愛知県犬山市の博物館明治村で今秋、産業機械の展示がリニューアルされた。一部機械が動くように整備された。4丁目の「鉄道寮新橋工場・機械館」だ。
 元は1872(明治5)年、東京の新橋停車場に建った機関車修復所で、1968(昭和43)年に移築された。広い館内にあるのは列車ではなく、日本の近代化を支えた明治期の産業機械。明治150年を記念し、10月にリニューアルオープンした。
 原動機や印刷機、工作機械、繊維機械の計33台が並ぶ。展示当初はほとんどが動いたが、近年は富岡製糸場(群馬県)で動力源となった蒸気機関など、わずかしか動かなくなっていた。
 今回、綿糸を紡ぐ一連の機械4台のうち2台をトヨタ産業技術記念館(名古屋市)の協力を得て整備し、動態展示できるようにした。ひも状の綿を引き延ばす練条機と、糸を軽くねじり合わせる粗紡機だ。電源を入れると、いずれも大きな機械音を館内に響かせる。

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