下市町の秋野川沿い密集物件が凄い!(字幕ON・奈良県大淀町~下市町のマニアック散歩その5)

この場所は、前々回の動画で、崩壊中の下渕マーケットを訪問した際に、 地元のおばあちゃんと、お話をした場所です。 そこから吉野川の対岸、本流に流れ込む秋野川。これを遡ります。 奈良県大淀町から下市町にかけてを歩く、激渋なマイナー散歩動画。今回はラストの 5回目になります。おそらく街歩きが好き
な人ならば大好きな景観だと思います。 ただね、特に喋ることなんてないんですよ
ね。景観の記録という意味も込めて無駄に 20分近い映像になっていますが、興味の
ない人にとっては地獄の20分かもしれません。 地図で見てみましょう。歩いた
範囲はここ。秋野川に沿ってびっしりと 家屋が密集しているエリア。約
1.5kmを往復しています。 いかにも私が好きそうな場所。航空
写真だけで分かっていただけると思います。 両岸をよく見えるようにするために、晴れの
日と、曇りの日の、2日に渡って訪問しています。 青いラインが秋野川。最初に左岸を
上流側に遡り、後に右岸を下ります。 なので、動画の前半は左岸側の映像を集中的に、
後半は右岸側の映像になります。 では、吉野川との合流地点から左岸側を見て
いきます。これから歩く方向の右側を左岸と称しますので、 ちと混乱しますね。左岸側は通常、
日陰になるので、曇りの日を活用して動画を 撮っている次第です。1番下流側の橋、
竣工年を確認し忘れましたが、昭和の半ば ぐらいですかね。相当な年代物です。2本
目の橋の上から上流を見てみます。 さっと上がっていって、3本目の都橋
あたりから、ようやく秋野川に迫り出した 景観が現れ始めます。ここからがメイン
イベントです。 さらに上流へ。赤い橋は戎橋。
その下が急流になっているのが分かります。 戎橋から見た下流側の都橋。朽ち果てた
木造の足場の上に、鉄筋の足場が組まれて いるのが分かります。興味深いですね。 真下に渓谷の急流。実はこの地点、落差15mの 白藤の滝(と呼ぶのでしょうか)、この滝の
真上なんです。町の中心部に滝が存在して さらに両隣りに家屋が立ち並ぶ、
下市町の代表的な景観になります。 この一瞬だけ、動画が逆再生になります。 滝の落ち口の真上に恵比寿神社が
建っています。これを見に行きます。 神社は左岸ではなくて右岸にあり、本来だったら、
境内から白藤の滝を見下ろせたのかもしれません。 でも、上流側の隣の空地に地図に出ていない小さな祠が存在して、そこから滝の落ち口を見ることができました。 地主のご厚意のようです。(いいぞ地主!) 河川敷に降りられるようでしたので行って
みます。 水面近くから先ほどの蛭子神社に赤い
戎橋、滝の落ち口。 そこから更に、左岸を見ながら上流へ。 上流側にあるのは岩野橋。ここは右岸が見事なの
ですが、後ほど見ることにしまして、 向こうの奥の左岸側にフォーカス。
材木を使って、上手く川に迫り出しています。 昨今、気候変動の大豪雨で、河川が想定外に増水した場合、これじゃ持たないんじゃないかと心配になってきます。 昔ながらの風情、風流、素晴らしい。 実はこれらの景観、秋野川沿いの下市の街並として、奈良県景観資産に登録されているんです。 ほとんどの人が知らない場所ですけれども、
第1級の景観であるという証ですね。 こういう場所でアオサギが優美な姿。
じっとなんか見てるぞ。 パクっと小魚ゲット。お見事です。 もしかしてこの魚、鮎ですかね? だとしたら、かなりの美食家のアオサギでございます。 美味しそう。塩焼きにして食いたい。 ここら辺の名物、鮎なんですよね。 秋野川に迫り出す物件と、アオサギの組み合わせ。 さて、その物件の道路側を見てみます。
向こう側に川が透けて見える。 多くは空き家のようです。 こちらの物件には大きな木の桶が置いて
ありました。何に使うんだろう? それら物件からさらに上流へ。宮前橋です。 ここの左岸上流側には、すだれの掛かった趣深い物件がございまして、 何だろうと思って近づくと、なんと元銭湯の日の出さんでした。 川沿いに銭湯なんて風流の極地ですね。 湯上りに橋の上で佇む日常。 昭和の頃の遠い記憶がぼーっと
浮かんできます。丸いアーチの日の出湯さん。 建物は、驚きの昭和元年の建築です。 内部は木製ロッカーの並ぶ、超絶レトロな木造銭湯だったようですが、 2011年に歴史を閉じています。 外部から眺めるだけだと、もったいないとか無責任な感想が出てきてしまいますけれども、解決策とかいくら頭をひねっても出てきません。 風呂屋のあった宮前橋、その1つ上流の御坊橋。 こちらも見所たっぷりです。橋の下から川に迫り出す物件が大迫力です。 まずは上から。思ったよりも細い骨組。 ちょうど半分よりも若干大きい面積が、
川に迫り出しているようです。 住んだら、落ち着かないかも。 水中にドボン。街中だからか、透明度が良い
わけではありません。 もう一度、木組を眺めます。 こうして見ると、家屋の梁が、天井ではなくて床下にも存在するという建築が非常に面白いです。 ただしコンクリートへの設合部は、ちょっと腐り始めてるようにも見えます。 みんな空き家になっています。 こちらはもう、窓も割れていたりして、雨水が常に侵入しますから、急速に痛みます。 こういう物件の処理、所有者は一体どうするつもりなのでしょうか? おそらくですが、空き家となって現在は、持ち主不詳だと思われます。 町としても、川沿いにたくさん存在する、こうした物件をどう処分していくつもりなんでしょうか? 緑に覆われる物件の方向に移動して、引き続き眺めていきます。 バルコニーに相当する部分などは、もう絶対に体重をかけられない物件。 そういう物件を見ながら、折り返し地点はもうすぐです。 向こうにバルコニーが朽ちた物件、そして問屋橋。
上流側が少し穏やかになってきました。 見えているあの橋、学校橋で折り返そうかと
思います。 学校の上に立ち、上流側をちょっと見て、
視線を今までの左岸側から右岸側に移します。 画面の右側、右岸側に、早速、素敵物件が現れて、狂喜乱舞です。 大柄な木造物件。2階(1階かも)の出窓部分の真下が、なんと通路になっています。通るしかありません。 下流に向かって、下ってまいります。 いい物件なのに完全に空き家になっていました。 ここが通路。想像よりも天井が低かったです。 ここも通過できる。やはり空き家。 右側の高台は素敵な新築のお家でした。 この集落で聞く、初めての子供の声。賑やかなのは
良いことです。 行き止まりだったので戻りました。 さあ、どんどん下ります。 問屋橋の言われ。かつてはこの周辺に薬問屋がたくさんあったと記されています。 住む人の心を移す秋野川。 そもそも、敢えてこの川沿いにびっしりと家
を建てなくてはならなくなったのは、 中世から江戸時代にかけて、吉野との交易が盛んに
なり、中間の秋野川流域に町が形成されたことに由来します。 その後、昭和初期の人口急増期を迎えて、昭和35年には1万4500人となり、狭いエリアに人が溢れることとなりました。 ですが、あれから65年。人口は今、5000人にまで大きく減少して、空き家だらけの町になってしまっています。 急傾斜の狭い土地は、自動車を止めるのにも難議しますので、車社会になってからも、ますます厳しい状況ですね。 先ほどの、バルコニーに怖くて乗れない物件のところです。 下流側、向こうの駐車場に行ってみます。 どんどん下流へ。 右岸側にも顕著な迫り出し物件が現れました。 ここから右岸側は、ぎっしりと建ち並んでいます。 見応えありまくりなので、是非、現地に行ってみて欲しいです。 出窓も迫り出しているんですね。植木鉢を並べていい感じです。やっぱり人が暮らしている物件がいいですね。 さらに下流側。黒く塗った物件、大迫力ですね。 以前は下流側にも連続して家が建っていたのですが、直近ではいくつか取り壊されています。 なのでGoogleストリートビューで見ています。 白藤の滝の下流側まで、降りてきました。
大迫力、4階建ての物件が並んでいます。 これら、下の1階あるいは2階部分は、前面道路よりも下に位置していたりします。 中に入って間取りを見てみたい気分です。 この物件は空きやっぽいですね。先行きが心配です。 高い石書きが存在しない部分に建つ戸建て
物件。今も使っているのかな? さらに下流。もうそろそろ終了地点です。
鉄筋コンクリート造りは安心感がありますね。 取り壊したりするのは、難しいの
ですけれども、一長一短です。 吉野川との合流地点まで戻ってきました。奈良県の景観資産に登録されているだけのことはありました。 以上、5回シリーズ、動画のご視聴ありがとうございました。

