【五日市街道編】高円寺から吉祥寺経由で武蔵五日市駅までの走行動画 距離40km ノーカット版
【五日市街道編】 高円寺から五日市までの走行動画 距離約40km
東京都が定めた通称道路名である五日市街道は杉並区梅里の青梅街道「五日市街道入口交差点」が起点で、西に向いあきる野市の「武蔵五日市駅前交差点」までの約40kmの都道7号です。都道7号という一桁ナンバーの都道で、ほぼ江戸時代から存在した古道が前身の由緒正しい街道です。主に木炭や農産物を江戸に運ぶための街道でした。
しかしながら現代の道路水準に達した区間は拝島以西を除くと僅かしかなく、新たに整備予定の「新五日市街道」が将来の幹線道路として代替することになるようです。
1.高円寺から武蔵野大学まで
起点の高円寺付近から環状8号線までの区間は幅員15mで都市計画は整備完了していますが、善福寺川付近から環状8号線までの西側区間の拡幅は遅れに遅れ、完了したのは2006年のことでした。この区間は起伏のある地形ゆえ、江戸時代は尾崎の七曲りと呼ばれていたそうです。
曲がりなりにもクルマが通れる道になったのが1921年のことのようで、以来85年間使われていました。この拡幅以前の道路を知っていますが、クルマのすれ違いの出来ない箇所があること、ひどい渋滞が起きていた記憶があります。
環状8号線から西荻や吉祥寺を経て千川上水に突き当たる武蔵野大学前までの区間は現況幅員11m程で一応歩道付きで整備されていますが、都市計画上は幅員16mで整備予定です。道路は直線的になっていて、狭い割には走りやすい区間です。吉祥寺駅前や市役所付近は一部拡幅整備が行なわれていますが、これは東京都が行なっている「交差点すいすいプラン」によって事業化されました。
吉祥寺駅付近を通過する五日市街道は沿道唯一の繁華なエリアで、ほかは淡々と住宅地を走る道です。しかし沿道に散在する寺社仏閣は歴史のある街道であることを物語っています。
2.武蔵野大学から立川市境まで
武蔵野大学前から境橋までの約1.3kmの区間は千川上水を真ん中に両サイドに2車線づつの街路が並行し総幅員40mで整備されていていてとても走り易かったです。
境橋から小平市上水本町までの約6kmの区間は玉川上水と並走します。玉川上水の両脇には道路がありますが、五日市街道として都道認定されているのは、境橋から喜平橋までが北側を、喜平橋から上水本町までが南側というように喜平橋交差点でクランクします。
しかしこの区間の道幅は6~8m程度と非常に狭く、しかも路線バスが運行されています。歩道すらない場所も多々あり早急な改良が求められています。将来の完成形は千川上水付近と同じで、玉川上水を挟んで両側に2車線づつの構成になります。
道路改良された箇所は新小金井街道建設の際に付近の一部が拡幅された程度です。喜平橋交差点付近も拡幅が行なわれていますが、一部の用地買収が出来ないため中途半端な状態のままです。また小平桜橋交差点は西武多摩湖線の踏切に接していて、常に渋滞しています。
国分寺市と小平市の都市計画道路整備率は25、40%前後と多摩地区の自治体平均の63%と較べて非常に低い値となっています。なぜでしょうか。
上水本町付近で玉川上水と並行する区間は終わり幅員は11mになり歩道付の道路になります。そこから拝島までの五日市街道はずっと玉川上水の近傍を平行します。
上水本町交差点で府中街道とクロスして200mほど先には新府中街道が建設中です。その付近のみ五日市街道も幅員20mに拡幅工事中です。拡幅区間の末端を僅かに過ぎたところに西武国分線の踏切がありますが、ここも渋滞しています。なぜ踏切まで拡幅しなかったのかは不思議ですが、おそらく現在の道路構造令では新たな踏切は造れないという規定があって、拡幅するには立体交差が求められるからのようです。都市計画ではこの踏切付近の幅員は24mとなっているのでおそらくはアンダーパスの計画のようです。でもこの現状のまま新府中街道が開通したらどうなることやら。
踏切を通過して500m程進むと道はゆるく右カーブになりますが、ここまでが20mの都市計画道路で、そこから新たに左分岐をする20mの新道の計画があり、立川駅方面に向かいます。ですので将来の街路は、立川方面が主道路で五日市街道は右分岐となっていく予定です。
