
# 保護活動の無い未来へ
1組の猫から、わずか1年で65匹もの子猫が増える。
この事実をご存じでしたか?
あっという間に起こる猫の過剰繁殖により、行き場のない命が毎日のように生まれ続けています。そして、多くの保護団体の方々が懸命にこの問題に向き合ってきました。
一方、過剰繁殖の現場では不妊去勢手術を行い繁殖管理を徹底することが重要となり、これら全頭の不妊去勢手術を一度にできる獣医師が不足しています。手術を受けそびれた猫が1頭でも残れば、再繁殖のリスクは残り続け、なかなか解決には至りません。
私たちSpay Vets Japanは獣医師の育成を通じて、この問題に向き合っています。傷口をわずか1cm程度に抑え、動物への負担を最小限にしつつ「1日に30頭を安全に執刀できる不妊去勢手術」を身に付けた獣医師を育てることで、過剰繁殖の”蛇口を閉める”活動の後押しをしてきました。
そして2025年11月、さらに多くの獣医師に技術を身に付けていただくため、Spay Vets Japanは獣医師の専門トレーニング施設であるABCトレーニングセンターを大阪府八尾市に開設しました。この拠点を通して「過剰繁殖現場で活躍できる獣医師」をこれまで以上に増やしていきたいと考えています。
これまでの運営では、獣医師による受講料は必要な経費の一部に充て、手術にかかる費用はご寄付を中心とした団体資金で何とか続けてきました。しかし、これから多くの獣医師を育成できる一方で、大幅な資金の不足が予想されています。そこで、過剰繁殖現場で活躍する獣医師を育てる文化をつくるためにも、今回のクラウドファンディングの実施を決断しました。
過剰繁殖の問題を仕組みから解決し、保護活動の無い未来を描くためには、専門獣医師の育成が必要であると信じています。この現状を変えるため、私たちの活動の仲間となってくださる皆様からのあたたかいご支援をお待ちしております。
Spay Vets Japanについて
Spay Vets Japanは犬猫の過剰繁殖による社会問題の解決を目指す、獣医師の団体です。
私たちは獣医師へのトレーニングを通して、過剰繁殖の現場で1日30頭を安全に執刀できる「高速高回転の不妊去勢手術」の普及に努めてきました。動物の過剰繁殖現場では、1人の獣医師が1日30頭ほどの不妊去勢手術を行えないと全頭の手術が間に合わず、そこから新たな繁殖が始まってしまいます。より多くの獣医師がこの術式を習得することが、いまの日本における課題であると捉え、技術習得・技術交流の場の提供を推進してきました。
また、専門家を招いたカンファレンス・勉強会、獣医師のトレーニングの場の提供、一般の方々に向けた講演会などの実施によって、猫の繁殖予防に最も効果的だとされている早期不妊去勢手術の重要性(生後5ヵ月齢までに行う不妊去勢手術のこと)を広め、「5ヵ月齢までに手術をするのが当たり前」となる日本を目指した、啓発活動も行っています。
猫が4ヵ月齢から発情・妊娠をする現実がある一方で、まだ日本では「不妊手術は6ヵ月齢になってから」が一般的です。早期手術を行うリスクの噂もありましたが一部は研究によって否定されており、既に米国獣医師会は早期不妊去勢手術を支持する方向に舵を切っています。(参照元:https://www.dvm360.com)
当団体代表理事 橋本 恵莉子が活動を始めた背景

