34日目稚内 クッチャロ湖から紋別郡雄武町へ(No.62 1970年 55000円日本一周自転車旅行)
9月15日明け方雨がバンガローのトタン屋根を打つ音で目覚めた。クッチャロ湖畔のバンガローで一夜を過ごしバンガローから238号線に出て紋別市へ向かって走った。昨日もそうだったがひどい砂利道が続く。これから先も悪路が続きそうだと覚悟した。オホーツクは今まで見てきた海と違った海の色をしていた。枝幸町付近で自転車のスポークが折れた。自転車屋さんを見つけたが「今飯を食っているから待っていろ」と待たされたがSUS製のスポークがこの店にはなくそのまま走ることにした。興部町まで74km。スポークが折れたせいなのか車輪のブレが気になった。少し走ると道端で小型トラックに果物を積んで売っていた。3個が30円のリンゴを買うと「何処から来た?」「広島から」と返事するとビックリして男の人が降りて来ていろいろと話しかけてきた。話が終わると「これ少しだけど持っていけ」とブドウをひと房サービスしてくれた。今日は興部町の手前12km付近の無人駅栄丘で一夜を過ごすことにした。真っ黒い雲の中から顔を見せ海を染めた月は
中秋の名月と呼ぶのにふさわしい満月だった。50年前のアルバムにそんな事を書いていた。スポークの修理はせずにそのまま走ったためか東北で車輪がグニャグニャに曲がってしまつた。スポークの寸法さえ合えばSUS製でなくてもいいですよと言っていれば状況は変わっていたと思うがその時は頭が廻わらなかった。無人駅の栄丘駅はどんな駅だったのか? 写真は撮ってなくて全く記憶に残っていない。調べてみると紋別郡雄武町に有った駅で開業時からの無人駅で駅舎は無くホーム中央部分に待合所が有った駅で自転車旅行から15年後の1985年に興浜南線の全線廃止で廃駅となり今は跡形もなく原野になっているようだ。日本の廃止鉄道路線一覧を見ると北海道だけで90以上の鉄道路線が廃止になっている。廃駅なども含めると凄い数になると思う。多分この日はそんな無人駅の待合所のベンチで一夜を過ごしたのだと思う。34日目1970年9月15日はクッチャロ湖から興部町12㎞手前の紋別郡雄武町の無人駅の栄丘駅まで進んでいる。
音楽はyoutube オーデオライブラリのShael Paulです。
なんでも動画 久常