「人間の世界で暮らす動物たちが、心身ともに健やかで、そして穏やかでいられる社会を実現したい」という思いのもと、2020年に一般社団法人動物支援団体「ワタシニデキルコト」(以下、「ワタデキ」)を立ち上げ、動物の保護活動を行っている坂上知枝さん。保護の現場で起きていることや、その後の犬猫たちの回復や成長を、坂上さんとともに活動しているメンバーの視点から、綴っていただく連載の後編。

前編「臭いはひどく爪は伸び放題で毛玉だらけの犬…凄惨な多頭飼育崩壊現場の17匹から2匹が救出された理由」では、凄惨な多頭飼育の現場からセンターに救出された17頭の中から、坂上さんが引き受けたのは、最も「心配な子」。
センターの職員さんから「体は最も小さく、かなり臆病なため、他の子たちに餌を取られてしまうので別にしています」と聞いたパピコ、そしてもう一匹リッツ。

坂上さんやワタデキメンバーの家庭で、2匹の新しい生活が始まった。
後編では、その変化と成長をたどっていく。

前編「臭いはひどく爪は伸び放題で毛玉だらけの犬…凄惨な多頭飼育崩壊現場の17匹から2匹が救出された理由」を読む。

「心配な子」じゃないリッツ

リッツは予定していた団体への譲渡が成立しなかったため、急遽引き出し先を探していた犬だった。栄養失調でところどころ毛が薄くなくなってしまっていて、体はやせ細りガリガリ。坂上に出会った時は、人が怖くパピコと一緒に震えていた。

「17匹は、一人暮らしの飼い主がペットショップで次々と買い増やし、不妊去勢手術もしないままどんどん交配が進んだ結果、さまざまな犬種が混ざった小型洋犬ミックスが増えてしまったという経緯です。みんな隅っこで固まっていたので気づかなかったのですが、中には目のみえない子もいました」(坂上)

残りの犬たちも何組かの別の保護団体が引き受け、17匹全てがセンターから引き出された。

引き出し後、リッツは坂上の自宅で、パピコはメンバーKの自宅で「家庭生活」をスタートする。

「初めの頃は2匹とも不安そうに震え、抱っこにも怯えていました。人が怖いので小さくなって隙間に隠れてしまうのですが、他の犬や猫に対しては友好的です。先住の動物が多い我が家とメンバーKの家は動物が好きな2匹にとって安心できるとても良い環境でした」(坂上)

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