【🦉賢者の森🦉】(111)桜の龍の背に乗って -光城山&長峰山-
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【当チャンネルについて】
「賢者の森」にお越しいただきまして誠にありがとうございます。当チャンネルの動画を作成している「ハル」と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
当チャンネルの動画は、山や自然を主題としております。もともとは、山や自然が大好きでも身体的・環境的・その他さまざまな理由でなかなか山に行くことができない人にも、実際に山に行ったような気分で楽しんでいただけたら嬉しいなと思ってつくりましたが、これから行く山の計画や準備のお供として、かつて旅した山の思い出のお供として、また、トレッドミルやエアロバイクなどトレーニング中のお供として、睡眠導入用や暇つぶしのお供として、いろいろな使い方で皆様の生活のほんの隅っこに置いていただけたら本当に嬉しく思います。そして、「賢者の森」に訪れてくださったすべての皆様にとって少しでも、有意義な時間になったり、自然の良さを感じる時間になったり、山が好きになるきっかけになれたなら、何よりの幸せです。
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【当動画の山について】
~光城山・長峰山(ひかるじょうやま・ながみねやま)~
長野県の県歌に登場する「四つの平」と呼ばれる肥沃な地。その中のひとつで最大面積を誇る松本盆地は、梓川を境にして南側の松本平と北側の安曇平に分けられます。安曇平は別名:安曇野とも呼ばれていて、この地域では、西にそびえる北アルプスの山々を通称:西山、東にそびえる筑摩山地の中でも盆地との境で犀川の右岸に連ねている山々を通称:東山と呼んでいます。光城山と長峰山はこの東山の中にある2峰で、標高はそれぞれ912mと933mです。
かつて光城山の山頂には「光城」という城がありました。鎌倉時代、信濃国小県郡の海野荘(現在の長野県上田市の神川以東から東御市にあった荘園)を発祥の地とする、東信濃の有力豪族である海野氏の11代:海野小太郎幸継(※1)の六男:六郎幸元は筑摩郡の「光村」に来住し、その地名をとって光氏(光之六郎幸元)を名乗りました。鎌倉時代にそれっぽいものが築かれていたのかは定かではありませんが、光城山にある案内看板によると光城は戦国時代のはじめ頃(15世紀後半~16世紀前半)に築かれたと考えられているので、光氏の一族が後に築城したものと思われます。また、この頃に、光氏の兄弟である次男:小次郎幸持は「会田」に、三男:三郎幸次は「塔原」に、四男:四郎幸国は「田沢」に、五男:五郎幸棟は「刈谷原」に移り住み、光氏と同じようにそれぞれ会田氏・塔原氏・田沢氏・刈谷原氏を名乗りました。後にそれぞれの地名(もしくは氏)を冠した城が築かれ、互いに烽火(のろし)等を使って連絡を取り合っていたと伝えられています。光城の烽火台は山の一番高い所にあって、そのあたりで火の守り神である「古峯神社」が祭られてきました。
安曇野市の東を縦(南から北)に流れる犀川に沿って大きな断層:糸魚川-静岡構造線が走っています。そこを境に東側の大地が大きく隆起して急傾斜地をつくり東山を形成しています。長峰山は光城山の北、地図上の直線距離約1.9km(※Googleマップで計測)の場所にあります。東山は長い峰が南北に続く山で、文字通り、長峰山は東山を象徴するような名前の山です。かつて、当時の南安曇郡穂高町(現在の安曇野市の北西部にあたる)が北アルプス山麓の開発にからみ自然保護の観点から意見を伺うため日本人初のノーベル文学賞受賞作家である川端康成氏を安曇野に招いたことがあり(1970年5月)、その際に同氏が、日本を代表する作家のひとりである井上靖氏と、同じく日本を代表する画家のひとりである東山魁夷氏を誘ったことがきっかけで、三大巨匠が春の安曇野で一堂に会することとなりました。その際に訪れた場所のひとつである長峰山の山頂から一望できる安曇野の景色を絶賛し、川端康成氏は「残したい 静けさ 美しさ」という言葉を残しました。また、長峰山の山頂には明科町制40周年を記念して建てられた東山魁夷文学碑「安曇野を想う」があり、ここに刻まれた同氏の言葉は、当時の清々しいまでの感動を今に伝えています。
五月の若緑に蔽われた安曇野は
