2026年に入り、ベネズエラ問題に続いてトランプ大統領による「グリーンランド買収」構想が再び注目を集めています。他国の領土を金銭で取得するという発想に、違和感を覚える人も少なくないでしょう。しかし、米国の歴史をひもとくと、領土拡大は武力だけでなく「買収」によって進められてきたという側面があります。しかもそれは、単なる土地の取得にとどまらず、法制度や文化までも引き継ぐ結果をもたらしてきました。『富裕層が知っておきたい世界の税制【大洋州、アジア・中東、アメリカ編】』の著書がある矢内一好氏がグリーンランド問題を理解するために、米国の領土買収の歴史を振り返ります。

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買収後も残る法制度と文化

領土の主権が移転した後も、買収前の国が有していた法制度や文化が一定程度引き継がれる例は少なくありません。香港に英米法の影響が残ったのと同様の現象が、米国の領土買収においても見られます。

 

米国の領土拡大の歴史のいくつかを紹介すると、1803年、米国はフランス領であったルイジアナを6,000万フラン(約1,500万ドル)で譲り受けました。現在でもルイジアナ州には、ニューオーリンズを中心にフランス文化の影響が色濃く残っています。

 

1848年には、米国とメキシコの戦争が行われ、その結果、カリフォルニアおよびニューメキシコが1,500万ドルで米国に割譲されました。これらの地域では、割譲前のスペイン・メキシコ法の影響により、夫婦共有制が採用されていました。夫婦別産制を前提とする東部州と、夫婦共有制を採る州との間で税制上の不整合が生じたことから、所得配分の差異を調整する目的で、現在の夫婦合算税制が導入されることになりました。

中央大学大学院商学研究科修士課程修了。昭和50年東京国税局に勤務、平成2年退職。産能短期大学助教授、日本大学商学部助教授、教授を経て平成14年中央大学商学部教授(平成30年退職)。税務大学校講師、専修大学商学研究科非常勤講師、慶應義塾大学法学研究科非常勤講師、新潟産業大学経済学部非常勤講師、武蔵大学経済学部非常勤講師を歴任。

著書に『国際課税と租税条約』(ぎょうせい、第1回租税資料館賞受賞)、『租税条約の論点』(中央経済社、第26回日本公認会計士協会学術賞)、『移転価格税制の理論』(中央経済社) 、『詳解日米租税条約』(中央経済社)など。

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