奈良県大淀町~下市町にかけて歩くマニアック散歩のその5としまして、吉野川を渡った下市町の中心部、下市地区を貫く、秋野川の急流が作り出した、独特の街並み、景観をご覧いただきます。奈良県景観資産にも登録されるレベルの、街歩きやお散歩好きの人は、絶対に気に入る場所だと思います。観光客が全くいないこの場所を一人で彷徨う幸福。

●下市口駅前・ヨレテントのアーケード商店街(奈良県・大淀下市のマニアック散歩その1)

●グリーンモジャフラワーショップ(奈良県・大淀下市のマニアック散歩その2)

●崩壊中の下渕マーケット・廃墟化した下渕商店街(奈良県・大淀下市のマニアック散歩その3)

●下市町中心部の激渋マイナー散歩(字幕ON・奈良県大淀町~下市町のマニアック散歩その4)

5 Comments

  1. 川にせりだしているのは違法建築ではないのでしょうか?みてるだけでも怖いです。

  2. 新しそうなコンクリ柱のせり出し物件まであるところを見ると、単純な違法建築ではないのかも。

  3. 護岸より前にせり出している物件は、河川法から見れば違法建築でしょう。しかし当局がどういう扱いをしているのかは不明です。「景観資産」ということで特別扱いなのかも知れません。いずれにしても、再建はなく、遅かれ早かれ自然消滅?取り壊し?になっていくでしょう。紀ノ川水系は一級河川で、県管理の担当役所はおそらく和歌山県の河川課あるいは土木事務所でしょう。また、不在地主の問題もあるでしょう。

  4. 古民家が好きでよく通るこの道の表の風情はキョロキョロ見ています。裏からの景観をこうして見せて頂くとあらためて建て方に歴史があり感心しました。しかし、どの物件も状態が良くなく、このまま朽ちるのを待つだけでは大変危険だと痛感…所有者と町内会と下市町とで早急に対策が必要だと思います。

  5. こういう迫り出し物件は河川法違反なんでしょうか?法面テーパーの投影で川にかかってなければセーフなのか?徳島県の大歩危小歩危あたりも吉野川に迫り出し物件が非常に多くあり法規的にどうなんだろうって建物がいっぱいあります。ご興味あれば是非

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