コンセプトは「明けの重要文化財」

国の重要文化財「旧奈良監獄」を活用したラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」(奈良県・奈良市)が、2026年6月25日(木)に開業する。客室を紹介するティザー映像が公開され、予約受付が開始された。設計を手がけた建築家の東 利恵が語る特設サイトも公開されている。

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星のや奈良監獄 全景イメージ

明治政府によって計画された五大監獄(奈良監獄、長崎監獄、金沢監獄、千葉監獄、鹿児島監獄)のうち、唯一現存する監獄である本施設が、赤レンガの壁や旧監獄を象徴する放射状の舎房など歴史的な意匠を残しつつ現代的な感性を取り入れた新たなデザインを組み込み、ラグジュアリーホテルへと生まれ変わる。

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寝室

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リビング

日本が開国した明治という時代を背景とし、100年を超える時間を刻んだ旧奈良監獄が、その歴史が明けラグジュアリーホテルとして始まる新たな時間を「明けの重要文化財」というコンセプトとして表現している。客室は独居房10房分を繋ぎ合わせプライベートな一室とする贅沢な造りで、漆喰で覆われていた壁の下に現れた100年を経た手積みのレンガ壁、新たな時代の建築を支える太い鉄柱、そしてウッドパネルの調和は、重要文化財の歴史に現代を重ねた美しい融合を見出している。全室スイートルームで、寝室・リビング・ダイニングなどスペースを分けることで、滞在シーンに応じた多彩な寛ぎを演出している。

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ディナーコース(イメージ)

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ラウンジ(イメージ)

別棟のダイニングでは、西洋から伝わった伝統の技法に、日本人の感性で進化した日本のフランス料理が楽しめる。

重要文化財「旧奈良監獄」adf-web-magazine-hoshinoya-nara-kangoku-6

旧奈良監獄 外観

旧奈良監獄は、不平等条約解消と司法の近代化を目指し、国の一大プロジェクトとして1908年(明治41年)に建設された。設計者は、数多くの裁判所や監獄の建設に関与した山下啓次郎。明治政府が国の威信をかけて取り組んだ監獄の近代化によって建てられた秀麗なレンガ建築には、明治政府の不平等条約解消への悲願と建築技術が集結されている。ハヴィランド・システムと呼ばれた建築が取り入れられた施設棟は、看守所を全体の中心に複数の棟が放射状に伸びており、今⽇に至る⽇本の「近代監獄」を象徴する建物となっている。100年以上に渡りその役割を全うした旧奈良監獄は、歴史的価値が高く意匠的にも優れた近代建築であるとして、2017年(平成29年)に重要文化財に指定された。

「星のや奈良監獄」概要

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