「全てのプロフェッショナル(専門人材)に、2026年6月1日から社内外で使用開始する新たな役職名が通知されます」
6月1日は新たな事業(会計)年度の期首で、同資料によると、同日から有効となる役職名は1月29日に通知される模様だ。
前出の社内ミーティングを主催したのはデロイトのモー・レイノルズ最高人材活用責任者(CPO)で、ミーティングそのものはコンサル部門向けの中身だったが、役職名の変更に関しては、税務・法務や監査・保証など米国内の全部門に勤務するプロフェッショナルに適用される。
2025年5月末時点で、同社は米国内に18万1500人の従業員を抱えている。
デロイトは同じ社内ミーティングで、新たなリーダー職を設置することも明らかにした。
現在、同社における最上級の職位はパートナー、プリンシパル、マネージングディレクター(まとめて「PPMD」と呼ばれる)だが、6月以降はそこに「リーダー」が加わることになる。
デロイトの広報担当にコメントを求めたところ、次のような回答があった。
「当社においては、各部門のプロフェッショナルが有する多様なスキル、担当業務内容をより的確に反映し、顧客ごとに最適化されたエクスペリエンスを提供できるよう、人材アーキテクチャ(構造ないし管理枠組み)のアップデートを進めています」

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こうした役職名の変更や追加の背景にあるのは、デロイトや競合他社の存在意義を揺るがしかねない勢いでコンサル業界に押し寄せるAI普及の大波だ。
AIはコンサルという仕事の性質を根本から変えつつあり、具体的には、長い間温存されてきた人員構成や階層構造、料金体系、顧客がコンサルに求める業務内容などに影響を及ぼしている。
役職名を変更する理由
デロイトは前出の社内プレゼン資料の中で、役職名の変更や追加について、市場の変化に対応するために必要なアップデートと説明している。
「なぜ今なのか?」という根本的な問いの記されたスライドの次に続くのは、現在の人材アーキテクチャが「時代遅れ」であり、このままでは「明日のビジネスを支えられない」とのシビアな現状認識だった。

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同じプレゼン資料によれば、現在の人員構成や階層構造は「従来的なコンサルのあり方の中で必要とされた、より均質的な労働力」を前提に設計されたものだった。しかし「何もかもが変わってしまった」。
デロイトは事業規模、従業員規模を大幅に拡張し、従業員はより個別最適化されたキャリア経験を、顧客は新たなスキルと能力を求めるようになった。
そうした環境変化の中で人材アーキテクチャを再設計することにより、同社は従業員の業務内容と役職名の齟齬を解消、キャリアレベルを明確化し、同じ業務を担う人材には一貫性のある同じキャリア経験を提供できるようにする。
なお、今回の変更は役職名に関するもので、日々の業務や指示系統、報酬に関するフィロソフィーは従来と変わらず維持される。

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役職名変更で何が変わるか
デロイトのコンサルはこれまで、アナリスト、シニアアナリスト、コンサルタント、シニアコンサルタント、マネジャー、シニアマネジャーという職位の階層を経て幹部職へと昇進する仕組みだった。
今回の人材アーキテクチャの見直しを経て、役職名はより具体化され、新たにジョブファミリー及びサブファミリーが付されることになる。
前出のプレゼン資料に登場する例で言えば、現在シニアコンサルタントの従業員の肩書きは、6月1日以降は「シニアコンサルタント、ファンクショナルトランスフォーメーション担当」や「ソフトウェアエンジニアⅢ」「プロジェクトマネジメント・シニアコンサルタント」などに変わる。
社内では、ジョブレベルを示す英数字のコードも割り当てられる。シニアコンサルタントなら「L45」、マネジャーは「L55」といった具合だ。
プレゼン資料の記載によると、こうした具体性を高めた役職名は「透明性を高め、市場との関係性を強化する」ことになるという。

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