覚悟を決めるも「希望を捨て切れませんでした」

動物病院からもらった長寿の表彰状【写真提供:さくら(@tefu_tefu_cya)さん】動物病院からもらった長寿の表彰状【写真提供:さくら(@tefu_tefu_cya)さん】

 投稿の主役は、23歳で“お空に引っ越し”したシニアねこの「春音(はるね)」ちゃん。カールした左耳がチャームポイントの女の子で、飼い主さんからは愛情を込めて「はるちゃん」と呼ばれていたそう。人間でいえば100歳を超える、まさに長寿ねこでした。

 そんな春音ちゃんは、腎不全を患っていました。投薬や通院を行いながら、飼い主さんのサポートもあって、ここまで長い時間を過ごすことができたのでしょう。

「8月に入った頃から食欲が落ち始め、徐々に食べなくなりました。今思えば、この頃から旅立ちの準備を始めていたのだと思います。それでも、食べないこと以外はいつも通り、自分の足で歩いてトイレに行ったり、家族に甘えたりしていました」

 食欲が落ちてから、春音ちゃんに点滴をするため、飼い主さんは1日置きに病院へ通いました。それでも食欲は戻らず、旅立ちが近いと感じていたそうです。

「歳も歳だし仕方ないと思いながらも、やっぱり、もしかしたら持ち直すかもしれないという希望を捨て切れなかったです」

「ゴールテープを一緒に切ったような気分でした」

飼い主さんが春音ちゃんのために用意したお弁当【写真提供:さくら(@tefu_tefu_cya)さん】飼い主さんが春音ちゃんのために用意したお弁当【写真提供:さくら(@tefu_tefu_cya)さん】

 愛猫の高齢を理解しつつも、最後まで希望を抱き続ける飼い主さんの心境に、共感する人も多いのではないでしょうか。春音ちゃんがまったく食べなくなってからは覚悟も決まり、感謝を伝えたり抱っこをしたりと、特別な時間を過ごすことができたそうです。

「できることは全部したので、亡くなったときは、はるちゃんの“猫生”のゴールテープを一緒に切ったような気分でした」

 この言葉から、深い愛情と、23年間をともに歩んできたはるちゃんへの感謝の気持ちが伝わってきます。飼い主さんは、はるちゃんへの思いをこう語りました。

「うちの子になってくれてありがとうと伝えたいです。はるちゃんのおかげで、この23年間はとても輝いていました。できればなるべく早く、毛皮を着替えて帰ってきてほしいです」

 23年という長い年月をともに過ごした家族への、これ以上ない愛情が込められた、心温まるメッセージです。きっとはるちゃんも、お空から飼い主さんの愛情を感じ取っていることでしょう。

○取材協力:さくら(@tefu_tefu_cya)さん

(Hint-Pot編集部)

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