応援メッセージを寄せてくださっているリタイア犬ヨアンのボランティア宇山さんが、先日ヨアンの元パートナーである篠原さんのお店を訪れたとのことです。
そこで今回の活動報告では、現在も盲導犬ユーザーである篠原さんから、リタイア犬ヨアンや宇山さんに対する想いと再会の際に感じたこと、そして応援をしてくださる皆様へのメッセージなどをお聞きしました。
少し長文ですが、篠原さんの想いがたくさん詰まった文章、是非最後まで読んでいただけますと幸いです。
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【ヨアンとの再会について】
彼女が引退してから、今回2度目の再会となりました。1度目は、彼女が肝臓の病気を患った後、その病気が完治してから、そして今回は、私が生駒で営んでいる、指圧マッサージのお店に、宇山さんがヨアンを車で乗せてきてくれての再会となりました。
15歳になった彼女は、今年の5月末ごろから、後ろ足に力が入らなくなり、自力で歩行したり、立ち上がったりすることが難しくなってきたとのこと。お店のドアを開けた瞬間、立ち上がることが難しい彼女が、一生懸命立ち上がろうとしていたように私は感じ、そんな愛しい彼女を見ていて、いろいろな感情が巡りました。初代の大切なパートナーに出会えたことへの感動と喜び、そして、歳を重ねるということを痛感した衝撃と寂しさ。何より、肝臓の病気で余命を宣告された時も、自力歩行が難しくなり大好きなお散歩ができなくなった時も、治ることだけを信じて治療に専念し、車椅子を借りて少しでも自力歩行やお散歩が出来るようにと愛情を注いでくれている宇山さんに感謝の気持ちでいっぱいになりました。
【ヨアンの盲導犬時代、あれこれ】
顔が可愛らしい彼女は、女子高校生や女子大生、とにかく女性から、可愛い!と黄色い声援をいただくことが本当に多かったように感じています。私も自分がかっこいいと褒められていると都合よく解釈し、自慢げになっていたことを懐かしく恥ずかしく思い出します。
また、女の子特有なのか、新幹線や電車、バスや会議中など、待機することがとても得意な子で、その体の柔らかさから、私の足元で待ってくれている時、何より、私自身がストレスなく、会議や移動時間を過ごせていたこと感謝しています。
【リタイア犬ボランティア宇山さんへのメッセージ】
この場を借りて、ヨアンを受け入れてくださり、そして深い深い愛情と優しさで彼女を見守っていただき、感謝の気持ちしかありません。
繁殖からパピーちゃん、盲導犬になった子もならなかった子も、そして引退してからも、たくさんの方がその犬たちに真摯に向き合ってくださっています。今の自分があり、そして仕事があり、生活できている事は、こうした皆さんの支えがあるからこそだと強く強く痛感しております。
ヨアンには、育ててもらった大好きなママとパパに囲まれて、大好きなご飯やフルーツ、お散歩をずっとずっと楽しんでほしい、そして穏やかに過ごしてほしいと心から願っています。
【支援者の皆様へ】
今私と歩みを共にしてくれているパートナーは、フーゴと申します。
皆様の温かい想い、そしてご支援が、私とフーゴの生活を包み込み、後押ししてくださっています。
そのようなご支援のおかげで毎日一緒にお店まで出勤でき、また欠かすことの無い1日2回のお散歩のおかげで、私も健康を保つことができております。
また、お出かけに至っては、障害物を上手に避け、人混みの中でも私が人と接触しないよう気をつけながらすいすいと歩いてくれますので、出かけることへの意欲、そして楽しみを見出すことができています。
フーゴは、お店の看板犬としても大活躍してくれていて、たくさんの方がお店に足を運んで下さり、遊んだり可愛がったりしてくれています。彼の存在は、私たちの生活や日常を豊かにしてくれていて、感謝しかありません。
これまでご支援くださっていた皆様、また今回のクラウドファンディングをきっかけに関西盲導犬協会をお知りになった皆様とも、お一人お一人といろんな話をして、感謝の気持ちと盲導犬についてのあれこれを、フーゴともども語り合いたいほどです。
今後も、募金活動や、関西盲導犬協会のイベントなどでお目にかかることもあるかと思いますが、お声掛けいただけますと大変嬉しく思います。
皆様の温かいご支援に支えられて、これからも前向きに歩いていきたいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
関西盲導犬協会ユーザー 篠原智也 フーゴ