安曇野で一番ファンタジーな道|おまけ:小太郎吊橋|大町市前越林道|国有林・中の沢林道を目指した顚末|

皆様こんにちは。 いま、長野県大町市です。 例によって北アルプスパノラマロードを北上してきました 今日は、これから、いつもとは少し変わった眺めを と思って、出掛けてきましたので、お楽しみに。 まずは、お馴染みの、北アルプス後立山連峰の眺め。 もうすぐ、国道147号線です。 信号は、国道との交差点、上一北。 国道を横断します。 大町市道1018号沓掛柿ノ木線 JR東日本、大糸線の線路を潜ります。 綺麗だけど、いつもの道じゃないか、と言われそうですが 今回の目的地は、このチャンネルの動画では初めてで もうすぐ、このお馴染みの道からも離れます。 それまでは、アルプスの残雪量や、周囲の色合いなどを 以前の動画の記憶と比べてみて楽しんでくださいませ。 正面の北アルプス爺ヶ岳に向かって一直線。 大町市道8120号泉36号線 ここも、何度走ってるのか、分からない道ですが、 山が観えれば、毎回、「いいねぇ」と思います。(笑顔) 前方に、蓮華大橋南交差点が見えてきましたが、 今回は、ひとつ手前で右折します。 頭上の右が、蓮華大橋です。 大町市道8118号泉75号線 大町市道1020号上一大出線 センターラインが無い市道ですが 空いていて、眺めも悪くないので、 よく使う道でもあります。 大出橋 (高瀬川) 次の信号が、県道との交差点。 大町市道1020号は、ここが終点。 左折して、県道326号に入ります。 信号を直進して、道なりに行くと、日向山に出て、 長野県道45号扇沢大町線と合流できるので、 立山黒部アルペンラインの扇沢駐車場へ直行する場合は 蓮華大橋を渡って、大町温泉郷を抜けるよりも 狭いけど、早くて、近くて、空いてる経路なのです。 一方、いま、私達が走っている県道は、 長野県道326号槍ヶ岳線。 以前、高瀬ダムの奥まで走った、あの時の道です。 木々の緑の濃さも、木漏れ日の眩しさも 夏本番がすぐ近くに来ている感じアリアリです。 昔は、ここを直進で、篭川橋(旧橋)でしたが、 現在は、もう少し上流側に架替えられています。 その新しい篭川橋で、篭川を渡ります。 県道は右折。直進は大町ダム。 私達は左折します。 正面は、昔の篭川橋があった場所です。 ここで、右側の「林道前越線」へ入ります。 看板に書かれていた「千年の森」という場所も 物凄くユニークな所なので、覚えておいてください 右側に河川警報局舎があって、すぐの川が、 前越橋 (高瀬川) 安曇平で、北アルプスパノラマロードの脇を流れている あの、大きな、高瀬川です。 上段の水面と、山の間に大町ダムが見えます。 さて、もっと、進みます。 ここからは、いわゆる道路ではなく、林道です。 と言うと、「え?、道路じゃないの?」って思いますか。 この辺り、案外、考えた事が無い方が多いと思います 道路法でいう道路とは、国道・県道・市町村道ですから それ以外の、農道、林道、私道、里道などは、 道路ではないが、一般的に道路として認識されている、 または、道路とみなされるべき場所となります。 また、林道には、民有林林道と、国有林林道があります。 地図でも調べられるのですが、今回の、この道筋は、 最初は民有林林道で、前越林道。 その先は、国有林林道の、中の沢林道となります。 大町ダム        林道入口
                   
