経済安保相・小野田紀美氏(AP)
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注目されていた女性閣僚はわずか2人にとどまったが、その2枠のインパクトは絶大だ。女性初の財務相となる片山さつき氏(66)と、経済安保相に抜てきされた小野田紀美氏(42)。特に小野田氏は高市氏と思想信条が近く、肝いり政策である外国人政策の担当相も兼務。保守層の人気が高い論客として知られ、“高市カラー”を象徴する采配とも言える。
総裁選では高市氏陣営のキャプテンを務めた小野田氏。父は米国人、母は日本人で米イリノイ州シカゴ生まれ岡山県育ち。2016年参院選岡山選挙区に自民公認で初当選。22年の参院選では公明党からの支援を受けないことを表明しながらも圧勝したことから、“岡山のジャンヌ・ダルク”とも呼ばれた。
特筆すべきはSNSでの影響力。X(旧ツイッター)のフォロワーは約70万人で、国務大臣経験のない一議員としては異例の数字。石破茂前首相(68)の53万人、小泉進次郎防衛相(44)の15万人などを大きく上回る。切れ味鋭い舌鋒(ぜっぽう)にも定評があり、支援者らが載せる切り抜きのショート動画も人気を集める。初入閣ゆえに手腕は未知数な部分はあるが、政界関係者は高市氏が「小野田さんに思い切ってやってほしい、と期待しているのでは」と指摘した。
(“裏金”起用なし//) 初入閣は10人に上り、平均年齢は59・4歳。第1次石破内閣の63・6歳を下回った。「政治とカネ」の問題にも厳しい視線が注がれているだけに、いきなり不祥事でつまずくことを懸念して裏金議員の起用はなし。スキャンダルの有無を確認する「身体検査」は総裁選後から約2週間かけ、候補者には所定の用紙を提出させる徹底ぶり。思想信条を共にする側近や総裁選で争った議員を重要閣僚で処遇した。ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「もう少し高市さんらしさが出るかと思いましたが…かなり気を使った人事ですね」と印象を語った。
少数与党の状況は変わらない中、新体制で政界の荒波に挑んでいく。
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