11年連れ添った仲間を失くした犬

FRaU web 編集のスタッフから、飼い犬について、こんな相談を受けた。
「3年ほど前に、実家で飼っていたキャバリアのロコ(メス14歳)が亡くなり、一緒に飼っていたトイプードルのチョコ(オス当時12歳)の行動に変化が見られました。
ペットシートをぐちゃぐちゃに噛み切ったり、クンクンと啜り泣いてみたり。

以前、2匹一緒に散歩させていた時は、チョコは飼い主の顔を見上げながら、ぽわぽわと歩くことが多かったのですが、1匹になってからは、散歩中に何かのにおいを辿るようにしたかと思うと、猪突猛進的にグイグイと引っ張るように走り歩きして、飼い主を見ることもなくなって……。

これまで2匹はずっと一緒に暮らしてきたので、いなくなった寂しさからなのだと思うのですが、飼い主としてはどうしてあげればよかったのでしょう? 

ちなみに最近では、年齢(15歳になりました)のせいもあるのか、家族の中でもメインの飼い主である兄への依存が激しくなった気がしています。以前は誰に対しても人懐っこかったのに、最近では名前を呼んでもスルーされ気味です」

相談者の犬、チョコちゃん。

東京大学、および大学院で獣医学を学び、在学中にカリフォルニア大学デービス校付属動物病院にて行動治療学の研究をされた高倉はるか先生がペットのお悩み相談に答える連載。

今回はFRaU web編集者の実家で飼う高齢の犬の行動の変化に、どんな意味があるのかについてうかがった。はるか先生のインタビューでお伝えする。

加齢とストレスで犬がボケることも

犬にとって、同居する家族は群れの仲間です。ご家族が心配されているとおり、チョコちゃんはロコちゃんの姿が見えなくなって、不安になったのだと思います。
2匹の年齢が近く、そして11年も一緒に暮らしていれば、互いに一緒にいることが当たり前になっていたはず。なぜロコちゃんの姿が見えなくなってしまったのか、理解できないのでしょう。
チョコちゃんのそうした行動は、ロコちゃんの死後数週間経ってからとあるので、いつもの風景、いつもの関係性とは異なる「変化」を感じているのだと思います。

チョコちゃん(左)と亡くなったロコちゃん。

一方で、亡くなった当時、チョコちゃんが12歳と高齢であったことも気になります。
人間同様、犬も年をとると、環境の変化がストレスになり、対応しきれずに異常な行動をとったり、ボケてしまうことがあります。

Write A Comment

Exit mobile version