【四国中央市・本山町】点在していた未舗装区間は減っていた。ただし分断地点の戻れずの立入厳禁本格狭隘ダートは最高/愛媛県道126号 上猿田三島線 高知県道264号坂瀬吉野線[倍速](2025.5.31)
愛媛県道126号 上猿田三島線と高知県道264号 坂瀬吉野線は、瀬戸内から猿田川を経て猿田峠を越え、 汗見川に沿ってくだり、四国の中央を流れる吉野川に至る四国山地を縦断する道である。
愛媛県道126号 上猿田(かみさるた)三島線は、昭和33年6月に認定(伊予三島市富郷(とみさと)町字上猿田-伊予三島市三島町)された四国中央市富郷町寒川山(さんがわやま)の白髪隧道中の県境と四国中央市三島中央の三島郵便局前交差点・国道319号交点を結ぶ一般県道である。法皇山脈が立ち塞がる四国中央市富郷町豊坂法と四国中央市寒川町の間の約4kmは車道の開削ができておらず、18.1kmと5.1kmの分断県道となっている。
高知県道264号 坂瀬吉野線は、長岡郡本山(もとやま)町吉野の県道263号 田井大瀬線交点と長岡郡本山町沢ヶ内(そうがうち)の白髪隧道中の県境を結ぶ20.6kmの一般県道である。
詳細地図:https://www.google.com/maps/d/edit?mid=1z3YJh7DgFdhPaTRKPBhzutkVTgV_XNc&usp=sharing
二つの県道の交点、愛媛県高知県の境界となる地点はもともと猿田峠(1137m)と呼ばれており、この峠の前後が峠越えする白髪隧道をメインに関連林道 猿田白髪線として開削された。関連林道とは、国有林と民有林が隣接する地帯で、豊富な森林が未開発な状態の地域を対象として国有林の開発と併せて民有林地も開発することを目的としたものである。林道は昭和34年に着工し、昭和41年3月に開通している。林道区間は猿田川を越えて上猿田集落に入る地点から竜王川の竜王橋の16kmで、いつ県道に組み込まれたのかは不明だが、市町道であった時期があったようだ。林道の各々の手前までは林道開削前に軽車道として整備されていたが、林道区間は新たに開削されたものとなっている。
◎白髪隧道愛媛県側に設置されている記念碑
関連林道
猿田白髪線完成記念
昭和四十一年三月十五日竣工 伊予三島市長 篠永恭一
この林道は高知営林局が森林開発公団に委託し3億7千余万円の費用を投じ7年の星霜と幾多の困難を克服して建設されその全長は16粁で四国山脈の中央部標高970米の地点を820米の白髪隧道で貫通し高地愛媛両県を結ぶことにより土予県境一帯の無盡蔵の森林資源を開発し併せて産業交通文化の向上に寄与する等関係地域の繁栄と両県経済の発展に貢献するところ大なるものがある
本線は井原農林政務次官ならびに山崎林野庁長官の御盡力と高知営林局ならびに本山西篠両営林署の御理解により昭和34年に関連林道として指定され着工以来工事は困難をきわめたが柳生建設井原建設一若建設の各請負業者は勿論関係者各位の献身的努力により完成をみたものである
ここに本線の開通を祝し国有林の地域開発に対する御配慮と関係者各位の御協力に深甚なる謝意を表しこの碑を建立するものである
昭和41年3月
高知県長岡郡本山町長 大石里喜
◎白髪隧道の扁額と銘板
○愛媛側には扁額
白髪隧道
林野庁長官 田中重五書
○高知側には銘板
竣功昭和41年3月15日
標高910米 全長820米
三島 29粁 本山 24粁
00:45 吉野集落で県道263号 田井大瀬線から坂瀬吉野線に入る。標高は254m。
県道は旧吉野村(S30に本山町に合併)の区域を汗見(あせみ)川を遡るかたちで進む。
特徴ある汗見川という名前の由来は明らかではなく、交通が不便な土地であることから苦労(汗)をする(見る)ということや川沿いに自生するアセビ(馬酔木)からきているという説がある。
