猫の愛情表現は、わかりにくい。

呼んでも来ないし、気まぐれで、こちらが近寄るとそっぽを向く。かと思えば突然、膝に乗ってくることもあるし、目を見つめて「ミャア」と甘えることも。そんな“ツンデレ”の愛につい、心を奪われてしまう。

漫画『夜廻り猫』は作者である深谷かほるさんが2015年、Twitter(現X)で投稿したことがきっかけで誕生した作品。

「泣く子はいねが〜」と呟きながら“涙の匂い”を探し、夜の街を彷徨う猫・遠藤平蔵。

嗅ぎつけた先にいるのは、痛みを背負っている人間動物たち(ときどき幽霊)。

“涙の匂い”を抱える登場人物に寄り添い、話し出すまで待つ平蔵。平蔵と出会った彼らは、平蔵との会話を通し、一縷の望みを抱き、ふたたび歩み始めていく。

11月29日に開催される「FRaU×KANEBO こどもコンテストワークショップ 2025秋期講習」に、漫画『夜廻り猫』の作者・深谷かほるさんが講師として登壇することが決定した。こどもたちに絵の具の使い方や色の塗り方などを実演しながら解説してもらう。今回は深谷さんの漫画『夜廻り猫』の魅力を何度かにわたって紹介している。

今回は、猫の愛情表現をテーマにしたエピソードを紹介する。

わかりにくい「猫の愛情表現」

夜の街を、ちょっと気難しそうな老人が平蔵を必死で探していた。平蔵を見つけ、必死の形相で老人は言う。

「来てくれ」

平蔵が向かった先は老人の自宅。そこには小さな仔猫が身体を小刻みに震わせながら、か細い声で鳴き続けている。

どうやら、つい最近飼い始めたばかりらしい。餌も水も十分に与え、トイレも整えた。なのに一向に泣き止む気配はなく、老人は熱でもあるのかと心配になったのだ。

平蔵はしばらく仔猫を見つめ観察を始める。するとあることに気が付いたーー。

『夜廻り猫』©︎深谷かほる/講談社イメージギャラリーで見る

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