トラックドライバー不足が深刻だ。2030年には20万~30万人が不足し、物流の4割が運べない可能性が指摘されている。そこで政府は外国人労働力に着目、在留資格「特定技能」に「自動車運送業」を追加した。だが、呼び寄せた外国人材がすぐに働けるわけではない。日本語能力、運転技術、物流業界の商慣習と高いハードルがある。そんなハードルを乗り越えようと複数の企業が動き出した。物流の最前線を取材した。(文・写真:ジャーナリスト・刈屋大輔/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
日本の外食産業を支える外国人ドライバー
午前8時、神奈川・湘南エリアの車両基地。夜勤を終えて、帰還してくるトラックドライバーたちの中に、3人の外国人の姿があった。
中国出身の王福海さん(34)、米国出身のロス・ニノ・サンチェズさん(33)、ベトナム出身のグエン・タイン・ルアンさん(32)。彼らは、ダイセーホールディングスグループ(東京都)傘下で食品物流などを手がけるイズミ物流(東京都)に所属する外国人ドライバーだ。
彼らの出勤時間は午後8時。点呼や車両チェックなどを済ませると、2トン車や3トン車のハンドルを握り、取引先の物流センターに向かう。
食品や日雑品などを載せたカゴ型の台車を積み込んだ後、担当エリア内の外食チェーンの店舗を複数巡回し、夜間納品していく。それが終わると、物流センターに戻り、再び荷物を積んで出発し、同様の作業を繰り返す。1日2便のルート配送だ。
イズミ物流では2024年夏以降、外国人ドライバーの採用を本格化している。同社には2025年11月末時点で外国人ドライバーが18人在籍し、このうち独り立ち(ワンマン乗務)しているのは、上記の3人を含めた計4人だ。
当初、外国人ドライバーたちは日本での仕事に戸惑ったという。
グエンさんは「トラックをバック(後進)させて駐車したり、配送ルートを覚えたりすることに苦労した」と言い、王さんは「狭い道路での運転や、納品先でコミュニケーションを取るのが難しかった」と振り返る。
外国人ドライバーたちを率いる遠藤幸伸チームリーダーは、彼らの働きを上出来と評価する。
「数カ月で運転や接客の技術が上がり、日本人ドライバーと変わらない働きぶり。お客様からのクレームはゼロ。貴重な戦力として活躍している」

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