ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.10.29 09:38

中国産人工知能(AI)ディープシークの登場以降、ロボット犬、ドローン、戦術車両などにAIを取り入れようとする中国軍の「崛起」が尋常でないという分析が出ている。

27日(現地時間)のロイター通信によると、中国軍が今年出した数十件の入札公告を分析した結果、12件でディープシークの使用が言及され、ディープシーク競争モデルのアリババQwenに言及された公告は1件にすぎなかった。「中国がディープシークとAIを活用して米国との軍備競争で追い上げようとする体系的努力がここに含まれている」というのがロイターの評価だ。

グローバルセキュリティー会社レコーデッド・フューチャーの傘下組織インシクト(Insikt)グループが出した報告書にも似た分析が出ている。インシクトグループは6月の報告書で「中国軍と防衛産業業調達記録を見ると、5月末基準でディープシークは150回以上言及された」とし「2月に初めて登場した後、3~5月に集中した」と明らかにした。ディープシークの大規模言語モデル(LLM) V3と低コストモデルR1の登場時点がそれぞれ昨年12月と今年1月という点を考えると、中国軍が短い時差でディープシーク「速度戦」に突入したという点を示唆する。

AIに使用されるハードウェアチップ需要状況も中国軍の速度戦を後押しする。ロイター通信は「米商務省が2022年9月にエヌビディアのA100とH100チップの輸出を禁止したが、中国軍と傘下機関が6月にも同チップを使用している状況が捕捉された」と報じた。「過去2年間、国防科学技術大学など中国国防関連学者が提出した特許35件でエヌビディアA100チップの使用に言及されているのが確認された」という。

実戦配備と性能を確認するにはまだ早いが、AIを基盤とする成果物が一つ、二つ登場する点が注目される。AIロボット犬が代表的な例だ。中国軍は昨年5月、カンボジアとの合同訓練「ゴールデンドラゴン」でこのロボット犬を公開したが、小銃で武装した四足歩行のこの物体が敵陣に先制突撃する場面で注目を集めた。接近戦でロボット犬が偵察と制圧射撃を終えれば歩兵分隊が進入する方式だった。

2月に公開された中国国営防衛産業会社ノリンコ戦術車両P60の場合、中国当局がディープシーク搭載を公式化した事例だ。無人自律戦術車両が時速50キロで戦場を走行しながら補給や牽引など支援任務を実施する試演が当時実施された。ディープシークの戦場分析資料を受けたP60は障害物回避・標的識別・隊列走行などを自ら遂行したという。またロイターは「中国軍の群集ドローンが人の介入を最小化してディープシークで標的を認識・追跡する大型編隊の作戦を実現しようとしている」と指摘した。

西安工業大学は5月に公開した研究でディープシークで駆動するシステムが戦場シナリオ1万件を48秒後に評価したと主張した。従来48時間かかっていた評価を画期的に短縮したということだ。ロイターは米国務省から受けた答弁を引用し、「ディープシークは中国の軍事・情報活動を支援し、今後もそうする可能性が高い」と伝えた。

Write A Comment