フィンランドの首都ヘルシンキが、犬を対象としたユニークな観光ルートの提供を開始したようだ。
世界で最も幸福な国として知られるフィンランドだが、その首都では人間だけでなく、共に暮らす犬たちのためのアトラクションが整備されているという。
犬のスケールで再構築された観光名所
『Creative Boom』によると、ヘルシンキ市が新たに立ち上げたのは『The Doggy Route to Happiness』と名付けられた、世界初をうたう犬専用の市内観光ルート。
このルートでは、市内の有名なランドマークが犬のスケールで再構築されている。
その一つが、市の象徴的なシベリウス・モニュメントを4分の1サイズで再現した「Stickelius Monument」。地元の保護犬が集めた棒を使って作られたという。
また、海辺には犬用のポップアップカフェ「Café Dogatta」が設置され、犬専用サイズのフォトウォールも用意されているとのこと。
さらに、24時間利用可能な犬専用の島「Rajasaari Island」もあり、犬たちはビーチや森を自由に駆け回ることができるようだ。
市全体に広がる犬への配慮
ヘルシンキ市には約4万匹の犬が暮らしており、このような取り組みは今回が初めてではないらしい。
市内には90以上のドッグパーク、複数のドッグビーチ、そして50ヘクタールもの犬用森林が存在する。多くの店舗やカフェ、レストランで犬の同伴が許可されており、公共交通機関も犬は無料で利用できるという。
Helsinki PartnersのSoila Lehkonen氏は『Creative Boom』に対し、「ペットは幸福度を高めます。私たちは、犬の飼い主と犬が一緒に楽しめる場所にアトラクションを作りたかったのです」と、このプロジェクトの意図を語っている。
徹底した犬目線のプロモーション
この観光ルートのマーケティングも、犬を中心に考えられているようだ。
広告看板は犬の目線の高さに設置され、ポスターには犬の興味を引くために特別に調合された香りのスプレー「Le Pipi」が使われたとのこと。
また、犬のインフルエンサーを対象としたイベントも開催され、犬用の「ビール」や、犬をリラックスさせる効果が科学的に証明されているという音楽が提供されたらしい。
市民の生活の質の高さで知られるヘルシンキにおいて、人間以外の動物にもその配慮が及んでいることがうかがえる事例と言えそうだ。
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