の私が泣もので、泣いたと言はヲヽソレ/\、可愛男に別れの鶏鐘、後朝告る朝雀、雀が鳴いたと言うことかいなア ♪『ほの/゛\と雀囀る奥座敷、灯火しめる男ども ♪『屏風一重の彼方には、まだ睦言の聞ゆれど ♪『我は見足ぬ夢をさき、早後朝と引締る ♪『帯隠さるゝ戯動も ♪『憎うはあらぬ移香に、又盃盞の数ふれて、三の切たる三味線も、弾るゝ程は弾て見ん、仇し心の仇枕 ♪『交さぬ先もあるものを、往なば往なんせよしや只、独浮身を数へ唄、郭の手管に紛らかす、 ♪はづみに落せし錦の御旗 『コリヤ是慥に 『イヤ夫れは 『夫れとは 『それ 『それ/\/\そつこでせい ♪『一つ一夜の契りさへ、二つ枕の許しなき、 ♪三つ三重四重まはり気は、いつまで解ぬ常陸帯、 六つ酷いと思ひはせいで、七つの鐘の恨めしや艶めかし 『扨こそ/\相馬錦の此旗を、所持なすからは問に及ばず、将門が忘形見、滝夜叉姫であらうがな 『イヽヤ知ぬ覚えはないぞ 『ヤア覚えないとは卑怯の一言、肉芝仙より伝はりし、蝦蟇の妖術習ひ覚え、此古御所に隠れ棲むこと、 『叡聞くに達せし上は、最早免れぬおことが身の上、本名名乗て降参なせ 『チエエ残念や口惜や、斯なる上は何をか包まん、真我こそ平親王将門が娘、滝夜叉なるは 『扨こそナ 『一器量ある汝故、命を助け味方にと、思ふ心が仇となり、見現されし上からは、習ひ覚えし妖術にて、光国そちが命を絶つ、覚悟なせ 『何を小癪な ♪『怒れる面色忽然に、柳眉逆立ちつく呼吸は、 ♪『炎となつて焔々たる、妖術魔術の業通に、流石の勇者もたぢ/\/\ ♪梢木の葉さら/\/\、 ♪魔風と俱に光国が、襟上抓んで(宙宇の争闘、怪し恐ろし世に謳ふ、 時をゑほんの忠義伝、歌舞伎に残す)物語り、 ♪拙き筆に書納む
2025 7/25 栃木県那須烏山市 am9:30~
ユネスコ無形文化遺産 460余年の伝統 移動式野外歌舞伎舞踏
当番町 泉町
平将門滅亡後、源頼信の命を受けた大宅太郎光國は、蝦蟇の妖術を使う怪しいものが出るという相馬の古御所に探索に行く。光國が古御所の中で旅姿のまま仮寝をしていると、ふと不気味な空気を感じ、目を覚ました。するとそこに絶世の美女が現れる。不審に思った光國は斬りかかろうとするが、その女は京の都の島原の「如月」と名乗り、色仕掛けで光國を味方に引き入れようとする。光國は、将門の娘・滝夜叉姫であろうと察し、かつての将門の乱の模様を詳しく語り始める。将門落命の様子を聞くと如月は父の最後に涙を流し始める。如月は取り繕おうとするが、将門の形見である相馬錦の御旗を落としてしまう。それを見た光國は滝夜叉姫であると見破り、ついに正体を明かし大立ち回りへ…。
#烏山 山あげ祭り#ユネスコ無形文化遺産#野外歌舞伎#常磐津節