Spay Vets Japan代表 橋本 恵莉子
|猫ボランティアさんとの出会い
私が一般病院で勤務医をしている時に、一人の猫ボランティアさんと出会いました。
毎日餌やりに通い、1頭ずつコツコツとTNR(猫を捕獲し、不妊去勢手術を行い、その場所へ逃がすこと)を続けられていました。
私はその当時、まだ地域猫活動やTNR活動の事を良く知りませんでしたが、飼い主のいない猫たちのために頑張られるこの方と、活動の在り方に感銘を受けておりました。
ある日、その方が顔に怪我を負って来院されました。
猫が嫌いな住民に「猫に餌をやるな」と殴られたのだとか。
私は、なぜこんなやさしい方が殴られなければならないのか、と憤りを感じるとともに私も獣医師として、医療現場で活動を支援するだけでなく、社会的な理解を深めるためにもっと何かをやらなければ、と強く思いました。
|個人の活動から、団体への活動へ
その後、自身のスペイクリニックを開業し不妊去勢手術の普及に専念すると同時に、TNRの事、不妊去勢手術の重要性、早期不妊手術の意義などを社会に広めるため、講演や著書や、SNS等、考えうる形で啓発活動に力を入れてきました。

「あるすてねこさんのおはなし」(はしもとえりこ 絵/うすいあさみ 作)

「お母さんのらねこのおはなし」原作:碓井 朝美(愛猫家) 作画:橋本 恵莉子(獣医師)

獣医師から皆様へ伝えたいことを漫画にして発信もしてきました
自身でも猫にまつわる相談窓口を開設し、様々な社会問題にも接してきました。
時には犬の過剰繁殖に関する相談を受けることもありましたし、野犬の過剰繁殖地の視察にも伺いました。
しかし、問題を知れば知るほど、啓発活動を進めるほどに、私個人で活動を行うことの無力さを思い知りました。特に啓発活動は、個人での活動では「あくまで個人の意見」としてしか捉えられないからです。そこで、私と同様の理念を持ち、同様の活動を行う獣医師を集め、団体として啓発活動を行うことを決意し、Spay Vets Japanを設立しました。
|獣医師の技術交流ができる場を
Spay Vets Japanは、啓発活動を一つの重要ミッションとしていますが、もう一つのミッションは、不妊去勢手術の技術交流です。
私自身、スペイクリニックの開業前は一般病院の勤務医でしたので、活動に必須な、低侵襲で(傷の小さな手術方法)高回転手術の方法を知りませんでした。ボランティアさんに出会ってから、その勉強を行うため、様々な施設や手術会場を訪れ、勉強させていただきました。
その修行を通して出会った獣医師達が、Spay Vets Japanの設立時メンバーであり、私の今の技術があるのも、これらの人と技術の交流のおかげです。
これらの経験を通して、獣医師が切磋琢磨し技術を高めることの重要性と、技術を学びたい獣医師にとってそうした機会をもっと設けることが必須だと強く思いました。
それは理事一同、共通の想いで、Spay Vets Japanでのトレーニングプログラムや一斉手術の企画、トレーニングセンター設立に至りました。
そして、2025年11月には「過剰繁殖問題の解決」×「獣医師の育成」の専門施設、ABCトレーニングセンターを開設しました。
「過剰繁殖問題の解決」×「獣医師の育成」の専門施設
ABCトレーニングセンターのご紹介
ABCトレーニングセンターは「犬猫の過剰繁殖問題の解決」×「獣医師の早期手術を含む高回転不妊去勢手術技術と愛護意識を育てる」専門施設です。前身となるHappy Tabby Clinicは猫の不妊去勢手術専門クリニックとして、創業より27,000頭の手術を行ってきました。

ABCトレーニングセンターはこれまでのクリニックとしての枠を超え、過剰繁殖問題の解決のために尽力したい、という獣医師にSpay Vets Japanの術式を教えるための場であり、同時に獣医師にはこの施設を訪れる犬猫たちを通じて、愛護精神も学んでいただきたいと考えています。
傷口はわずか1cm
ABCトレーニングセンターにおける手術について
当施設で教えるのは、スぺイフック(子宮吊り出し鉤)を用いた傷口1cm(※1)の不妊手術です。この術式を身に付けることで、1日1人で30頭ほどの手術が可能となります。