その先の現五日市街道は都市計画のない街路となるので、将来にわたり11m前後の道路のままです。しかし、前述のように東京都では交差点すいすいプランなる事業を行なっていて、今後も交差点付近の拡幅工事はあり、改良は続きます。
3.立川市境から拝島まで
さて五日市街道は立川市に入り旧砂川町の中心を走ります。1963年に立川市と合併した地区で地名が特徴的で、西から1番・・・9番というように番号で町名分けしていました。
昭和の時代に町名からは消えましたが、信号地名表示には残りました。
この辺は江戸時代の享保年間に新田開発を担った旧家が残っていて大きな屋敷とケヤキの大木が印象的です。 新田開発の決め手はやはり玉川上水からの分水で、五日市街道の繁栄と玉川上水との関係は切っても切れないものです。砂川という地名も度々水枯れを起す川に由来するらしく、武蔵野台地が耕作に不向きだったことを物語っています。しかしその分水があっても畑作で、大量の水が必要な水田(稲作)は見当たりません。
西砂2丁目付近で、道は左に分岐して進みますが、明らかに雰囲気が変わります。ちらっと見える直進路はケヤキの大木が並び五日市街道そのものです。これは横田基地拡張工事に伴い、滑走路の支障になるため迂回路として1956年に建設されました。ですので直進方向の旧五日市街道は滑走路付近のフェンスで断ち切られています。
当然ながら滑走路の反対側には旧五日市街道が再び現れます。そこから福生市内を通りあきる野市の渕上交差点までの7kmあまりの五日市街道は存在しますが、撮影ではこちらの迂回路の延長で続く新しい五日市街道「睦橋通り」を走行しました。
拝島で国道16号線に突き当りますが、そこまでの区間は渋滞が頻発しています。現在は渋滞対策として国道16号までの約1kmの区間を幅員27m、4車線道路に拡幅するための用地買収が行なわれているところです。
この27m道路こそが新たに整備予定の「新五日市街道」の終点部の区間で、ここからは現道のない新設道路として西東京市の東伏見付近の新青梅街道までの都市計画道路があります。地図を見ると、立川市の松中団地、柏町団地、小平市の武蔵野美大、花小金井駅付近で部分開通しているほか、小平市の小川橋と小川町付近で部分的に整備中です。しかし全線開通まであとどれだけの時間が掛るのやら。
4.拝島から武蔵五日市駅まで
拝島で国道16号で突き当りになるので左折して、武蔵野橋という玉川上水や青梅線などの鉄道跨線橋を渡り南詰交差点を右折します。この武蔵野橋区間は国道16号との併用区間で交通量は非常に多く、2018年に4車線から6車線の橋に架け替えられました。
右折後は五日市街道の終点である武蔵五日市駅まで幅員22m、4車線で道路整備が完了していて、今までのトロトロ五日市街道の汚名を吹き飛ばす快走路となります。この約10kmの区間は1994年に全線が開通し、この地域の利便性に大きな貢献をいたしました。
このうち拝島からあきる野市の渕上交差点までの新道区間は通称、睦橋通りと呼ばれます。五日市方面との交通の大半は、福生市内の国道16号で行き止まりになる(旧)五日市街道に分岐せずにこの22m道路を直進しますので、この新道部分「睦橋通り」はいずれ(新?)五日市街道として認知されていくのではないでしょうか。
走行して分かったのですがこの区間は砕石運搬のダンプカーが多く、なぜ急いでいるのか分かりませんが、ちょっと危険を感じます。
5.走行結果
撮影は武蔵五日市駅前交通広場で終了いたしました。高円寺からの距離は約40km、所要時間は2時間8分、平均速度は約18.7km/hでした。
しかしながら高円寺から拝島までの区間、約29kmの所要時間は1時間44分、平均速度は16.7km/hという数字で、五日市街道は中・長距離にわたる走行には向かない道路と痛感いたしました。また屈曲する箇所やイレギュラーな車線などがあって走り難いのも確かです。
なので27m道路の「新五日市街道」の早期の整備を希望しますが、〇〇市民の皆さんは賛成ですか? 広い道路はクルマのみならず歩行者や自転車の安全にも貢献します。クルマの排気ガスも昭和の時代とは桁が二つくらい少なくなっていますけど。
今回はちょっと長文で失礼いたしました。