はらぺこライターの旅人間です。今回は、福井県坂井市の雄島で見られる、少し神秘的な自然現象を紹介したい。
それが「クラウンシャイネス」だ。この島では条件が合いやすく、天候が良ければ比較的高い確率で目にすることができる。静かな森の中に現れるその光景に思わず足を止めて見入ってしまう。
その光景は、「坂井市の公式アカウント」による動画を見てほしい。
雄島は、東尋坊の沖合に浮かぶ小さな島で、朱色の橋を渡って行くことができる。地元では「神の島」とも呼ばれている。
島全体はヤブニッケイの樹木に覆われており、見上げると樹冠には特徴的な様子が見られる。枝葉は互いに重なりすぎることなく、一定の間隔を保ちながら広がっている。これは、光を効率よく取り込み、風通しを良くするために、樹木同士が適応してきた結果だと考えられているそうだ。

島内で見れるポイントは、この大湊神社の本殿前。ここは航海や漁業の守護神として信仰されてきた神社で戦国大名・朝倉義景が一門の祈願所と定めたが、織田信長の兵火により社殿は焼失したという歴史を持つ。
現在の本殿は、徳川時代に福井藩2代藩主・松平忠直公が再建したもので重要文化財に指定されている。

歴史好きな人に教えたい情報が一つある。それは本殿近くにある石碑に、ある戦国武将の名が刻まれていることだ。

それは「源光秀」の文字。
この石碑は、朝倉義景に仕えていた時代の明智光秀(源光秀)が詠んだとされる漢詩を後世の人々が石碑として建立したものだとか。

しかし、浜風に風化し破損しており、その側には大理石の新しい石碑が寄進再建されている。こちらを見ると内容までしっかり見ることができる。

ここには、次のような漢詩が刻まれている。
神島鎮祠雅興催 扁舟棹処上瑤台
蓬瀛休向外尋去 萬里雲遥浪作堆
正直なところ、漢詩は難しくて、ぱっと読んでも意味は分からない。
そこで参考にしたのが、「大湊神社の公式サイト(外部リンク)」に記されている解説だ。以下はその一部である。
「神様がいるような雰囲気の島の神社の雅な趣きにさそわれて、私は小舟にさおさして立派な仙宮に参ることができました。ここに参れば昔いわれた神様や仙人が住んでいられると伝えられる蓬莱(ほうらい)瀛洲(えいしゅう)の地を尋ねる必要もないだろう。 なぜなら捜しに行っても万里の雲路も遥かに遠く、海も浪が高いから。」
こうして意味を知ると、雄島がただの島ではなく、この時代からすでに「神の島」として特別な存在だったことが、よく伝わってくる。

つい何でも歴史ロマンに結びつけて考えてしまうのだが、明智光秀も、ここで同じ景色を見ていたのだろうか。もしかすると、この場所で「クラウンシャイネス」のような光景を目にしていたのかもしれない。
いやいや、今からおよそ450年前の話だ。樹木の茂り方も、島の環境も、現代とはまったく違っていたに違いない。
それでも、遠くに見える東尋坊の迫力ある景色とは対照的に、この島は驚くほど穏やかで落ち着いている。本当に、心が静かになる場所だ。
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