サッカー日本代表は現地時間9日のアメリカ代表戦、0-2で敗戦した。NHKなどの中継に映らなかった裏側を現地で取材したミムラユウスケ氏に電話で聞いた。〈NumberWebレポート/全2回。第1回につづく〉

“メキシコ戦後の時差発生移動”という課題

――今回の日本代表アメリカ遠征は現地時間6日のメキシコ戦がカリフォルニア州オークランド、9日のアメリカ戦がオハイオ州コロンバスで行われました。来年のW杯本大会でも時差が生じる長距離移動があり得る中で……メキシコ戦について「時差は影響しました」と語っていましたが、ご自身も体験する中で、具体的にどう感じましたか?

「基本的に西から東に行くのが人間の体には堪えると言います。今回の試合が行われた両都市には3時間の時差がありました。つまり、西から東に行くと到着した〈1日が21時間〉、東から西だと逆に〈1日は27時間〉になる。だから、逆への移動と比べると使える時間が実質6時間違う感じなんです。これは結構しんどかったんじゃないかなっていうことがまず1つあります。時差についてプラスで言えば、このしんどい経験をすれば、本大会では『あの時より楽だ』と思えるはず。あと……メキシコ戦後のスケジュールが本大会を見据えた際の課題となるのでは、と」

――スケジュールの課題について、具体的に教えてください。

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「今回はメキシコ戦翌日の午前中に出て、現地の夕方に着くチャーター便を使いました(飛行時間は4時間半ほど)。だけど短期間での活動における練習やコンディションなどを考えるのなら、試合後の深夜にチャーター便ですぐ飛ぶ、という選択肢もあったのでは、と。例えば深夜2時にオークランドを離陸したら、現地の朝9時半にはコロンバスに到着する。そこから仮眠を取って、18時から1時間だけ練習できたと思います」

もう1日、練習日を確保できていれば

――W杯アジア予選などはホームゲームでナイターをやった後、アウェー戦に向けて試合後すぐのフライトで移動するケースも多いです。

「チャーター便だったので、今回もできる可能性はあったと思うんですけどね。まあ、使用する空港が24時間運用可能かどうかだったかなどの条件などはわからないですし、調理環境と試合後の栄養補給との関係を考慮したのかもしれません。ちなみに、その辺は森保一監督も試合後『申し訳ない』と言ってましたけど、選手の実力を出しきれない、疲れが出てしまうスケジュールになっていたのかもしれないです。後半0-2になってからかなり攻め込まれたのは、アメリカとのコンディションの差はあったでしょうね。

――そういえば、アメリカのスケジュールは把握していませんでした。

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