迷い猫に遭遇した時は
2020年に一般社団法人「ワタシニデキルコト」(ワタデキ)を設立した動物保護活動家・坂上知枝さんに、これまで出会った保護犬猫とのエピソードを語っていただく本連載。前回は「地域猫」を取り巻く環境や、野良猫の数を減らし、地域におけるトラブルを減らすために、野良猫を捕獲器などを使って捕獲(Trap)し、不妊・去勢手術(Neuter)を行い、元の場所に戻す(Return)活動──、TNRの必要性について紹介した。
「記事が出た後、いろいろな感想をもらいました」と坂上さん。「近所で地域猫を目にしたら何ができるのか」といった相談もあったそうだ。そんな折、ワタデキの公式HPの制作等をサポートしてくれているさやかさんが迷い猫に遭遇。さやかさんは初めて猫の保護活動を体験したという。
「自分が迷い猫に遭遇した時の参考にもなると思うのでぜひお話させてください。
最近のことです。
さやかちゃんから、『近所で猫がうろうろしているのを目にしました。周りの人に聞いてみると、2週間ほど前から、2匹の猫を見かけるようになったそうです』と相談を受けました」と坂上さん。
さやかさんによれば、「このあたりは犬を飼っている人が多く、散歩の時に目にしていた人もいたとか。みなさん、気になってはいるけれど、どうしたらいいかわからないといった状況だったようです」とのことだった。
見つけて気にはなっても、自分に何ができるのかと、手を出しかねるのだろう。写真提供:ワタシニデキルコト
「2匹の猫はどちらも人懐こく、キレイな状態だったそうです。『捨てられたか迷子かと思うのですがどうすればいいでしょう?』とさやかちゃん。送ってくれた写真を見ると確かにとてもキレイ。耳カットがされていない茶トラと白グレーの成猫でした」(坂上さん)
都会の住宅街で発見した2匹の猫は、とてもきれいで落ち着いていて、人を恐れるところはなかったそう。写真提供:ワタシニデキルコト
さやかさんから電話で相談を受けた坂上さんは、「保護して飼い主を探す。現れなければ里親探しね」と答えた。保護活動を行ったのは、さやかさんと、たまたま現場を通りかかったAさん、そして、もうひとりやはり現場で出会ったBさんの3人だ。
Aさんは、「数日の預かりならできますよ」と申し出た。
「警戒心が強くて」捕まらない時は
捕獲活動中、「茶トラの子はすぐにキャリーに入ったのですが、白グレーの子は警戒心が強くて苦戦中です」と、再度さやかさんから報告が入る。そこで、「妹の家にある捕獲器を取りに来てもらうことにしました」(坂上さん)。
茶トラの子はすぐにキャリーに入ったのだが……写真提供:ワタシニデキルコト
「捕獲器の使いかたを説明をする際に『匂いの強いものを置いてね』と言うと、『からあげクンですよね、妹さんに教えてもらいました』とさやかちゃん。さすが妹。よ~くわかってます(笑)。
しばらくして、『いけました!からあげクンすごい!』と連絡がありました」(坂上さん)
捕獲機を使う時は、網に爪がひっかからないよう、また見た目にも警戒されないように、底や周囲は新聞紙やタオルで覆うといい。写真提供:ワタシニデキルコト
警戒心の強い猫でも普段食べていないような、魅惑的な匂いの強いものには惹きつけられてしまうということで、保護、捕獲時のマストアイテムらしい。
