高島)ここからは、政府が打ち出した制限緩和の案と給付金などの対策について、政府分科会のメンバー小林慶一郎さんに伺います。

●行動制限緩和どうなる?

高島)まずは今月19日にも決定する行動制限の緩和についてみていきます。

板倉)現在、飲食店には時短要請もなく、酒の提供にも制限はありませんが「5人以上の会食は避けること」となっています。それがさらに緩和されると、人数制限がなくなります。さらに、再び「緊急事態宣言」になったとしても認証店は午後9時までの時短要請となるものの酒の提供は可能で「ワクチン・検査パッケージ」を活用すれば人数制限がなくなります。

高島)小林さん、政府のこの緩和策、いかがでしょうか。

小林さん)ワクチンが普及し感染も収まっているということである程度、経済や社会が正常化していくことは正しい方向。コロナがこれまでのような特別な存在でなくなりつつあるということだと思います。

高島)「緊急事態宣言」下でもワクチン・検査パッケージを利用すればお酒も提供できて、人数制限もない。これまでとは大きく違いますよね。

小林さん)大きく変わるので、それはいいことだが、感染が今後増えてきたときのことをしっかり考え、準備しないといけない。第5波の時の経験で言うと人流が下がらなくても、感染が急激に減った。これがなぜかということ。もちろんワクチン普及もあるが、人々が医療ひっ迫の情報を報道番組で知り、気を付けるようになった。それで感染が収まったと思う。「医療ひっ迫が起きそうだ」という危機感をしっかり情報提供することが第一。その次に必要であれば「人流制限」などをやっていく必要がある。「ワクチン・検査パッケージ」でこれだけ自由な活動ができることがインセンティブになる。ワクチン接種率を上げために「ワクチン・検査パッケージ」をつかって、ワクチンを接種したくなるような環境づくりが必要だと思う。

高島)今の2回目のワクチンの接種率は、74.7%世界的に見ても高いですよね?

小林さん)感染が拡大してくると、いまの韓国のように重症者が出て、医療がひっ迫し、大変なことになるので、ワクチン接種率は”高ければ高い方がいい”ということ。もっと高い接種率を目指すことが必要。

高島)一方、「GoToトラベル」について政府は、来年2月をめどに再開したいと検討していますが、どうして来年2月なんでしょうか?

小林さん)年末年始の感染状況の様子を見たいということだと思う。専門家もクリスマスやお正月のような”恒例のイベント”があると必ず感染が広がるというふうに見ているので、年末年始は「要警戒」だということ。それを超えたあとの2月ということだと思う。またワクチン3回の接種、飲み薬がしっかり普及するかどうか。そういう時期を考えると2月が妥当ということではないかと思う。

●給付金などの対策は?

高島)続いてのテーマは、給付金の対策についてです。

板倉)まず給付金の10万円は、子育て世帯や、生活困窮世帯、経済状況が厳しい大学生などに支給するとしています。その他には、中小企業には最大250万円支給、看護師や保育士などの給料アップなども盛り込まれています。

高島)小林さん、給付金については、子育て世帯だけでなく生活困窮者、また経済状況が厳しい大学生などにも10万円支給するとしていますが、給付金については、どう思われますか?

小林さん)政策の方向性としてね、分配にもっと重点を置こうという岸田政権の考え、これは私は正しいやり方だと思うんですね。経済学の研究やあるいは国際機関のデータなどを見ましても、格差が拡大している国では経済成長率も低いということが分かってます。
だから格差を是正することによって実は経済成長率もそのあと上がってくる可能性があるので分配がうまくいけば経済成長が高まるとこういう好循環が生まれる可能性が高いと思いますね。
高島)960万円という所得制限についていかがですか。

小林さん)960万円がちょっと制限が高すぎるので本当にお金が必要な所にピンポイントでお金が行くということが重要。960万円だと困っていない人たちに対しても給付金がいってしまうとそういう無駄遣いになる可能性がある

高島)本当に困ってる方のところにすぐに行き渡る対策ができるといいんですけどね。

小林さん)ヨーロッパでは政府がマイナンバーのようなものを使って国民の所得を毎月リアルタイムで把握しているのでそういう制度がイギリスではあるが、日本の場合そういうことになってないので誰が今本当にお金に困っているのかどうかと政府が見つけられないんです。誰かれ構わずお金を配るということになってしまう、こういうムダが生まれるのでその辺りの議論もまた進めていく必要があるのかなと思います。

高島)今回は、看護師や保育士などの給料アップも盛り込まれましたが、この点はいかがですか?

小林さん)看護師さんや保育士さん給与が非常に低かったのでこれをこうちゃんと上げていくということは格差是正の観点から重要だと思いますぜひ進めてほしい。ただ国からお金がいってもですね、雇い主の会社の方に収入が入ってしまって本人たち看護師や保育士さんたち本人たちの給与にいかないっていうことがあったんですね。ぜひ本人の給与が上がるようにちゃんと制度設計してほしいというふうに思っております。

高島)そこまで見届けるってことが大事なんですね。ここまで小林さんに話を伺いましたありがとうございました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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