                    大町市
                   前越林道
       前越平
                         地図は、こんな感じで
中の沢林道 保安林
地域森林計画
対象民間林
                 森林地域区分はこんな感じです。
国有林 北アルプス
高瀬川渓谷
                 中
                   の
対岸をこういう角度で眺めたい  沢 今回は、そんな期待があったのです。 話は戻りますが、民有林林道といっても、 私道ではなく林道です。ではその違いですが、 地権者の承諾のもと 地方自治体や森林組合などが、 民有林に開設し、管理するのが林道です。 公金を使っているので、国や自治体の管理林道は 通常は、一般の道路と同様に通行できますが 森林所有者の土地を通るため、 道の脇を一歩入れば、私有地という意識を持つべきです 以前も、色々な林道動画で、周りの山へ入っては駄目よ とか、山菜やキノコを採取しては駄目よ、 と言ってきたのは、そんな意味があるのです。 あら、車が停まってますねー 山菜とりでなければ良いですが、 右上部にハウスが見えるから、利用者かな(?) ここは、入口に案内のあった「千年の森」で、 「千年の森自然学校」というタイトルの ユニークな施設が並んでいます。 ここは、道なり左が、大町市の林道 はい、見えてきました。「自然学校」の中心地。 スタッフでない方のもの、と思われる車もありますね ほら、左右の木々の中を、よく見てみてください かなりユニークで、ファンタジーな眺めでしょ? また、帰りに、もっとユックリ眺めてみましょう。 左手にも小屋がありますね。 この左手には、ツリーハウス シートが掛かってたから、建設半ばですかねー ここにも、建物。 林業系の会社名が書かれていましたよ 以前、林業関係者の知人から聞いたのですが、 日本の林業というのは、可成り苦しいそうです。 先ほど映した地図で、この林道周辺は、 最初「保安林」、その先「地域森林計画対象民間林」 となっていましたが、どちらも森林法に基づく制度で 指定地は、取得税や固定資産税などが免除になったり 相続等に関しても、大きな控除があるなど、 優遇措置という名のメリットも多々あるのですが、 地域森林計画対象林、そして更に厳しい保安林。 伐採や、開発には、厳しい規制が掛かってきます。 以前、その知人から聞かされた話では、 それらの中で、将来を見据えて遣り繰りしてゆくのは 超大変なのだ、という話でした。 おっ、正面の電柱、見えますか? 突然、話が替わって恐縮ですが、 いまの電柱は、角度や光線的にも見やすかったです。 「見やすいって、何が?」と言われそうですが、 先程の「千年の森自然学校」の中心部を通り過ぎても 延々と続く電柱に、気がついておられましたか? 私は、習性というか、習慣というかで、 山の奥などに入って、電柱が建っていた場合は、 ガッツリと、目を凝らします。(笑) その先に、電力需要先が在るのか否かが判りますし、 それが、どの程度のモノかも想定ができるからです。 そして、その想定が出来れば、 通行他車の有無や、道路整備の頻度も想像できます。 また、張られてる線種を見ると、もっと色々推察できます 例えば、ここの場合ですが、 自然学校中心部に至った時点で、最初の「?」 高圧の需要場所とは思えない。 延線距離と需要家規模を見ても、低圧で充分なのです そして「学校」を大きく過ぎても、電柱が続く時点で 次の「?」を感じます。 この先に、民家が在るとは、とても思えませんし、 自然学校を過ぎても高圧電線と光ケーブルが張られてる これだけでも、「多分」、と想像がつきます。 この先で、そんなモノを必要とする施設が、 ほかに、存在する筈がないのです。 しかも、これだけの距離の電柱・電線を施設する場合の 工事費や負担金の金額を考えただけで、解ります。 ほぼ間違いなく携帯電話基地局だと推測ができる訳です そんな金額を負担しようとする施設は、他に考えられない と言うことは、その施設が現れるまでの道は、 保守や改良のメンテなど、関係者が通行するので、 確実に道路整備されていると思える訳です まぁ、その施設は、 今回、私が目指している国有林よりは、 手前に在るのでしょうが、まずは、 電柱の有無を視認しながら、進みます。 と言っていたら、いきなり見えます。ビンゴですね 最後の電柱にも、変圧器が乗ってます。 道中、長いので、高圧で引いてくる必要があったのかな それにしても、まぁ随分とお金の掛かる場所でしたね 昔はこういう山の上から電波を飛ばすのも多かったけど 流石に、近年は、こういう置局はしないらしいです。 さてさて、ここからは電柱がありませんね。 景色の中に電柱が入ってこないのは嬉しい事ですが、 道の利用頻度も、整備頻度も、1段、低くなったと 予め、意識しなければならない訳です、 それでも、何とか、国有林まで、辿り着きたい。 