米国防総省は24日、連邦政府の閉鎖期間中の軍人への給与にと、匿名で1億3000万ドル(約199億円)の寄付を受けたと発表した。ただ、政権は支払いを法的に執行できない可能性がある。

   国防総省のパーネル報道官は声明で、23日に一般的な寄付受領権限に基づき寄付を受けたと明らかにし、「この寄付は、軍人の給与と福利厚生の費用穴埋めのために使用することを条件として行われた」としている。

  政府閉鎖が4週目に突入する中、ホワイトハウスは連邦政府職員の解雇を進め、民主党が多数を占める地域への事業資金援助を大幅に削減する構えを見せており、法的な問題に発展している。

News Organizations Refuse To Sign Onto Pentagon Press Limits

米バージニア州アーリントンの米国防総省(手前)

Source: Bloomberg

  政府閉鎖中に米軍兵士への給与を支払おうとする試みは、政治的には支持を集める可能性がある。政府支出法案の承認を、議会民主党が拒否している点に焦点を当てることもできそうだ。

  だが、連邦法は原則として、個人が政府に特定の用途を指定した寄付をすることを禁じている。

  個人が米財務省に無条件の寄付を行うことは可能だが、寄付金は一般会計に計上されるか、国の借金返済に充てられる。議会の歳出承認なしに資金は支出できず、今まさに、この歳出承認がされないことが、政府閉鎖を引き起こしている。

  今回の寄付金を軍人の給与に充てる行為が法律違反となるかという問い合わせに対し、国防総省は今のところ回答していない。

  1億3000万ドルは、約130万人の現役軍人1人当たり約100ドルと、給与のほんの一部にしかならない。財務省によれば、政府は9月、軍人給与に98億ドルを支出した。次回の給与支払日は29日だ。

  トランプ米大統領は23日、名前を明かしていない「友人」が、軍内部の不足分を補うため1億3000万ドルの小切手を書いたと述べた。連邦政府の民間職員と軍人は通常、政府閉鎖中は給与を受け取れない。それにもかかわらず、トランプ氏は今月、国防総省に対し、軍人への給与支払いに充てられる資金を確保するよう指示していた。

  政府が寄付を受け入れることに関する連邦規制には例外がある。国立公園局も例外の一つで、国立公園内に位置するホワイトハウスの改修資金として、トランプ氏が寄付を受け入れることも認められている。

  軍も、民間からの寄付を受け入れる限定的な権限を持っている。ただ、その目的は、軍事学校、病院、図書館、墓地などの関連機関、公務中に負傷または死亡した軍人・文民職員とその家族の支援に限り認められている。

原題:Pentagon Received $130 Million Anonymous Gift to Pay Troops (1)(抜粋)

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