施術の際は猫への負担を出来るだけ減らすために、術創を小さくすること、安全性の高い麻酔を心がけています。猫の術創は通常1cmほど、犬でもできるだけ小さな術創で、表皮は吸収糸(溶ける糸)で縫合する為、抜糸は必要ありません。(※2)
ほとんどの犬猫では、術創の保護を特に行わなくても大きな問題になることはなく(※3)、化膿止めには3日間持続型のペニシリン系注射薬を手術時に投与しますので、通常術後に化膿止めを内服する必要もありません。
※1:一般的な不妊去勢手術における傷口は3cmほどといわれており、通常より負担の少ない術式を採用しています。
※2:妊娠や卵巣子宮の疾患で、術創を拡げる方が安全だと判断される場合は、術創が大きくなる場合もあります。
※3:性格上過剰に舐めることが予想される場合は腹帯やエリザベスカラーの着用をおすすめします。
より多くの経験を積んでもらうために
当会による獣医師のトレーニングについて
獣医師のトレーニングには、レベルに合わせた2つのコースがあります。
1つ目は、全く不妊去勢手術をしたことのない獣医師、および不妊去勢手術の経験が少ない獣医師を対象とした「B認証医コース」。当会の認定医がマンツーマンで技術指導を行います。経験値が少ない場合、傷口が大きくなってしまう場合や手術時間が1時間以上かかるケースもあります。こちらのコースでは経験の浅い獣医師に向け、丁寧な指導を行っていきます。

トレーニング / 講習会の様子

トレーニング / 講習会の様子

トレーニング / 講習会の様子

トレーニング / 講習会の様子
2つ目は、一定の手術経験がある獣医師を対象とした「SVJ認定医コース」。当会の認定医とともに執刀を行うことで、経験値を上げ、安全で効率的な技術の習得を目指します。
不妊去勢手術はいろんなイレギュラーもあり個体によって難易度も異なるので経験値を積むことが必要です。そのため、その都度自分で判断する、時には認定医に疑問を投げながら技術向上するための大切なコースとなります。こちらは大阪府八尾市のABCトレーニングセンターと、和歌山県南紀白浜の犬猫繁殖予防病院、または、当会主催の一斉手術においてその場を提供しています。

クラウドファンディングに挑戦する理由
「過剰繁殖問題の解決」×「獣医師の育成」を目的として開設されたABCトレーニングセンターですが、今後の運営には課題があります。
一人の獣医師が、不妊去勢手術の経験を積み、安全で効率的な高速高回転の不妊去勢手術の術式を取得するためには、およそ1,000頭の不妊去勢手術をまずは行っていく必要があると考えています。さまざまなパターンのイレギュラー症例を経験するためには必要な数字であり、認定医メンバーも技術習得のうえで同じ道を通ってきました。

