カンボジア・テチョ国際空港に掲げられた同国国旗(c)news1

カンボジア・テチョ国際空港に掲げられた同国国旗(c)news1

【10月21日 KOREA WAVE】韓国国内のオンライン空間で、カンボジア人やカンボジアを侮辱する書き込みが急速に広がっている。こうした風潮が、韓国に住むカンボジア系多文化家庭の子どもたちへの“二次被害”につながる恐れが高まっている。

カンボジアなど東南アジア地域で最近、「韓国人を狙った誘拐・監禁・暴行事件」が相次いで報じられたことを受け、一部のSNSやオンラインコミュニティでは「カンボジア人=犯罪者」と決めつけるような投稿が拡散。「犯罪国家」「カンボジア人は追放せよ」といった過激な表現も目立っている。

このようなネット上のヘイトが現実の差別や偏見に転化すれば、特に自己認識を形成する時期にあるカンボジア系の児童・生徒に深刻な心理的影響を与える可能性がある。

教育省と韓国教育開発院による2025年の教育基礎統計によれば、全国の小・中・高校に通う多文化家庭の児童・生徒は20万人を超え、そのうち約8178人(4%)がカンボジア系だ。

韓国多文化健康家庭支援協会センター長のアン・ヒョンスク氏は「現場の学校でカンボジア関連の話題がどう扱われているかを確認しているが、今のところ直接的な被害は報告されていない」としつつも「こうしたヘイトが教育現場に及べば深刻な問題になる」と懸念を示した。

教育省は「学校内での差別防止に向けて、人権・多文化理解教育を強化する。教員研修の拡充も各教育庁や関係機関と協議して推進する」と明らかにした。

釜山外国語大学のファン・ミヘ教授(相談心理学)は「特定国や民族を敵視する表現の拡散は、子どもたちの基本的人権を根底から揺るがす行為。こうしたヘイトは、子どもたちに自らの出自への罪悪感や恥の意識を植えつけ、健全な自己形成を阻害する。まさに人間の尊厳に対する侵害だ」と述べた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News

WACOCA: People, Life, Style.