そうだ、走行距離連動型があった

自動車保険である。毎年、この時期に満了となるのだ。参考までに、イタリアには日本にあるような保険の自動更新制度はない。業界内の競争を活性化するため、2013年に廃止されたのである。満了後は自動的に失効するから要注意だ。

わが家のクルマは1.9リッターディーゼルの小型車である。従来加入していたインターネット申し込み型損害保険会社の見積もりは、年間251.80ユーロで、これは前年とほぼ同額である。

ただし、わが家の家計は主に日本からの収入で支えられている。2025年2月の円ユーロ相場は約155円。上の保険料を換算すると、約3万9000円で済んだ。ところが最新のレートで計算すると約4万6000円で、実質7000円も値上がりしてしまったことになる。イタリアに住んで以来、幸い無事故であることから、日本でいうところのノンフリート等級は最も高いのに、とほほである。

そう悩んでいるとき、ふと脳裏をよぎったのは「走ったぶんだけ」という日本の保険会社の広告である。さっそくイタリアにもあるのか調べてみることにした。一括の見積もりサービスなどしようものなら直後からセールス電話とショートメッセージの嵐にさらされるので、生成AIを使って検索する。

すると、唯一ビーレベル(BeRebel)という保険会社が2022年から走行距離連動型を提供していることが判明した。ベンチャー系企業かと思いきや、イタリア屈指の総合保険会社、ウニポールの新ブランドであった。

車検や定期点検時の控えを掘り起こし、わが家の年間走行距離を計算してみると、5300km前後である。月に換算すると400kmちょっとだ。ここ数年の燃料高騰と大都市間の特急列車網の拡充から、取材も含めて移動におけるクルマの使用頻度が減った結果といえる。

さっそく、ビーレベルの公式ウェブサイトにPCから必要な情報を入力してみる。イタリアでは車両情報が民間にも広く共有されている。そのため、どの保険会社のウェブサイトでも登録番号標、すなわちナンバープレートの記載を誕生日などと一緒に入力するだけで、即座に見積もりが出る。

筆者のクルマの場合、基本料金は200kmまで月払いで14.95ユーロ(約2740円)。それを超えると1kmあたり0.0308ユーロ(約5.6円)だ。基本部分を円換算すると1年で約3万3000円である。燃料高騰の昨今、超過部分を使ってしまうほどクルマの使用頻度が上がる月は少ないだろうし、なにより一度の出費が減らせるのがありがたい。ちなみに筆者の場合、年間走行距離を1万kmに設定し直しても料金は変わらなかった。

走行距離を測定するGPS車載機の保証金(解約時に返金)が25.37ユーロ(約4700円)というサプライズはあったものの、必要な入力をすべて終え、リターンボタンを押すと「購入完了。保険証券をメールでお届けします」というメッセージがPC画面に表示された。

ところが、ここから予期せぬ障壁が次々と立ちはだかった。


イタリアの“走ったぶんだけ保険”ビーレベルのPC版公式サイトから。加入はうまくいった。


イタリアの“走ったぶんだけ保険”ビーレベルのPC版公式サイトから。加入はうまくいった。拡大

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