スイスの銀行UBSグループのアジア太平洋地域社長イクバル・カーン氏は、同行の富裕層顧客は市場や国際貿易が不安定な状況の中、分散投資を目指し、オルタナティブ資産の購入拡大を求めていると述べた。

  カーン氏は28日、UBS主催の会議が開かれた香港でブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、オルタナティブ資産の「需要が引き続き見られる」と指摘した。

  アジア太平洋地域でUBSはウェルスマネジメント最大手で、顧客担当アドバイザーは900人を超えるが、英銀HSBCホールディングスおよびDBSグループ・ホールディングスなどの域内銀行との競争が激化している。

UBSのカーン氏が香港でのブルームバーグテレビジョンのインタビューで語る

Source: Bloomberg

  同氏は「顧客のポートフォリオで、オルタナティブ資産やオルタナティブ投資の大きな伸びが間違いなく見られる」とした上で「ただ、ウェルスポートフォリオ全体の観点から見ると、依然として低めの割合であるため、分散投資の点では恐らく幾らか拡大の余地がある」と述べた。

  グローバルウェルスマネジメント部門の共同社長も務めるカーン氏は、金利の低下を見込む一方で、スタグフレーション的な環境になる可能性があると引き続き予想している。同行の市場部門は1ー3月(第1四半期)に、地政学的混乱によるボラティリティー上昇とトレーディング増加を受けて、過去最高の業績を記録した。

  「金利は低下する見込みだが、そのタイミングが問題だ」とカーン氏は述べた。

原題:UBS’s Khan Sees Rich Customer Demand for Alternative Assets(抜粋)

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