成田山公園の秋 (BMPCC 4K + Davinci Resolveでカラーグレーディング)
今回のグレーディングのテーマは「黒を潰す」「深いシャドウ」「漆黒」あたりです。
以前、どなたかの風景写真を見たときに、黒が深くてかっこいいなと思い、真似してみました。以前逆光を利用して高コントラストの映像を作りましたし、今回も結果的に高コントラストになってはいますが、あくまで今回のテーマは映像の「黒つぶし」です。順光で、BMPCC4Kのダイナミックレンジに十分収まっているカットでも、黒を潰しています。
ですが今回は悩みました。これまでのグレーディングの1.5倍は時間がかかったと思います。というのも、どこまで黒を潰すのがよいか判断が難しかったからです。また、黒を潰した後のハイライトの上げ具合や、全体の露出や彩度の再調整も難しかったです。
一応途中まで参考にしたのは、マイケル・ベイ監督の「トランスフォーマー」です。というより、マイケル・ベイ監督作品全般です。意外に思われるかもしれませんが、個人的には特に「トランスフォーマー」の黒を潰した(高コントラストな)映像は好きです。特に車の窓とか真っ黒に塗りつぶされててかっこいいんですよね。ただ、あのかっこよさは結局再現できなかったので、最後は自分の感覚でグレーディングしました。
もう一つ難しい点として、ディスプレイによって黒の表現能力が全然違うことです。私はいつも通り、ミニLEDのiPad Proを信用してグレーディングしましたが、お使いのディスプレイによっては私の意図した映像が再現されないと思います。私のPCモニターでも全然違う映像になっていました。
以前読んだ記事で、スタジオジブリが映画「君たちはどう生きるか」をIMAXで公開する際、IMAX用に数種類、つまりプロジェクター方式に合わせて個別に追加グレーディングをしたと知りました。確かに、ブラウン管、液晶、ミニLED、有機EL、プロジェクターならDLPとかレーザーとかで黒の表現能力(コントラスト比)が違うので、今回の経験を踏まえると、私でも時間が許す限り同じこと(追加のグレーディング)をしたと思います。
※今回の動画の撮影日は11/22です。動画内の紅葉具合は、動画の公開日時点で現地では見れなくなっているかもしれません。
Location:
成田山の境内(千葉県成田市)
Camera:
Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K
Video Codec:
Blackmagic RAW:Q0 (Recorded on SSD) / 4K DCI / 24fps
Color grading:
DaVinci Resolve 19.1
Lens:
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO