パブリッシャーのtinyBuildが10月28日に配信開始した、質屋経営シミュレーションゲーム『Probably Stolen – Cyberpunk Shopkeeper Sim(以下、Probably Stolen)』が好評を博している。そんなtinyBuildのCEOであるAlex Nichiporchik氏がXで投稿した『Probably Stolen』にまつわるエピソードが話題を呼んでいる。同氏によると、本作を開発したQuesting Goose Studioは本作の前身となるゲームの体験版をSteamで配信していたが、その最大同時接続プレイヤー数はたった“28人”だったというのだ。なお、tinyBuildの公式Xの投稿によれば、『Probably Stolen』は発売してから最初の24時間ですでに販売数35万本、最大同時接続プレイヤー数11万2000人を達成している。

Probably Stolen was initially a game under a different name with a released demo.

That demo peaked at 28 concurrent players.

We loved the concept and gameplay, and worked with the dev to reinvent the visuals and focus on what works design wise. This is the result: pic.twitter.com/eKEWZr7VPS

— Alex Nichiporchik (@aNichiporchik) October 29, 2026

『Probably Stolen』は、ディストピア世界の宇宙ステーション内で質屋を営むゲームだ。ゲーム内は日本語表示に対応している。毎週の賃料の取り立てを支払えるよう、質屋での取引で利益を上げながら、最終的に店を買い取ることが目標となる。

プレイヤーは、質屋として持ち込まれた品物の買取や販売をおこなうが、治安の悪い宇宙ステーション下層での取引は常に危険をはらんでいる。客が買い取らせようとした物品が偽造品である可能性もあり、武器や薬品、密輸品といったリスクの高いものを扱うこともある。こうした品物を拒否することもできるが、リスクを承知で偽造品や禁制品を取り引きして利益を上げることもできる。こうした商売で警察から目をつけられても、賄賂などの手段を使って切り抜けることができるなど、ブラックな世界観が持ち味の作品だ。

また、店には指名手配犯や自我を持ったAIチップに乗っ取られた“AI人間”が現れることもある。指名手配犯は警察に通報することで謝礼金を得られるが、構わず取引することもできる。AI人間はその場で射殺することが認められているが、客がAIに乗っ取られているサインを見逃してしまえば、プレイヤーに危険が降りかかる可能性もある。

この『Probably Stolen』の前身となった作品が『Deepspace Emporium』だ。開発は『Probably Stolen』と同じくQuesting Goose Studioであり、公開されたのは2024年末。当初はセルフパブリッシングをおこなう予定だったようだ。『Probably Stolen』と比べてグラフィックは非常に簡素なつくりになっているが、ゲームのUIには似た部分も見られる。ストアページでは、宇宙ステーション内で店を切り盛りし、グレーな倫理観の中で利益を上げ、賃料を支払うといった要素が説明されており、『Probably Stolen』の根幹となる要素はすでに考えられていたとみられる。また、ストアページで閲覧できる画像の中には、『Probably Stolen』にも登場するキャラクター「Joe Wild」の存在も確認できる。

なお、現在は配信終了しているものの、2025年2月には『Deepspace Emporium』の体験版が配信。同月末から3月頭にかけて開催された、Steam Next フェスの2025年2月エディションに備えて配信されたのだろう。ところがNichiporchik氏によればこの体験版の同時接続プレイヤー数はピーク時でもわずか28人だったという。SteamDBでも同様の数字が確認できる。

Nichiporchik氏らtinyBuildのチームは『Deepspace Emporium』の体験版のコンセプトとゲームプレイを気に入り、開発チームと協力してビジュアルを一新し、デザイン面での機能に重点を置いてゲームを改善。ゲームのタイトルを『Probably Stolen』に変更し、Questing Goose Studioがデベロッパー、tinyBuildがパブリッシャーというかたちでリリースすることとなった。結果として、決して注目作とは言えなかった作品が、販売から一日で販売数35万本、最大同時接続プレイヤー数11万2000人という成功を収めることとなったのだ。

このNichiporchik氏の明かしたエピソードにはさまざまな反応が寄せられており、特に多いのはゲームにおけるパブリッシャーの重要性に着目したものだ。今回のケースは決して目立った作品ではなくとも、パブリッシャーが開発者と協力してゲームを改善し、成功に向かわせた一つの例といえるだろう。また、ゲームを手に取らせるためのアートスタイルの重要性に注目する声もある。『Deepspace Emporium』をQuesting Goose Studioが単独で開発・販売していた場合にどうなっていたかはわからないものの、『Probably Stolen』において変化した部分にはtinyBuildのノウハウも活かされているのかもしれない。。

『Probably Stolen – Cyberpunk Shopkeeper Sim』は、PC(Steam)向けに配信中。リリース記念セールとして、11月12日まで10%オフの1799円(税込)にて購入可能だ。

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