【甲賀市】 水口曳山まつり 例大祭

滋賀県甲賀市水口(みなくち)町の「水口曳山まつり」です。
縣社水口神社の例大祭として開催され、滋賀県無形民俗文化財です。水口は水口藩の城下町であり東海道の宿場町でもあります。水口神社はその鎮守であり、この祭礼に曳山が登場したのは江戸時代中期となる享保20(1735)年のこととされています。
例大祭は毎年4月20日に固定(本来は旧暦4月の上申日、今年は5月3日または15日が該当)され、16基の曳山は年ごとに出番が異なっており、今年は作坂・湯屋・大原・東・河内・大池・平・柳の8町の曳山が登場しています。曳山は一般には「ヤマ」と呼ばれ、二層露天四輪構造の非解体式で白木造りが主流です。屋根の上には「ダシ」と呼ばれる作り物が据えられ、神功皇后や鏡獅子のほか、甲賀ならではの忍者、今年滋賀で開催される国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会やプロバスケットボールBリーグの滋賀レイクスのキャラクター、大谷翔平選手などが飾り付けられています。
曳山の巡行は、主に二本の曳綱と前後の梶棒によって操作しますが、路上での方向転換については、「ギリ廻し」といわれる手法を用います。これは車台下部に突出した芯棒によって曳山全体を支え、車輪を浮かせて回転させるもので、巡行中の見せ場のひとつにもなっています。曳山は町内から御旅所を経由して神社へ、神社から町内への巡行にとどまり、神幸列に供奉しません。この形態は近隣の日野祭(日野町:馬見岡綿向神社例祭)でも同様です。
奏でられる囃子は「水口囃子」の名称で親しまれており、江戸時代後期に江戸の祭り囃子の影響を受けて成立したものといわれています。一説に水口藩士が江戸の囃子を伝えたともされており、これは三熊野神社大祭(掛川市横須賀地区)の三社祭礼囃子が横須賀藩士によってもたらされた由来と同じとなります。宿場にある石橋を境に東地区と西地区に分かれ、囃子の調子が多少異なっています。(今年の場合、河内町だけが西地区に該当)
神社には「ほいのぼり」と呼ばれる、飾り花の幟が奉納されています。この幟は水口や日野で多く見られるものですが、どことなく遠州(静岡県西部)の「軒花(のきばな)」を思い起こす作りで、ほいのぼりを山車に仕立てれば一本柱万度型の屋台(中八坂神社祇園祭の飾り付けは特に似ている)のようにも見え、また万度(万燈)としても潮海寺祇園祭に出てくるものようにも見え、遠く離れた地域であっても何かしらのつながりを感じました。

囃子披露(平町) 0:00
水口神社 3:31
河内町出発 5:38
平町出発 28:28
弟殿(おとんど:御旅所)出発・宮入り 53:24
纏田楽(まといでんがく)到着・発輿 1:28:26
囃子披露(東町) 1:33:37
囃子披露(河内町・天王町連合) 1:44:20
囃子披露(平町) 1:53:22
着輿 2:02:38

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