なんと美しかったことか
上高地から流れ出る梓川が高瀬川と
合流し犀川となって北に流れる平野
の上に高く連なる北アルプスの山々
常念、東天井、燕と長峰山の
上で案内人の指し示す残雪の
嶺々を仰ぎながら飽かず眺めた
ひとときが忘れられない
長峰山の山頂にはさらに、ここを訪れた人々が必ず目にすることになる巨大なモニュメント「歴史の塔」があります。これは、明治100年を記念して、当時の明科町商工会が設置したもので、最下部の逆U字は「過去」、真ん中の輪は「現在」を、最上部は「未来」を表しています。
安曇野市側から光城山・長峰山に登れる一般的なコースは主に6つ、北から「雲龍寺コース」「長峰荘コース」「北回りコース」「さくらコース」「田沢城跡コース」「神明宮コース」があります。それぞれに魅力や特徴があり、体力や活動時間に合わせてさまざまに組み合わせて楽しむことができます。当動画は春の「さくらコース」をご紹介するものとなっていて、光城山登頂後は、稜線上の登山道&林道を使って長峰山までを旅する内容となっています。
安曇野の東山は、お子様やお年寄りにも親しみやすい登山のお手軽さ、よく整備された登山道と休憩所・トイレなどの設備、そして四季を彩る豊かな自然と美しい景色で、地元の人達や県内外の人達にもとても愛されている里山です。桜の名所にもなっている光城山はかつて、木々の生えない裸山だったそうです。現在、光城山を彩っている桜は、大正天皇の即位を記念して地元青年団によって植樹されたのが始まりと言われ、その後も土砂崩れ防止のため植樹が続けられてきました。現在も地元の人によって年間60本ほどの桜が植樹され、約2000本にまで増えています。また、当初から植えられてきた桜「ソメイヨシノ」の老木化が進む中で「光城山の桜」を次世代につなぐプロジェクトも進められ、一部、より病気にかかりにくい品種である「ジンダイアケボノ」への植え替えも進められました。頂上へと続く「桜の回廊」には、鳥が運んだ種が樹上で発芽した「ヤドリギ」も見られ、当動画ではとくに5分20秒以降に桜の中にあるモコモコが少し確認できるかもしれません。光城山の桜は、さくらコースの登山道を、登山口付近から山頂に向かって徐々に咲き上がっていくので、季節には「桜の昇り龍」という愛称でも呼ばれています。「残したい静けさ」は、その魅力が知れ渡るほどに賑わいを見せていますが、かつて三大巨匠が絶賛した「美しさ」は、ここを愛する多くの人々の努力によって確実に未来につなげられています。
※1)父の10代:海野小太郎幸氏は鎌倉時代初期を代表する弓の名手(弓馬四天王のひとり)として知られ、源頼朝や北条家にも高く評価された人物。源義仲に仕えていたが、義仲滅亡後は、その忠誠心を源頼朝に認められて御家人(&頼朝の警護役)に加えられた。70歳頃まで幕府に仕え、海野一族の勢力を東信濃から上野国の一部まで広げ発展させた。
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【当動画で使わせていただいている音楽について】
[サイト名] PeriTune
[URL] https://www.youtube.com/@PeriTune
[サイト名] UniqueGear
[URL] https://www.youtube.com/@uniquegear
[サイト名] Ucchii0-うっちーゼロ
[URL] https://www.youtube.com/@ucchii0–286
※当動画で使わせていただいている音楽はフリー音楽を使わせていただいておりますが、当動画からの音楽取得は何卒ご遠慮くださいませ。
※作者の「ムツキセイ様」、「MoGura様」、「うっちー様」、素晴らしい音楽を使わせて頂きまして心から感謝いたします。この場を借りて厚くお礼を申し上げます。
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【チャプターもどき】
#長野県の山
(00分01秒頃) 生活環境保全林整備事業案内図
(00分07秒頃) 光城山登山口駐車場
(00分10秒頃) *分岐(←北回りコース)
(00分14秒頃) さくらコース入口
(00分58秒頃) *分岐(←北回りコース)
(00分58秒頃) *分岐(↑直登/→回り道)
(01分53秒頃) 第一ベンチ
(02分11秒頃) *分岐(←ツツジコース/↑アカマツコース)
(02分27秒頃) *分岐(→アカマツコース)
