
ウクライナ和平案を巡る協議に参加した米・ウクライナの代表団メンバー。スイス・ジュネーブで2025年11月23日撮影。REUTERS/Emma Farge
[キーウ/ジュネーブ 24日 ロイター] – 米国とウクライナは24日、ロシア・ウクライナ戦争終結に向けた計画を巡る相違点の縮小に取り組んだ。スイスのジュネーブで前日に行った協議では、ロシアに大きく譲歩した内容だとしてウクライナや欧州諸国が懸念を示していた米国の当初案を修正することで合意した。
米国とウクライナは23日の協議後、「更新、改良された和平の枠組み」を策定したとする共同声明を発表。具体的な内容は明らかにされていないものの、欧州は慎重ながら歓迎する立場を示した。ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、米国が策定した和平案を巡りジュネーブで協議を行っていた交渉団が報告のためウクライナに帰国すると述べた。
トランプ米大統領は「ロシアとウクライナの和平交渉で大きな進展を本当に得られるのか?信じるのは早いが、良いことが起きている可能性がある」と自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿。進展があったと示唆した。
ホワイトハウスのレビット報道官は、依然として幾つかの相違点が残っているとしつつ、「解決できると確信している」と述べた。その上で、トランプ大統領はできるだけ早期の合意を望んでいるものの、現時点でゼレンスキー大統領との会談は予定されていないとした。ゼレンスキー氏はビデオ演説で「ジュネーブでの協議後、和平案の項目数は28項目から減り、多くの正しい要素が盛り込まれた」とし、「繊細な問題についてはトランプ大統領と協議する」と述べた。同氏はこれに先立ち、スウェーデンで開かれたウクライナ支援会合にビデオ形式で参加し「われわれは引き続き米国を含むパートナー国と協力し、ウクライナの弱体化ではなく、強化につながる妥協点を探っている」と語った。
23日の協議で得られた修正案で、ウクライナに対する安全の保証のほか、復興資金の確保といった難題がどのように扱われているかは公表されていない。ゼレンスキー氏は「交渉は継続中」としている。
<欧州は代替案提示、ロシアは拒否>
米国が先週提示した28項目から成るウクライナ和平案には領土割譲や軍の削減などが盛り込まれ、欧州とウクライナはロシアに有利になると懸念。欧州とウクライナは対案を作成した。ロイターが確認した文書によると、対案には戦闘を現在の前線で停止し、領土問題を巡る協議は後回しにする一方、米国による「NATO型の安全の保証」をウクライナに提供することなどが盛り込まれた。
ただ、ロシアのウシャコフ大統領補佐官(外交担当)はこの日、欧州の対案は建設的ではないとし、「ロシアは受け入れることはできない」と表明。米国が当初提示した案については、詳細な協議が必要な項目があるとしながらも、「多くの項目がロシアにとって受け入れ可能だ」と述べた。ロシアのプーチン大統領は21日、米国が提示したウクライナ和平案はウクライナとの紛争の平和的解決の基盤になり得るとし、ウクライナが米国の提案を拒否すればロシア軍の進撃は続くと警告していた。
ロシア軍は攻撃を続けており、23日はウクライナ東部ハルキウ州の州都ハルキウで大規模なドローン(無人機)攻撃により少なくとも4人が死亡。一方、ロシアの首都モスクワ方面に向かっていたウクライナのドローンが撃墜され、モスクワの3空港で運航が一時的に停止されたほか、ウクライナのドローン攻撃によりモスクワ近郊で数千世帯が停電する事態が発生。双方の攻撃は続いている。
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