🏯 3位は安土城(滋賀県)、2位は岡城(大分県)、1位は…歴史評論家が選ぶ「あえて寒い冬に訪れるべきお城」ランキング 🏯🥅

第8位は白石城(宮城県白石市)。宮城県最南端、西を蔵王連峰、東を阿武隈山系に囲まれた盆地の小高い丘上にある。仙台城(仙台市青葉区)の支城で、元和元年(1615)の一国一城令でも廃城にならず、伊達家の家臣、片倉家の居城として明治維新まで存続した。

 明治になって建造物ばかりか石垣の石材までが転売されてしまったが、事実上の天守だった大櫓と本丸の大手門が、平成7年(1995)3月に木造の伝統工法で復元されている。

 調和がとれたプロポーションの大櫓は、名称こそ「大櫓」だが、伊達家の分家の居城である宇和島城(愛媛県宇和島市)の天守よりも大きく、土佐藩24万2000石の高知城(高知県高知市)の天守に匹敵する。3階には廻縁がつき、窓が釣鐘型の華灯窓であるなど、古風な装飾が施されているのも魅力的だ。また、比較的単純な造形ながら、眺める角度によって表情が大きく変わる。

 白石城周辺は雪が降るものの、それほど積もらない。また、東北新幹線の白石蔵王駅からタクシーで5分(東北本線白石駅から徒歩15分)ほどなので、訪れやすい。適度な雪景色を楽しむのにもってこいだといえる。

■冬は国宝の城との相性◎

 第7位は姫路城(兵庫県姫路市)。いわずと知れた国宝であり、ユネスコの世界文化遺産である。この城を訪れるのに季節は問われないが、姫路城ならではの白亜の建造物群は、冬の澄んだ空気の下で、いっそう冴えて見える。

 しかも、姫路城には白い櫓や門、塀が複雑に折り重なるように残っている。姫路城は慶長5年(1600)の関ケ原合戦後に、52万石で入封した池田輝政が築いたが、いまも多くの建造物が残る城の中核部分は、羽柴秀吉が城を築いた当時の、ひな壇状に並んだ小さな曲輪を踏襲している。つまり古い構造を利用しているため、通路は迷路のようになり、建造物も複雑に交錯し、独特の景観をつくり出している。

 この白い複雑な建造物群がもっとも冴えて見えるのが、冬であるのはまちがいない。

Write A Comment