
東日本大震災の被災地で生まれ、遠く離れた岐阜で災害救助犬となった犬「じゃがいも」が、15年の節目を前にした2026年2月、天国に旅立ちました。不合格を重ねながらも、あきらめずに挑み続けたその姿は、ふるさと、飯舘村の人々に勇気と希望を届けました。
■ふるさとに希望を…災害救助犬への挑戦「じゃがいも」は震災の3カ月後の2011年6月、福島県飯舘村で生まれました。飼い主は避難所暮らしで育てることができず、岐阜県のNPO法人「日本動物介護センター」が引き取ることになりました。
【動画で見る】被災地で生まれ11回目で合格…災害救助犬「じゃがいも」震災から15年を前に天国へ “後輩犬”が受け継ぐ思い

目指したのは、倒壊した家屋などから命を救う「災害救助犬」です。
日本動物介護センターの山口さん(2017年):
「頑張っているんだぞ、福島の犬が。助けてもらった部分を、今度は“助ける番”だよって。じゃがいもを代表にして、ふるさとの飯舘村とか福島を応援できたらなと」
雑種でちょっと怖がりの「じゃがいも」は、災害救助犬の試験に挑みますが、指示に従えなかったり、逃げ出してしまいます。

試験は10回連続で不合格、それでも「じゃがいも」はあきらめませんでした。
訓練を始めて5年余りたった2017年6月、11回目の挑戦で見事に合格。その活躍が認められ、ふるさと飯舘村のPR大使にも就任し、被災者に勇気を与えました。

そして、震災から15年を目前に控えた2026年2月20日、じゃがいもは体調を崩し、旅立ちました。14歳8カ月でした。
山口さん:
「朝全然だめで、歩くこともできずに。前日までは歩いていた。朝に状態が悪くなって。『本当にご苦労さまでした』ということしかない。大きな存在ですよ。本当に僕の人生を変えてくれたぐらい」
■福島の復興へ…受け継がれる“じゃがいもの遺志”
あきらめずに挑戦を続け、多くの人に愛された「じゃがいも」。
「じゃがいも」の兄弟の「ゴン」は、13日から飯舘村に里帰りし、飼い主と1年ぶりに再会します。

2歳のオス・ラブラドールレトリバーの「ジャビ」は、災害救助犬を目指して訓練を受けています。
「じゃがいも」がきっかけで生まれた岐阜と福島の絆は、これからも続きます。
山口さん:
「じゃがいもの代わりに頑張ってくれるでしょう。2~3回で合格してほしいなと思うけどね(笑)。11回はちょっときついから。福島の復興はまだ全然進んでいないし、少しでも手助けできたらなと思っています」