欧州連合(EU)は、中国が計画しているレアアース(希土類)の輸出規制強化を巡り、外交的解決に至らなかった場合に備え、貿易措置の導入を検討している。
事情に詳しい関係者によると、EUの執行機関、欧州委員会は、交渉上の優位性を高めるため、後に中国に対して展開可能な貿易措置のリストを、今月末までに準備する方針だ。また、短期的な対応策として、重要物資を保護し、他の供給源を確保する計画も策定中という。

中国の輸出規制は、欧州の産業と安全保障に重大な脅威をもたらす。対象となる原材料は、電気自動車(EV)用バッテリーから防衛製造まで、あらゆる用途に使用されている。シェフチョビッチ欧州委員(通商担当)が21日に中国の王文涛商務相と協議したが、EUの懸念を解消する合意には至らなかった。
シェフチョビッチ氏は協議後、記者団に「我々は事態の悪化を望んでいない。しかしこの状況は両国関係に影を落としており、迅速な解決が不可欠だ」と語った。同氏によると、今後数日中に中国側がブリュッセルを訪問し協議を続けるという。
この問題は、23日にブリュッセルで開催されるEU首脳会議で取り上げられる見通しだが、匿名を希望する関係者によると、欧州委員会は具体的な措置に関する議論は避けたい意向だ。

シェフチョビッチ欧州委員
Source: Hollie Adams/Bloomberg
中国政府は9日、レアアースやその他の重要資源の輸出規制を大幅に強化する計画を発表した。この措置により、中国産レアアースを微量でも使用した製品の海外輸出業者は、輸出許可証が必要となる。中国は世界のレアアース供給量の約70%を占める。
シンクタンク欧州外交評議会(ECFR)の報告書によると、EUが活用できる貿易措置の対象には、航空機部品、旧式の極端紫外線リソグラフィ装置、高精度ベアリングのような特殊鋼製品が含まれる可能性がある。
EUは、先進7カ国(G7)と協調し、中国からの供給依存を分散させる可能性について話し合ってもいる。
ブルームバーグが入手したEU首脳会議の声明案は「不公正な貿易慣行を相殺するため、欧州委員会に対し、EUの経済安全保障手段を最大限活用するよう要請する」としている。
原題:EU Prepares Trade Options to Counter China Rare Earth Curbs(抜粋)

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