皆さまの温かいご支援により、2025年のクラウドファンディングは目標の50%を超えることができました。
一人ひとりのご寄付、応援メッセージ、シェアやお声がけのすべてが、私たちの活動を力強く支えてくださっています。心より御礼申し上げます。
しかし、挑戦はまだ終わっていません。
クラウドファンディングは、残り1日。
これから介助犬を必要とする方々の未来を大きく左右します。
だからこそ今日は、ぜひ皆さまに知っていただきたい**「ある介助犬ユーザーの人生と想い」**をお伝えさせてください。
知られざる、介助犬ユーザーの人生
その方は、現役時代、社会の第一線で活躍されてきました。
アメリカの某有名企業の日本代表を務め、国内外を飛び回りながら仕事に打ち込んできた人物です。
ただ成功を追い求めるだけではなく、
「社会はこのままでいいのか」
「本当に必要な仕組みとは何か」
そんな問いを持ち続け、政治塾を開催し、多くの政治家にも影響を与えてきました。
常に社会と向き合い、困難から逃げず、人生をかけて挑み続けてきた人でした。
病魔と向き合い、迫られた決断
そんな彼を襲ったのが、重度のリウマチでした。
手足の関節は次々と人工関節に置き換える手術を余儀なくされ、ついに「足の手術」を迎える段階に入ります。
医師から告げられたのは、
「この手術のあと、歩けなくなる可能性があります」
それは、彼にとって人生の根幹を揺るがす言葉でした。
自分の足で立ち、歩き、行動することを何より大切にしてきた人生。
その自由を失うかもしれないという現実。
考え抜いた末、彼は最後のチャンスとして「介助犬ユーザーになる」決断をします。
手術を延期してでも選んだ、介助犬との道
医師からは、一日も早く膝の手術を受けるよう強く勧められていました。
それでも彼は、その手術をいったん断り、介助犬の訓練を開始する道を選びました。
身体は限界に近く、痛みもあったはずです。
それでも彼は、「人生の最終章を、自分の意思で生き抜く」ことを選びました。
約1年に及ぶ訓練を経て、
彼は介助犬との認定試験に合格し、晴れて介助犬ユーザーとなります。
介助犬がもたらした、確かな変化
介助犬と暮らし始めてから、彼の身体にははっきりとした変化が現れました。
日々のリハビリを一つひとつ丁寧にこなし、決して無理をせず、しかし決して諦めることなく前を向き続けた結果――
人目を引くほど、スタスタと歩けるまでに回復されたのです。
「ここまで歩けるようになるとは思わなかった」
周囲の驚きの声を聞くたび、私は確信しました。
介助犬の力は、単なる補助ではない。人の意志と可能性を引き出す存在なのだと。
もちろん、介助犬が病気そのものを治すわけではありません。
最後は、どうしても病には勝てませんでした。
それでも、介助犬と共に過ごした時間は、確かに「生きる力」を取り戻した時間でした。
広がった未来と、突然の別れ
彼は、介助犬と共に、再び社会へ出ていきました。
仕事に、旅行に、さまざまな場所へ。
お子様たちが海外に住んでいたこともあり、介助犬と一緒に外国を訪れる計画も立てていました。
そんな日々が続いていた中で、
突然、その方の訃報が届きました。
知らせを聞いた瞬間、体が震え、涙が止まりませんでした。
彼はきっと、自分の寿命も悟っていたのかもしれません。
それでも彼は、人生の最後を、介助犬ユーザーとして生き抜いたのだと思います。
本気で向き合った時間
生前、彼とは何度も本気で話し合いました。
時には、少々討論になることもありました。
でもそれは、犬の命と、人の人生が関わるからです。
妥協できないからこそ、常に真剣でした。
彼の想いを多くの方に聞いてもらおうと思っていた矢先の出来事でした。
最後に届いた、一通のメール
亡くなる少し前、彼から一通のメールが届きました。
「様々な仕組みがあり、なかなか前に進まないこともあるかもしれません。
それでも、日本介助犬福祉協会の活動の切り口は、
凝り固まった権力や構造を打破する突破口になるといいですね。
介助犬は本当に素晴らしい。
引き続き、どうか頑張ってください。」
その言葉は、
「この道は間違っていない」
そう背中を押してくれる、遺言のようなメッセージでした。
この活動を、絶やさないために
彼はもういません。
けれど、彼が介助犬と共に生き抜いた時間と、その想いは確かに残っています。
だからこそ、この活動を絶やすわけにはいきません。
介助犬は、
人生を取り戻すための「道具」ではなく、
人生を共に生きる「存在」です。
残り1日。どうか、最後までご支援ください
まだ介助犬を待っている方がいます。
人生の岐路で、希望を探している方がいます。
どうか、最後までご支援ください。
そして、この想いを、周りの方へ届けてください。
一人ひとりの行動が、次の介助犬ユーザーの人生を支えます。
最後まで、全力で走り抜きます。
どうか、共にゴールへ向かってください。
【ご支援は↓から】
https://readyfor.jp/projects/kaijoken2025
社会福祉法人 日本介助犬福祉協会
理事長 川﨑 元広