県道の起点近くの吉野川沿いから森林軌道(2級)白髭林道線が始まる。明治45年開設・昭和25年廃止の13,000mの鉄道だが、ほとんどが県道の対岸になっており、廃線後は県道として利用されることはなく、一部が町道、また生活道である徒歩道になっているほか、自然に帰っている区間も少なくなく、辿ることが困難になっている。
01:54 道が狭くなる
02:32 坂本集落
02:57 立野集落
03:42 早稲田集落
03:52 嶺北観光自動車による路線バス。冬の瀬まで一日3往復(休日は2往復)の便がある。
04:28 沢ヶ内(そうがうち)集落
04:40 汗見川橋(S40架設 L=48m)
06:07 嵯峨野集落
06:10 瓜生野(うりゅうの)簡易郵便局
06:35 瓜生野集落
06:58 草原(くさばら)集落
07:45 白髪橋(S37架設)を渡ってすぐ、旧高知県交通(H30会社消滅)の廃バス(S53年製)。高知県交通の廃バスは至るところで見られるようだ。
07:01 冬ノ瀬集落
08:30 正面のゲートは冬の瀬ゲートと呼ばれる。路線バスの終点。ゲートは旧本山営林署製品事業所のものだった。ここから右の林道 奥白髪線に入ると白髪山登山口に至る。
また、ここで森林軌道 白髪林道線の支線 口白髪(くちしらが)線(S7開設・S25廃止 L=4869m)の起点となっていた。
09:38 橋を渡ると桑ノ川集落。ここが県道沿いの最終集落となる。
10:50 竜王川に架かる竜王橋(S30架橋 L=10.5m)。この橋以降が林道 猿田白髪線による開削区間となる。標高は499m。本格的な峠越えの道に入る。
13:13 ゲートのある左の空き地は森林軌道 白髪林道線終点の土場だった。
13:31 坂瀬。地図ではこの近辺に何軒か家があったようだが、今はそんな気配はない。
13:35 古い道はこのあたりから左に下り、谷沿いに進み、猿田峠越えをしていた。
14:39 汗見川を折り返す。
15:35 第一号坂瀬隧道(S42竣工 L=25.2m)
15:41 第二号坂瀬隧道(S42竣工 L=25m)
15:27 汗見川の支流を折り返す。簡単な砂防設備があるようだが、土砂の崩れ方が激しい。
16:52 白髪隧道(S41竣工 L=345.1m)。トンネルの手前右に入る道がトンネルの真上にある猿田峠(1137)越えの旧道。高知側のトンネル入口の標高は958m。平均勾配は3.4%。トンネルには照明がない。
17:09 同じトンネルの中だが、愛媛県側に入ると反射板が設置されている。
17:19 愛媛側トンネル出口。標高は984m。高知より26m高くなっている。出てすぐの広場に「関連林道 猿田白髪線完成記念」の碑がある。
高知側とは全く違った雰囲気がある。汗見川流域は穏やかな明るい谷間を進むという感じがあったが、愛媛側は林の中で道幅は十分にあるものの、堆積物が多く路面状態は悪い。
17:24 県道は林の中を進むが、他にはあまりない突起の少ない綺麗な傾斜地形で、木も均等に植えられている。手入れのし易い地形だ。
18:58 上猿田三島線で有名な未舗装区間が始まる。
短い断片的な区間が点在しており、その1に入る。未舗装であるものの、小さい砂利が敷き詰められていて走りやすい。
19:03 区間その1、終わり
19:20 区間その2、始まり
19:25 区間その2、終わり
19:58 区間その3、始まり
20:01 区間その3、終わり
20:14 区間その4、始まり
20:18 区間その4、終わり
21:03 令和5年6月あたりまで未舗装が確認できた区間の始まり。小屋を過ぎたカーブから最も長い未舗装区間があったのだが、現在、舗装されてしまっている。路肩の白線がまだ鮮明だ。
21:16 令和5年6月あたりまで未舗装が確認できた区間はここで終わる。
