18日の日本市場では株式が大幅続落し、日経平均株価の下落率は一時3%を超えた。エヌビディアの決算や雇用統計の発表を控えた米国株市場でリスク回避の売りが強まった流れが波及し、日中関係の緊張に対する警戒も続く。日本の財政支出拡大に懸念が高まっており、債券は下落(金利は上昇)。円は対ドルで一時9カ月ぶりの安値を更新した。

  インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストは、人工知能(AI)関連株のバリュエーションの高さが警戒される中、米エヌビディアの決算を前に利益確定を急ぐ動きが出ていると指摘。財政不透明感の高まりや日中関係を巡る警戒感も広がっており、複数の要因が重なる形で「株、円、国債のトリプル安を招いている」と述べた。

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国内株式・債券・為替相場の動き-午後1時25分東証株価指数(TOPIX)は前日比2.6%安の3261.33日経平均株価は3.1%安の4万8742円19銭日経平均の下げ幅は一時1600円を超え、取引時間中の4万9000円割れは10月24日以来長期国債先物12月物は前日比1銭安の135円71銭一時20銭安の135円52銭新発10年債利回りは一時2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い1.75%と、2008年以来の高水準新発20年債利回りは5bp高い2.79%と、1999年以来の高水準円は対ドルでニューヨーク終値比0.2%高の154円89銭一時155円38銭と2月以来の安値を更新対ユーロで179円60銭台、一時は180円02銭と過去最安値株式

  東京株式相場は大幅続落。リスク資産を圧縮する売り圧力が幅広い業種に出ており、東証業種別33指数は非鉄金属や電機、機械、情報・通信などを中心に32業種が下落している。相対的にテクノロジー・AI関連セクターの下げが目立つ。銀行など金融株も安い。

  売買代金上位ではキオクシアホールディングスやソフトバンクグループ、フジクラ、レーザーテックなどが安い半面、住友ファーマやJR東日本などディフェンシブ銘柄の一角が逆行高。

  T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフストラテジストは、先物の売買代金がいつもよりも膨らみ、機関投資家が売っている印象と指摘。「エヌビディアの決算待ちで慎重姿勢という面がある」と話した。

  また、野村アセットマネジメントの石黒英之チーフ・ストラテジストは為替市場で1ドル=155円台、一時1ユーロ=180円台と急速に円安基調が強まっている点について、輸入インフレが高まって消費減退要因になりかねないと懸念を示した。

債券

  債券相場は下落。長期金利は約17年ぶりの高水準を付け、新発20年債利回りは26年ぶりの高水準を更新した。政府が取りまとめる経済対策によって財政が悪化するとの懸念が強い上、19日に行われる20年国債入札を警戒する売りが優勢だ。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストは、財政悪化懸念が相場の重しとなっているほか、あす19日に20年債入札を控えており、長いゾーンの債券は買いにくいと述べた。

  高市早苗首相は18日午後3時半から日本銀行の植田和男総裁と会談する。藤原氏は、高市氏からは自民党総裁に就任後、「金融政策についてはっきりした発言はなかった」とし、「実際に植田総裁に会って何を要求するのかが注目される」と言う。

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為替

  外国為替市場の円相場は対ドルで一時155円38銭と2月以来の安値を付けた。政府の補正予算規模が膨らむことへの懸念が引き続き円の重しだ。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクターは、高市政権の財政拡張への懸念と、国内総生産(GDP)のマイナス成長で日銀が利上げをしづらくなるとの見方がメインドライバーとなり、円が売られていると指摘した。

  高市首相と日銀の植田総裁が午後に会談することについては、象徴的なイベントではあるが、会談後に何か材料が出ることは期待していないと述べた。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

— 取材協力 Eru Ishikawa, Takahiko Hyuga and Toshiro Hasegawa

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