今回は、山中温泉のゆげ街道にございます、
長谷部神社をご案内させて頂きました。
この神社は、自然神や天皇の系譜をお祀り
している神社ではなく、実在の人物であった
長谷部信連公を御祭神としています。
長谷部信連は、平安末期の御家人であり、
1186年に能登国大屋荘の地頭となりました。
その頃の山中は、平安末期の兵乱により温泉
は廃れ、街並みも、医王寺すら荒廃している
状況でした。
そんな中、信連公が鷹狩の折にあるところで
一羽の白鷺(しらさぎ)が、その身に負った
傷をいやしている姿をご覧になり、その地を
あらためたところ、温泉がこんこんと湧き出
したのでした。
実は、この白鷺は、薬師如来の化身であり、
信連公を導かれたと伝えられています。
結果、信連公は山中温泉と医王寺を再興し、
山中温泉と医王寺の中興の祖となったのです。
この功績は、山中温泉の地では絶大なもので
人々から、永きに渡り崇敬されるに至りました。
その後、医王寺の方に、信連公の肖像画が建武霊神
として祀られましたが、山中の大火で焼失。
明治9年には、神仏分離により社殿を造営遷座されました。
最終的には、昭和19年に現在地に遷座し独立神社公認
として現在に至ります。
現在も、この神社は山中温泉の地元の方々に愛され続け、
ひっそりと隠れるように佇んでおりますが、苔むす空間
にあって、侘び寂びの赴きが最大の魅力となっています。
機会があれば一度、信連公を訪ねてみてはいかがでしょうか?
御朱印が必要な方は、前回の動画の白山神社で受けられます。
それでは、動画をお楽しみください。