ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.10.27 08:43

慶尚北道慶州市(キョンサンプクト・キョンジュシ)で、地下貯水槽の作業をしていた労働者が窒息で倒れ、2人が死亡した。産業現場での密閉空間における窒息事故が繰り返し発生している。

26日、慶北警察庁などによると、前日午前11時31分ごろ、慶州市安康邑(アンガンウプ)の斗流(ドゥリュ)工業地域にある亜鉛加工業者の地下貯水槽でポンプ配管関連の作業をしていた労働者4人が窒息で倒れた。

◇現場調査の結果、一酸化炭素を検出

病院に搬送された4人のうち2人が死亡し、2人が重体だ。地下貯水槽の外にいた管理監督者が、貯水槽内部の深さ2メートル付近で倒れている4人を発見し、通報した。この地下貯水槽では今月17日に一度塗装作業が行われたと伝えられている。

有害ガス測定装置による分析の結果、事故が発生した地下貯水槽の内部からは一酸化炭素が検出された。一酸化炭素は無色・無味・無臭で、濃度が高くなっても気づきにくい。吸入すると血液の酸素運搬能力が低下し、頭痛や呼吸困難を引き起こし、重篤な場合は死亡に至る。

警察は、作業員の1人が貯水槽から出てこなかったため、残りの3人が捜しに入って窒息したとみて、正確な事故経緯を調べている。大邱(テグ)雇用労働庁浦項(ポハン)支庁も警察とともに事故原因の調査に着手した。

産業現場での密閉空間における窒息事故は、依然として繰り返されている。今年に入ってからだけでも、密閉空間での窒息死亡事故は今回を含め少なくとも9件発生し、作業員6人が命を落としたことが分かった。

◇繰り返される窒息事故…「高い致死率」

8月21日には全羅南道順天(チョルラナムド・スンチョン)の生コンクリート工場で、密閉されたタンク内部の清掃作業をしていた50代の労働者が倒れ、それを救助しようと入った同僚2人もタンク内で倒れ、3人全員が死亡した。当時、タンク内部では有害ガスである二酸化炭素と硫化水素の濃度が基準値を大幅に超えていたことが確認された。

7月27日にはソウル衿川区加山洞(クムチョング・カサンドン)で、水道工事のマンホール内で作業していた70代の配管工と、それを救助しようとした70代のショベルカー運転手の2人が内部の酸素欠乏で窒息死した。

同月6日には仁川市桂陽区兵房洞(インチョンシ・ケヤング・ピョンバンドン)のマンホールでも、公共下水道工事に従事していた50代の日雇い労働者がガス中毒で倒れ、汚水管の流れにのまれて翌日、約900メートル離れた下水処理場で遺体で発見された。彼を救助しようとマンホール内に入った40代の汚・排水管路調査会社代表も死亡した。

雇用労働部によると、2015年から昨年までの10年間に産業現場で発生した密閉空間での窒息事故で298人が労働災害に遭い、そのうち126人(42.3%)が死亡した。密閉空間での窒息災害は酸素欠乏や有害ガス中毒などで発生するもので、この期間の被害者の42%が死亡するほど致命的だというのが労働部の説明だ。

特に死亡者126人のうち40人(31.7%)は夏季(6~8月)に命を落としている。気温が上がると有害ガスの発生量が増え、マンホール、汚・排水処理施設、畜舎などでの窒息事故の危険性がさらに高まるためだ。

産業安全保健研究院の関係者は「密閉空間に入る前には必ず酸素、硫化水素、一酸化炭素などのガス濃度を測定し、もし同僚作業員が密閉空間で倒れた場合は、空気呼吸器や送気マスクを着用しないまま決して救助してはいけない」と強調した。

さらに「作業者を対象に、安全な作業方法や緊急時の避難要領、窒息事故の症状などについて作業前に安全教育を実施し、監視員を配置することも忘れてはならない」と呼びかけた。

WACOCA: People, Life, Style.