レンガの壁の上を歩き回る都会のアカギツネ。SNSで人に馴れたキツネの動画がSNSで拡散し、キツネが「自己家畜化」していると多くの人が推測しているが……。(JAKUB RUTKIEWICZ, SHUTTERSTOCK)

レンガの壁の上を歩き回る都会のアカギツネ。SNSで人に馴れたキツネの動画がSNSで拡散し、キツネが「自己家畜化」していると多くの人が推測しているが……。(JAKUB RUTKIEWICZ, SHUTTERSTOCK)

 野生のキツネが斜面でボールのようなものを転がし、追いかける様子を捉えた動画がTikTokに投稿されたところ、100万回以上も再生された。この動画には#domesticatedfox(家畜化されたキツネ)のタグが付いていて、「おそらくこのキツネは、イヌがボールで『取ってこい』遊びをするのを遠くから見ていたのだろう」「彼も『よしよし』されたいんだ」などのコメントがついている。(参考記事:「ギャラリー:キタキツネを追いかけて」)

 別のTikTok動画では、人間が差し伸べた手に野生のキツネが近づいている。その様子に魅了された視聴者からは、「ペットじゃないなら、なぜペットのような姿をしているの?」とおどけたコメントが寄せられている。

 ソーシャルメディアで話題になったこうした動画により、インターネット上では多くの人が、キツネが「自己家畜化(self-domesticating)」していると推測した。つまり、人間からの明確な介入や意図的な繁殖なしに、次第に人間に対してより友好的になっているということだ。

 しかし、それは本当なのだろうか?

 動物が家畜化されたと認められるには、行動と体の両方に変化が起きていなければならない。すなわち、野生動物に比べて人馴れしていて、しばしば小型になるのだ。

「最後の決め手は遺伝です」と、 英ハル大学の動物行動学者ブレイク・モートン氏は言う。1世代の動物が人馴れした態度を示すだけでは不十分で、そうした行動や特性が子孫にも受け継がれなければならない。(参考記事:「イヌとトコジラミは「家畜」でウマは「非家畜」 新たな論文が物議」)

次ページ:家畜化の兆候を示すキツネたち、かつてペットだった可能性も

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