愛犬の健康は、何よりも大切。そう考える飼い主は93%にものぼる。しかし、その一方で67%もの飼い主が、愛犬の歯磨きを十分にできていないと罪悪感を抱えている。

この理想と現実のギャップに応えるべく、ニューヨーク発のドッグフードブランドSpot & Tangoが、画期的なデンタルケア製品を開発した。

ご褒美が叶える7日間の口臭ケア

2025年6月3日、Spot & Tangoは『PupGum』の発売を発表した。

これは、特許出願中のポストバイオティクスを配合し、わずか7日間で口臭を軽減することが臨床的に証明された、初めての犬用デンタルチューだという。

『PupGum』の革新性は、抗菌作用を持つ発酵物、息を爽やかにするスピルリナ、抗炎症作用、そして歯垢を物理的に削り取る亜麻仁という、4つのアプローチを一つに凝縮した点にある。

これにより、歯垢の原因となる口腔内のバイオフィルムを平均98%破壊し、口臭の元である揮発性硫黄化合物を50%中和する効果が確認されているようだ。

Spot & Tangoの創業者兼CEOであるRussell Breuer氏は、「2年にわたる開発と厳格なテストを経て、日々の苦闘であった犬のデンタルケアを、楽しいご褒美の時間へと変える製品を発表できることを嬉しく思います」と語る。

既存の製品が症状を隠すだけなのに対し、PupGumは根本原因に直接アプローチする初めての製品だと、その自信をのぞかせた。

© Spot & Tango

見過ごされてきたデンタルケアの重要性

この製品が登場した背景には、犬の口腔衛生における深刻な問題がある。Spot & Tangoが1,900人の飼い主を対象に行った調査では、3歳以上の犬の実に90%が歯周病に罹患しているという実態が明らかになった。

さらに、同調査で取材した100人の獣医師は、飼い主にもっと実践してほしいウェルネス習慣として、定期的なデンタルケアを第一に挙げている。

同社のアドバイザーも務める獣医師のDr. Stephanie Liff氏は、「犬の口腔衛生状態が悪いと、口臭だけでなく、心臓病や腎臓病といった深刻な全身疾患につながる可能性があります」と警鐘を鳴らす。

PupGumは、犬が喜んで食べるというコンプライアンスを確保しながら、歯周病の根本原因である歯垢や歯石の形成を防ぐ手助けをする点で、予防ケアにおける大きなブレークスルーだと評価している。

ペットウェルネスの新たな潮流

『PupGum』の登場は、ペットケア市場における大きなトレンドを象徴していると考えられる。それは、ペットを家族の一員とみなし、人間と同等の品質や科学的根拠を求める「ペットのヒューマナイゼーション」という潮流だ。

事実、アメリカのペットデンタルヘルス市場は拡大を続けており、飼い主はより効果的で使いやすい製品を求めている。

これまでも、プロバイオティクスを配合したサプリメントや、特定の効果を謳うデンタルガムは存在した。

しかし、PupGumのように「ポストバイオティクス」という新しい成分に着目し、「7日間で口臭を軽減する」という具体的な効果を臨床試験で証明して市場に投入する例は珍しい。これは、飼い主の漠然とした不安に対し、科学的根拠という明確な価値で応えようとする姿勢の表れではないか。

愛犬の健康を願いながらも、日々の歯磨きに手こずり、罪悪感を覚えていた飼い主にとって、この製品はまさに救世主となるかもしれない。

Top image: © Spot & Tango

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