まぁ、中ノ沢林道のある国有林は、 この前越林道経由でしか、車での到達はあり得ないので 国有林管理の観点からも、整備はされている筈なのです これも、私の単なる推測ですけどね。(苦笑) ここいらで、カメラチェック GO- 何か。携帯電話基地局までと比べると、 周囲の草が多いと感じるのは、気の所為ですかね? 脇に寄せてはありますが、落石箇所も多いですねー 林道、前越線、大町市、と書かれています。 あらら、って感じで、怪しい光景が現れました。 これは尋常ではないかも、ということで、 車を降りて確認しました。 右手のガードワイヤーが林道の路端です。 わわ。凄いです。 林道が、そのガードワイヤーごと埋まっています。(驚き) 崩れて積もった土砂の上端へと、物凄い角度の上り坂。 大きな岩は、片付けられていますが、 また、いつ崩れてもおかしくないですねー。 落ちたら、落差100m近くは、止まらない雰囲気。(恐) クワバラクワバラという感じですが、 とりあえず、向こう側まで、行ってみました。 向こう側も、随分と下方に、林道が見えます。 凄い急角度な下り坂でした。 岩と土砂の、てんこ盛り状態です。(苦笑) ここが反対側です。 これは多分、斜面崩壊したけれど、 国有林へのアクセスだけは確保したくて、 何とか通れるようにだけはした、・・・・そんな雰囲気 仮設とも言えない、緊急の措置のように感じました。 通行止めにしてないのが信じられないくらいです。 ほら、向こう側の林道も、あんなに下方なのです。 両側とも凄い急坂の、「太鼓橋」状態です。 落ちたら、あの先まで、止まらないでしょう(怖い) 私の車のヘッドライトが、あんな下方に見えます。(苦笑) ここは、今回は、キッパリ諦めることにしました。 ということで、まずは、車をバックさせます。 この状態で、この太鼓橋を越えるのは、 国有林や、林道管理の関係者の車だけであるべきで、 私のような者が、立入ってはならないと感じました。 この先に、真に要件がある関係者の為にも、 ギリギリ通過可能な現状を、僅かでも崩してはならないし 私が通過した後で、戻る前に、大岩がひとつ落ちただけで もう、私は自力では、引き返す事ができなくなり、 多くの方に、ご迷惑をかけてしまう事になる、等々。 書き出すと、長くなりましたが、考えたのは一瞬ですね 私は、引き返すべきなのだ、と。 そして、引き返すと割り切った途端から、 バックしながらも考えていたのは、 目的としていた眺めが撮れなかったので、 予定していなかった、オマケの眺めを撮りたいな という事でした。(笑顔) さぁ、左右が切れてる部分を通過したので、 この辺りで、向きを変えます。 さぁ、下るとなったら、先程のユニークで ファンタジーな一角の雰囲気を楽しんだ後で、 オマケの景色も眺めましょう。 もうオマケの場所も決めたの?って聞かれそうですが、 はい。すぐに決めました。(笑顔) しかし、彼方此方、崩れそうな場所だらけです。 まぁ、地質的には、日本に壮年期の山など無く、 すべて老年期の風化した山だと思って間違いないですね 飛騨山脈など、日本のアルプスは、壮年期の山だと 言う人も居ますが、私は全くそう思わないです。 谷が、川底を削って、壁が切り立っている間は まだ壮年期なんだという説もあるようですが、 長年、実際に山の中を這いずり廻ってきた身としては 既に、脆くない岩場など存在しないとまで言い切りたい 北アルプスでも、若い頃に攀じっていた岩場で、 そのままの形で残っているようなルートは殆ど皆無で、 アプローチや取付点を変えざるを得なくなったのは まだ、ましな方で、なかには核心部が崩落してしまったり 取り付きの谷が、岩雪崩の巣みたいになってるとか 崩壊箇所を挙げたら、枚挙にいとまがない有り様です。 日本アルプスは、既に脆くて、どんどん崩れが進んでます まぁ、温暖化だからとか言われてますが、 欧州アルプスも例外でなく、あのマッターホルンだって、 氷が消えたら、全崩壊するのではないでしょうかね 所詮、瓦を積み上げたような山ですから。(苦笑) 携帯電話基地局の前まで戻りました。 NTTドコモさんの基地局でした。 ここからはまた、景色に電柱が入ってしまいます。(苦笑) この左手も、崩れてますね。 林道右側にツリーハウス 彼方此方に、片付けられた、大きな落石があります。 あの大きさの直撃を喰らったら、一発でアウトですね この広場も、何かやれそうな場所ですねー 森の中の狭い道から、広場に出ると、明るくて気持ち良い 左手には、三角形の小屋掛けがありますねー 前方に、また、何か見えます。 これは、会社名が書かれていた建物ですね 右手の谷側には、ツリーハウス ここも、過去に崩れたんでしょうね ここには、小屋ひとつ。 ここまでは、かなり分散してハウスが在りましたが、 この先の、自然学校中心部は、 流石に壮観でしたよねー コロボックル村と言うか、いやいや、違うわ。 コロボックルは竪穴住居でしたねー そうそう、あの大ヒット映画スター・ウォーズの初期の 森の月エンドア原住の、イウォークの村を彷彿とさせます あの村も、ツリーハウスだらけでしたよねー おお、 その中心部に入ってきましたよ わおー これ、これですよ。 