動物介在活動 いやしと笑顔に期待

 長期入院している子どもや家族に、犬とのふれあいで心をいやしてもらう取り組みが、和歌山市紀三井寺の県立医科大学附属病院で始まった。初回の7月29日㊋、訪問活動犬が同病院小児医療センターを訪れ、楽しみに待っていた子どもと笑顔のひとときを過ごした=写真。

 同センターには小児がんや摂食障害などで治療中の子どもが入院している。大人に囲まれる病院生活が長引くと、年齢に応じた経験が不足し、子ども同士の関わりから生まれる社会性などが得られにくくなるという。

    チャチャをなでる中西茉愛さん㊨

 同病院では子どもたちの発達に役立てることを目的に、犬とのふれあいを楽しむ「動物介在活動」を導入。ストレスの軽減や精神的安定をもたらし、患者や家族が笑顔になれる場を設けた。

 この日、やって来たのは、雑種でオス7歳のチャチャ。元保護犬で、日本動物病院協会和歌山チームリーダーの石田千晴さんが引き取り、子犬のころから育ててきた。

 白血病で入院中の中西茉愛(まや)さん(3)は、プレイルームでお出迎え。最初は緊張した様子だったが、次第に慣れ、愛おしそうに何度もやさしくチャチャの頭や背中をなでていた。母親のさゆりさんは「私自身も、とてもいやされました。子どもと一緒に穏やかな時間を過ごせてうれしかった」と顔をほころばせていた。終了後、茉愛さんは「ワンちゃんすごくかわいかった。また一緒にお散歩したり、遊びたい」とにこやかに振り返った。

 同センターの東山好美看護師長は「このようなふれあいは、入院中の子どもや家族はもちろん、医療従事者にとってもよい影響があると思う。今後は院内の高齢者や精神科の患者さんにも活動を広げていければ」と望んでいる。  

 今年度の訪問活動犬の実施は、計8回予定している。

(ニュース和歌山/2025年10月4日更新)

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