【昔 赤線地帯と呼ばれた雑餉隈】カオスな町の正体南福岡の新宿と言われた難読地名「雑餉限」第二の中洲、赤線地帯
今回は天神・西鉄福岡駅から西鉄電車に乗って向かう福岡ローカルタウン巡りである。以前から気になってしょうがなかった街があった。各駅停車で15分程で行ける「雑餉隈」(ざっしょのくま)だ。武田鉄矢の地元だとか、ソフトバンク創業の地だったとか、昔は赤線があったとか、第二の中洲だと呼ばれていたとか、その難読地名っぷりもあって、まあ色々と街の噂を耳にする。
駅前から南側に商店街が広がっているが、反対側の住宅街に入っていくと武田鉄矢の実家のたばこ屋「武田たばこ店」がある。3年B組金八先生でブレイクした時には観光客が観光バスで乗り付けて「聖地巡礼」しに来た時期もあったというたばこ屋。本人は超有名人になってしまったが実家の方は至って質素なものだ。雑餉隈駅周辺には陸上自衛隊福岡駐屯地、航空自衛隊春日基地といった自衛隊施設が街のかなりの面積を割いて置かれている。いわば軍都であるとも言える土地柄だが、東側には宇美町、志免町といった旧炭鉱町もある。戦前は陸軍造兵廠まであったという土地。軍隊に炭坑夫といった血の気の多い男が歓楽街として集まり栄えていたというのが、かつての雑餉隈だったらしい。筑紫通りに出ると、随分如何わしげな店舗ばかりが密集する一画がある。ここいら周辺が「第二の中洲」の成れの果てみたいな場所だったのだろう。軍隊の街だったという必然性から戦後は赤線地帯が出来て、その時の空気が僅かに残っている。