低身長で好奇心旺盛な民イウォークが現れそうな雰囲気 わおー、いやいや楽しそう とてつもなく、ユニークで、ファンタジーな世界ですねー しかし、本当に自然の中で、 便利なものは、何も無さそうだから、 誰もが気楽に楽しめる場所ではないと思われます。 自然の本当の鬱陶しさと、究極に近い不便さの 両方を楽しいと思える方でないと辛いかな。(苦笑) でも、敢えてそれを真正面に据えていると思われるのが 潔いというか、それこそが「自然」である って、感じでしょうかしらね。 画面、右手にもツリーハウスがありますよ この右手も、ツリーハウスですねー いやいや、とんでもないユニークさです。 自然学校と言うくらいだから、きっと、 大変な自然との付き合い方を体験できるのでしょう 以前、ゴルフ場の緑の景色の中で、深呼吸をして 「自然っていいなぁ」とか言った知人がいたのですが、 そんなのは、まったくもって自然ではない訳で、 自然とは、歩けば顔に蜘蛛の巣が掛かったり、 虫や蜂の群れに襲われたり、毒蛇に遭遇したり、 逃げられない暑さや、寒さに耐えなきゃならない等々 自然の楽しさや感動を味わうためには、引き替えに、 鬱陶しさや辛さや危なさを引き受けなければならない ここなら、そんな基本も体感できそうですね。 右側に黄色の門型の分岐が見えてきたので、 そろそろ、林道入口の、高瀬川の橋です。 高瀬川の瀬音が大きくなってきました。 橋まで戻りましたよ。 さぁ次は、オマケの景色へ急ぎましょう(笑顔) ここで、県道には入らずに、左折します。 大町市道3135号笹平線 大町ダムの真下を通って、堤体上まで続く道です。 さぁ、正面に大町ダムが見えました。 そして、オマケは、その下にある吊橋です。(笑顔) その吊橋へは、 ここ。ここから左側の道を、ダムに向かって入ってください この左下あたりが行止りで、駐車スペースがあります。 私は、一度、大町ダムを下から見上げる映像を撮ります 重力式コンクリートダムで、高さ107m。 上流の2つのロックフィルダムと比べて、地味ですが、 有効貯水容量は、上流の彼らの、1.8倍近いのです。 これ、案外に知られてないのかも、です。 さて、そろそろ、オマケの吊橋映像にします。 駐車スペースに停めたら、ダムへ向かって下ります。 高瀬川の瀬音がドンドン大きく響いてきます。 いゃあ、暑い暑い、もう本当に真夏のようです。 さて、この下の吊橋は「小太郎つり橋」といいます。 松本盆地、安曇平野に伝わる伝説に、 「犀龍と泉小太郎伝説」というのがあるのです。 かつて、松本盆地も安曇平も大きな湖の下だったのを 岩盤を砕き湖水を海に流し、人が住める地にしてくれた という伝説です。 大きな湖だった、とか、海だった、とかについては 実際に、アイヌ語で海辺や浜を意味するような地名もあり 調べると、次々、面白い事が沢山解ります。 そんな「泉小太郎」に関係する史跡が多いのも大町市 それに因んで、大町ダム湖の名も「龍神湖」だし この吊橋も「小太郎」と名付けられたのですね。 小太郎が晩年を過ごした洞窟なども所在は大町市です 伝説は、あくまで伝説ですが、なかなか興味深いですよ さてさて、吊橋の上に行ってみましょう。 真夏の暑い日は、川風が涼しいんですよねー 大町ダムです。 この流れが、針ノ木大雪渓・扇沢からの篭川や 鹿島槍ヶ岳からの鹿島川や、 仁科三湖からの農具川などの支流をあわせて あの、北アルプスパノラマロードの脇を流れている訳です パノラマロードを走る度、この眺めを思い出してください ご覧いただき、
ありがとうございました。

今回は、高瀬川・大町ダムの右岸の山の中の国有林からの北アルプスの眺めを撮りたいと思って出掛けました。安曇野で一番ファンタジーな道を通って行きます。また、今回の「おまけ」は、現在の安曇野を人が住める場所にしてくれた伝説「犀龍と泉小太郎」から名付られた「小太郎吊橋」へ立ち寄ります。夏の暑い日は、川風が涼しい場所です。

3 Comments

  1. ミステリー?
    千年の森?ファンタジー?
    デインジャラス!携帯電話の基地局が、林道の保全を確保してくれている⁉️
    経済的に価値が無ければ崩壊の一途ですね😭
    自然と共生して生きることを見失ったら、いけないです😅また、山で暮らさざるを得ない日が来る事でしょう😢
    ダムの見える橋の景観は美しい😍
    大町ダム、七倉ダム、高瀬ダム、、
    初めて眺めさんのチュンネルとの出会いです❣️
    小太郎橋からの眺めは壮観です!

  2. 安曇野で一番ファンタジーな道 おまけ 小太郎吊橋 大町市前越林道 国有林 中の沢林道を目指した顚末はいいですね。映像が綺麗です。ほっこりします。ご案内ありがとうございます。

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