断続的に未舗装区間が残っているのは恐らく所有者が特定できず、登記変更ができないため手がつけられないのだと思われる。勝手に触ることのできない土地なので、拡幅、舗装、ガードレール設置、いずれもできない。昔と違って法令遵守が厳しく、道路改良の影響は少なくない。
22:53 上猿田集落。旧寒川山村の字で村ではなかったようだ。
寒川山村→M22富郷村→S29伊予三島→H16四国中央市
23:10 集落は林と同じ平坦な板のような傾斜地の端にあってのどかな光景が広がる。
23:48 ここから猿田川の支流の兵庫山谷川沿いを進む。兵庫山谷川はそのまま県境の兵庫山(1303.1m)の谷を流れる川。ここまでが林道 猿田白髪線の区間となる。
24:29 この下で兵庫山谷川は猿田川に流れ込み、道は県道6号 高知伊予三島線に合流するまで猿田川沿いを進む。猿田川は猿田峠を隔てて汗見川と正反対に流れているため水系が異なるように感じるが、猿田川が流れ込む銅山川は吉野川水系である。
24:52 この左上に芋野集落
25:09 左に入る道は芋野集落に繋がる林道 芋野線。分岐して下猿田集落に繋がる道もある。
26:09 この左上に下猿田集落
27:46 猿田川が銅山川に流れ込み、県道は県道6号に合流する。標高309m、平均勾配5.6%
28:03 県道6号から離れ、単独区間に。旧豊坂村区域に入る。寒川山とともに明治22年に富郷村になった村だ。標高323m
29:22 板谷集落
29:41 舗装されているものの路上の堆積物がひどく、ダートに近い状態になりつつある。
29:57 橋を渡って再び旧寒川山村に入る
30:35 ここから新しいカーブミラーがならぶ。令和7年設置のシールがあったらしい。
31:42 未舗装状態になる。
32:50 地理院地図ではここからが徒歩道表記になっている。
33:22 一瞬停止しているのは、この先、どこまで突っ込むか考えていたから。
走行に使っているのは全幅1475mmのハスラーなのだが、道幅は極めて狭いという感じではなく、おそらく2mはあると思われた。しかし、軽自動車同士の離合ですら不可能な状態が続き、楽に車を回転させるような空き地はこの先に期待できそうもない。ハスラーは全長3395mm、ホイルベース2460mm。左右に壁がなければ、車をはみ出させつつ3mの幅、路肩にさらに1m程度があれば十分回転可能である。次にUターンできるところがあれば、即そこで戻ることにする。
33:35 回転できるスペースがあると思えたので、ここまでとする。1.2kmのほどの未舗装区間を走っただけだが、十分にスリリングな分断地点走行だった。標高522m、平均勾配4.4%
33:34 法皇山地を隔てた分断地点の奥の行き止まりは、寒川公園緑地となっているが、ここが分断地点ではない。霊園にたどり着く手前に分断地点がある。
34:08 地理院地図での分断地点。この手前の谷から山地を越える道を開削しようと考えているのか、登記の関係でここからとなっているのか詳細は不明。この道は昭和初期の地図でも確認できる古いものだ。
36:08 国道11号旧道区間にはいる。現道は昭和32年から34年にかけて国道一次改築として建設されたものである。
37:57 道は真っ直ぐに進んでいるが、国道11号の旧道は左にそれる。
38:34 国道319号に接続して県道が終わる。
☆初走行
撮影機:DJI Osmo Pocket 3
撮影サイズ:4K 30fps
撮影モード:10bit D-Log M
露出:オート(ISO Max1600)
ホワイトバランス:5500k
フィルター:ND8/PL
編集ソフト:DaVinci Resolve Studio
1 Comment
5カ所あったダート4カ所に減っていたんですね。よく親が虫取りに連れてくれていっていて猿田の風景が懐かしく思う道です