家の中で多頭飼育になってしまった状況

外で過剰繁殖となっている状況

生まれてきても食べる物、住むところもなく途方にくれる動物たち
しかし、一頭当たりの手術にかかる費用はおよそ5,000円。少なく見えるかもしれませんが、技術習得を志す研修医に1,000頭分の手術費用を求めると莫大な費用となり、到底出すことはできないでしょう。一方で私たちはより多くの獣医師に動物の過剰繁殖問題の解決のために協力してもらいたい。そこでご支援・ご寄付によって手術費用を募り、より多くの獣医師の育成を現実にしていきたいと考えました。
また、クラウドファンディングに挑戦するのには、当会が目指す「保護活動がなくなる未来」、「繁殖管理を徹底する社会」を実現するために獣医師がリーダーシップをとり不妊去勢手術を当たり前に行うことが重要であること、そしてこの活動を世間の皆様に知ってもらい、応援してもらいたい、という想いもあります。ぜひご支援・応援を頂けるみなさまにはこの課題をより広くご周知いただければ幸いです。
今、この瞬間にも、行き場のない命が生まれ続けては亡くなっています。食べるものもなく、お腹を空かせて飢え、亡くなっている命があります。我々はこの現実を何とかしたい…それだけです。
いただいたご支援金の使いみち
いただいたご支援は獣医師のトレーニング費用として大切に使用させていただきます。今回目標として掲げる800万円は、猫の手術費用に換算するとおよそ1,000頭分(※4)になります。
みなさまの想いが、行き場のない命を産まない世界をつくる一歩になります。どうかみなさまには、ともに日本の過剰繁殖問題を解決する仲間になっていただけましたら幸いです。
<目標金額>
800万円
<資金使途>
みなさまからいただいたご支援は、不妊去勢手術の習得を志す獣医師のトレーニング費用の一部に充てさせていただきます。犬猫の手術トレーニングや勉強会など、安全に手術ができる獣医師の育成に大切に使わせていただきます。
※4:毎月5名の獣医師が1回に15~20頭の手術を行うと仮定して、おおよそ1年分の手術費用(およそ1,000頭分)になります
Spay Vets Japanの今後について
Spay Vets Japanは今後も「保護活動の無い未来」を目指して活動を続けてまいります。
獣医師のための学びの場の提供、海外の研究の積極的な翻訳・解析研究・発信、災害時の相互補完の場の提供…。私たちが取り組んでいくべきことはまだまだたくさんあります。そのためにも今回のクラウドファンディングにて、多くの方に現状の課題を知っていただき、またご賛同いただければと思っております。
皆様からのあたたかいご支援を、どうかお願いいたします。
「Spay Vets Japanサポーター」のご紹介
本クラウドファンディングでは、当会の取り組みにご賛同いただける団体様、個人の方を中心に「Spay Vets Japanサポーター」としてメッセージを頂いております。
想いを共にするみなさまから頂いた「#保護活動の無い未来へ」というテーマでのメッセージをぜひご覧ください。
▼一覧はこちら
https://readyfor.jp/projects/spayvetsjapan-2026/announcements/412959
トレーニングを受講した獣医師より
Spay Vets Japan 会員
古川勝也 獣医師
私は長年公務員獣医師として野良犬や野良猫の問題に対処してきましたが、問題の根本的な解決のためには過剰繁殖の予防が不可欠であることを痛感し、犬や猫の不妊去勢手術に携わりたいと考えました。私には臨床経験がほとんどなかったため、Spay Vets Japanで初歩から手術のトレーニングを受け、将来的には地元で活動することを目指しています。犬や猫の過剰繁殖問題に取り組もうとする獣医師のトレーニングの場として、Spay Vets Japanは非常にありがたい存在です。
Spay Vets Japan 会員
北川宏美 獣医師

日々動物問題の現場でお困りの方々と向き合う中で、適切なアドバイスだけでなく、自ら実践できる「技術=不妊手術」の必要性を痛感してきました。猫が増えて問題となっている現場において、不妊手術は欠かすことのできない解決策です。どう動けば良いか戸惑う方々に対し、現場の状況を理解し、具体的な出口を示すためには確かな技術が不可欠です。トレーニングでは講師の無駄のない手技を学ばせていただき、そこに一歩でも近づけるよう日々奮闘しています。猫と人が共に心地よく暮らせる社会のため、対話と技術の両方を駆使し、動物福祉に貢献できる行政獣医師を目指して今後も研鑽を積んでまいります。
ご留意事項について
※第一目標達成後の返金やキャンセルは、ご対応致しかねますので、何卒ご了承ください。
※支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合がございます。あらかじめご承知おきください。
※本プロジェクトのリターンのうち、有効期限を設けている体験型のリターンについて、有効期限内にやむを得ない事情によりご案内が困難になった場合には、有効期間について個別に調整させていただくこととし、ご返金は致しかねますのでご了承ください。
※本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するリターンの条件詳細については、リンク先(https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix)の「支援契約」の中にある「●命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。
※プロジェクトページに使用している画像について、土地の権利者により掲載許諾取得済みです。
