犬の皮膚トラブル 特別診療 前橋市内の「おおとね動物病院」 愛知のクリニックと提携

脱毛症状があるフレンチブルドッグを診察する(左から)平川さんと高梨さん=前橋市大利根町で

 前橋市大利根町の「おおとね動物病院」が、犬の皮膚科診療で定評がある愛知県のクリニックと提携して、皮膚科の特別診療が受けられる態勢を整えた。受診する犬の病気・症状では皮膚トラブルが最も多く、専門医の支援が得られる病院が群馬県内にできたことは愛犬家にとって朗報だ。(平井剛)

 おおとね動物病院が提携したのは、犬の皮膚科および行動診療に特化した愛知県豊明市の「四季の森どうぶつクリニック」。動物病院の高梨啓院長(50)とクリニックの平川将人院長(47)は宮崎大農学部獣医学科時代の同級生。累計10万件の皮膚科症例実績があり、既に複数病院と提携している平川院長に、高梨院長が協力を求めた。

 高梨院長は「犬の疾患の中で皮膚トラブルの症例は最も多く、原因は多岐にわたる」と説明。一般診療では改善が難しい症例も多いため、豊富な治療実績を持つクリニックと提携し、平川院長の支援を受けながら多角的な視点で診断・治療を展開していくという。

 また、獣医学部のある大学や大学付属の動物病院がない群馬県内特有の事情も指摘し、「(高度な医療を行える)二次診療施設の紹介が難しい側面もあって、今回の提携をお願いした」と述べた。

 犬の皮膚トラブルはかゆみや湿疹、脱毛などさまざま。平川院長は原因として食べ物や飼育環境の変化、心の乱れなどを挙げ、「人間と同様、食生活による腸内環境の悪化が大きい」とみる。提携病院を全国に増やしていくことで「一人でも多くの飼い主やワンちゃんを救える協力態勢を整えていきたい」と語る。

 脱毛症状に悩む雄のフレンチブルドッグを飼っている高崎市の女性(38)は「平川先生のインスタグラムをよく見ている。先生のサポートが得られる病院が身近にできてありがたい」と歓迎した。

 特別診療を希望する飼い主は、まず四季の森どうぶつクリニックに予約し、オンラインで初診を受ける。その後は、おおとね動物病院で継続診療を受ける形となる。高梨院長は「将来的には初診から継続診療まで全ての特別診療を行うことを目指したい」と話す。

Write A Comment