栃木・福島・新潟の3県にまたがる国道352号のうち、福島県・新潟県境前後の区間(樹海ライン)は、酷道として有名な区間です。特に奥只見湖畔の区間は、ワインディングが延々と続きます。今回はその区間を走行します。
冬季通行止期間が長く、夏場しか走れません。ただ、夏場には尾瀬方面への登山客が多く訪れるため、またツーリングマップルのオススメルートにも指定されているためか、酷道のイメージのわりに交通量は多い道です。酷険道好きの間では有名な道といっていいかも知れません。車載動画では、kokurallyさんのシリーズも有名です。
福島県側から新潟県側へ向かって走行しています。本動画は、以前公開したものの再編集版です。檜枝岐から銀山平まで、実時間で80分ほどかかるロングワインディングを倍速で一気にどうぞ。
続き(枝折峠区間): https://youtu.be/Nsg1nWyTQx8
本再編集版で追加した上部の表示はGPSデータで、標高、傾斜、方角を示しています。トンネルの中などでは停止します。精度が低いので目安程度にお願いします。
GPSの標高は緯度経度と比べて精度が低く、10m以上ズレることはザラです。また、使用しているGPSのジオイドの補正がいい加減らしく、特に関東平野では15m以上の系統誤差が発生することがあります。ある程度は手動で補正しています。ただこの動画の地域での系統誤差はおそらく1~2m程度で、だいぶマシな方です。今回は+1mで補正しました。
傾斜計は、画面では傾斜がわかりにくいので一つの目安として表示しています。指針の傾きは進行方向の傾斜をそのまま表しています。ただし、可視範囲での指針の左端は固定されていません。右の目盛りが+10%、±0%、-10%を示し、上下の斜線に指針が重なったときは±20%を示します。勾配の精度は位置データの精度に依存し、GPSの精度が期待できないときは指針が薄くなりますが、そうなっていなくても精度は今一つです。また急カーブでは傾斜が実際より大きく出ます。停止時には基本的に表示されません。
公道新設時の勾配の上限基準は原則9%まで、特例や林道でも18%までだそうです。この動画では20%越えが発生していますが、本当に20%越えなのか、GPSの精度が悪いだけなのか、判断が付きません。ただ、50~60年前に作られた道ですので、今より基準が緩かった可能性はあります。現在の基準通りならなかなか酷道にはならないでしょうし……
なお、厳密にいうと%表示の勾配と角度はリニアな関係になっておらず、例えば20%の勾配(約11.3°)は10%の勾配(約5.7°)の倍の角度よりわずかに小さいですが、20%くらいまでの勾配の範囲では、ざっくり勾配パーセンテージの6割弱が角度と考えて大丈夫です。厳密な式は、角度 = arctan(x) × 180/π、ただし x = 高低差 / 水平距離 = 勾配パーセンテージ / 100、180/π = 約57.3° /rad です。arctan(x)の値はx=0で0、x=0.2で約0.197、導関数は 1 / (x^2 + 1) で、x=0では1、x=0.2では0.96くらいです。したがって、この範囲ではx≒arctan(x) なので、係数の約57.3° /radが「6割弱」の内訳となります。以下に早見表もあります。
https://www.rincon.or.jp/sagyodo/27_20170405.pdf
方角の北(N)は磁北でなく真北です。方角は進行方向を示しておりクルマの前面の方向ではありません。また停止時には当てにならないため更新を停止していますが、それでも不正確な表示が出るかも知れません。画面の横方向の画角が約90度のため、方角の表示範囲も合わせています。
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