同社が運営するペットサロン
FC加盟でペットサロン開業
年間750件の賃貸仲介を行うアクロス(大阪市)は、法人仲介で安定的に取扱件数を伸ばしながらストックビジネスの強化を図る。2010年から行う賃貸管理のほか、3月にはペット向けのサロンとホテルの運営も開始した。
同社の賃貸仲介は、法人向けが売上高ベースで9割を占める。仲介する物件は転勤者の需要が多い大阪メトロ御堂筋線新大阪駅や同江坂駅周辺の単身向けが中心。広告料も含めた1件あたりの成約手数料は平均15万円ほどだ。
年間仲介件数は6年の設立以来徐々に増えているが、規模が大きい法人との直接取り引きは減少傾向だという。その背景には社宅代行サービスの普及がある。
山本憲明専務は「大手企業は、社宅代行会社のサービスに切り替える傾向がある。新規で必要になる社宅の契約が年10件以下程度の中小企業の場合は、ランニングコストがかかるのを避けるため仲介サービスのみを求めるケースが多い」と話す。社宅代行事業者との提携により、仲介件数自体は増加している。
賃貸管理やペット関連事業では、ストック収入の増加も目指す。管理戸数は800戸で、直近2〜3年は年に20〜30戸ほど増加している。新規受託は、客付けをしたオーナーからの受託や一括査定サイトからの反響によるものが中心だ。
ペットサロン・ホテル事業は、日本ペットホテル協会(愛知県名古屋市)が運営するフランチャイズチェーン(FC)「ONE LUKE(ワンルーク)」に加盟した。徐々に地域での認知度が高まりつつあり、ペットサロンでは、平日に5〜7頭、休日に10頭ほどのトリミングを実施しているという。ペットホテルは帰省や旅行で需要が高まるお盆の期間に、11部屋が満室稼働となった。
「トリミングは気に入ってもらえれば月1回の来店が見込める。そのためペットサロンはストック収入として成長させていきたい。運営にあたっては専任社員を新たに採用したが、本業の賃貸仲介の営業社員よりも応募が多く、採用にそこまで苦戦しなかった」(山本専務)
アクロス
大阪市
山本憲明専務
(2025年9月15日2面に掲載)