(03分11秒頃) 山頂中間地点
(03分14秒頃) 中間ベンチ
(04分30秒頃) 第三ベンチ
(04分38秒頃) *分岐(←さくらコース/↑アカマツコース)
(05分35秒頃) *分岐(→アカマツコース・田沢城跡コース)
(05分37秒頃) *分岐(↑直登/→回り道)
(05分59秒頃) ▲休憩舎・トイレ
(06分12秒頃) *分岐(↑神明宮コース)
(06分15秒頃) ★光城跡・光城山(山頂)
(06分37秒頃) 三等三角点(地点名:城山)
(07分07秒頃) 古峯神社
(08分47秒頃) *分岐(→神明宮コース)
(09分05秒頃) *分岐(→林道城山線・長峰山)
(09分12秒頃) *分岐(←北回りコース)
(09分54秒頃) *分岐(←東屋)
(10分15秒頃) *分岐(→林道城山線)
(10分34秒頃) *分岐(→林道城山線)
(11分03秒頃) 林道城山線
(11分14秒頃) *子ノ神分岐(←林道城山線・長峰山/→林道長峰線・子ノ神・急崖のトラバース道)
(12分03秒頃) 石祠
(12分45秒頃) 林道城山線
(13分08秒頃) *分岐(→野鳥の森学習林)
(13分09秒頃) ★烏帽子峰(山頂)
(13分56秒頃) *分岐(→野鳥の森学習林)
(13分57秒頃) 林道城山線
(14分00秒頃) *分岐(→矢ノ沢)
(14分17秒頃) 天平の森(長峰山森林大剣交流センター)
(14分34秒頃) *分岐(←金玉池・明科)
(14分35秒頃) 長峰山周辺案内図
(14分45秒頃) *分岐(→長峰山駐車場を経て長峰山山頂)
(14分53秒頃) *分岐(←楽な道)
(15分02秒頃) *分岐(←チョウの道/→チョウの道)
(15分08秒頃) 蝶の森
(15分36秒頃) *分岐(←チョウの道/→チョウの道)
(14分45秒頃) *分岐(→長峰山駐車場を経て長峰山山頂)
(15分50秒頃) *分岐(→楽な道)
(16分05秒頃) ▲長峰山休憩展望台
(16分20秒頃~) 南方面の風景
(16分42秒頃~) 東方面の風景
(17分04秒頃~) 北方面の風景
(17分26秒頃~) 西方面の風景
(18分08秒頃) 二等三角点(地点名:光)
(18分13秒頃) 東山魁夷文学碑「安曇野を想う」
(18分29秒頃) 歴史の塔
[山域] ※もしくは極めて近い山域・地域
筑摩山地
[標高] ※当動画の全編で到達する最高点
933m
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【関連動画】
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1 Comment
当チャンネルの動画を作成している「ハル」と申します。この度は「賢者の森」にお越しくださり誠にありがとうございました。
もしよろしければ、この山この場所この地域の思い出や、皆様の貴重な経験、この動画の自然に関する知識などを、お気軽にコメントしていただけますと嬉しく思います。これからこの地に赴かれる方々の旅の安全を高められるような、先人の皆様の英知が集まるような真の「賢者の森」を目指していきたいと考えておりますので、どうぞお力添えのほどよろしくお願いいたします。
また、その他、見ている皆様がほっこりするようなコメントなど、山や自然や動植物、遺跡やファンタジーっぽい世界観が大好きな方々の自由なコメントをお待ちしております。なお、僭越ながらコメント欄にはフィルターをかけさせていただいてはおりますが、誹謗中傷・ネガティブコメントはどうか何卒ご遠慮くださいますようお願い申し上げます。
当チャンネルの動画は私の好みもあって登山動画としてはかなりクセのあるものに仕上がっていると思っており、せっかく動画を見てくださったのにご期待に沿えないことも多々あるかと思います。作風に関しては拘りあってのことでどうしても変えられなかったりしますが、もしその際には、叱咤激励ととらえますので「低評価ボタン」を押していってくださると有難く存じます。
最後に、これからも山や自然へのリスペクトを忘れず、安全登山を第一に、私なりの表現で山や自然の良さを引き出せるような作品を生み出していきたいと思っておりますので、今後の活動に「チャンネル登録」「高評価」で応援いただけますと最上の喜びです。重ねて、これまでチャンネル登録・高評価をしてくださった皆様には心から感謝申し上げます。